1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

「ピンクが好きそう」「いつもワンピースを着ていそう」…典型的な女性像に当てはめられやすい有村架純。「だからといって本当は違うんです、という必要もないのかな、と(笑)」

集英社オンライン / 2023年2月22日 10時1分

映画『ちひろさん』で有村架純が演じたちひろさんは、お弁当屋さんで働く元風俗嬢。色眼鏡で見られることが多いちひろさんと同じく、多くの人の目にさらされる俳優も一方的なイメージを抱かれやすい職業だ。世間がまだ知らない、有村架純の素顔とは。

ちひろさんは、私とは遠いところにいる女性

©2023 Asmik Ace, Inc. ©安田弘之(秋田書店)2014

──映画『ちひろさん』で、有村さんは元風俗嬢のちひろさんを演じています。ちひろさんという女性の解釈と、どのような準備をして撮影に臨まれたかを教えてください。

原作漫画と脚本を読んだとき、ちひろさんは自分とは違う、ずっと遠いところにいるキャラクターだと感じました。パッツン前髪で、長い黒髪がよく似合って、佇まいからも香りを感じるような妖艶なイメージ。喋り方、声など、一度お話しすると、忘れられないような……。



そういうちひろさんの魅力は、自分が今まで生きてきた人生とは違うし、その雰囲気を出していくのは、かなり難易度が高い役だと思いました。

だから私にできることは、いつもより声のトーンを低くして、早口で喋らないようにするとか、声色から感じられる感情や温度感が、ある一定のところから外れないようにするとか、そういうところに気をつけて演じました。

──ちひろさんが以前働いていた風俗の世界は、色眼鏡で見られてしまうことも多い仕事ではないかと思います。同じように俳優の仕事も華やかなイメージで捉えられがちですが、有村さんはご自身がそのようにイメージ先行で見られてしまい、ギャップを感じたことはありますか?

そうですね……よく言われるのは「ピンクが好きそう」とか「いつもワンピース着てそう」とか「丁寧な暮らしをしていそう」とか(笑)。私はそういう典型的な女性像が当てはまりやすいタイプのようです。一緒にお仕事した方に言われることもありますし。でも実際は全然そんなことはなくて、友達からは「さっぱりしているよね」と言われることが多いです。

でも、だからと言って「本当は違うんですよ」と言う必要もないのかなと思います。役でイメージは変えることができるので。俳優として役に出会って、それをみなさんに届けることで、私の印象は大きく変わっていける。だから、自分と自分のイメージとのギャップを埋めなくちゃということはないですね。

──有村さんは人との距離の取り方同様に、役とも上手に対峙している印象があります。有村さん自身、このお仕事に向いていると感じていますか?

俳優に向いているのかな……自分ではわからないのですが(笑)、俳優の仕事はセリフがあって、あらかじめ喋ることが用意されている中で表現するじゃないですか。自分が言ったことのない言葉や言い回しを使うことができるので、そういうのは楽しいです。私は普段、言葉数があまり多くなく、お芝居でしかペラペラ喋らないので(笑)。

自分が普段、おしゃべりじゃない分、役を通してたくさんお話ししているみたいです。そういうところが私の性格には向いているのかもしれません。お芝居でおしゃべりをして、自分の中の感情を揺り動かし、発散している感じがします。

トム・ハンクスの映画が好き!

──ロードショーは雑誌の頃からハリウッドのスター俳優たちを応援してきたメディアです。有村さんは忘れられない映画や好きな俳優はいますか?

トム・ハンクスです。彼が主演した映画『ビッグ』(1988)は傑作だと思います。13歳の男の子が「大人になりたい」という夢を叶えるお話なんですが、「トム・ハンクスって、こんなにチャーミングなお芝居をするんだ」と、すごく感動しました。

コミカルで笑いもあるけど、ヒューマンストーリーでもあり、温かい気持ちにしかならない、とても平和な作品なんです。『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)、『ハドソン川の奇跡』(2016)も好きなんですが、やっぱり一番は『ビッグ』ですね。

──最後に完成した映画『ちひろさん』を見た感想を教えていただきたいです。

誰かが殺されたりするわけでもなく、犯罪者が出てくることもなく、ただそこに暮らしている人たちが、ちひろさんに出会って、心を動かされて、救われて、という、本当に優しい作品になっていると思いました。それは、今泉力哉監督の心根の優しさが作り上げたものだろうな、とも。

監督の作風がしっかり生かされている映画なので、この映画がみなさんの心にどんな風に届くか、とても楽しみです。

──個人的には『ちひろさん』、これからも続いてほしいなと思いました。

そうですね。この作品ではお弁当屋さんでしたが、違う職業のちひろさんにまた会いたいです。

取材・文/斎藤香 撮影/MISUMI ヘア&メイク/尾曲いずみ スタイリスト/瀬川結美子

有村架純
1993年2月13日生まれ。兵庫県出身。2010年ドラマ『ハガネの女』(EX)で俳優デビュー。2013年連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK)の好演が話題になり、2017年連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK)では主演を果たす。2015年主演映画『ビリギャル』の演技で日本アカデミー賞主演女優賞、新人俳優賞などを受賞。2021年『花束みたいな恋をした』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。ほか出演映画は『前科者』『月の満ち欠け』(いずれも2022)など多数。近作はNHK大河ドラマ『どうする家康』(2023)など。

映画『ちひろさん』


風俗嬢の仕事を辞めて、海辺の街のお弁当屋さんで働いているちひろ(有村架純)。元風俗嬢であることも隠さず、ホームレスのお爺さんから近所の子供まで誰にでも分け隔てなく接するので、彼女に惹かれる人は多い。中でも厳格な家庭に息苦しさを感じている高校生のオカジ(豊嶋花)とシングルマザーのヒトミ(佐久間由衣)の愛を求めている小学生のマコト(嶋田鉄太)とは次第に家族のように仲良くなっていく。人懐っこくて朗らかなちひろだが、彼女自身も家族関係が複雑で孤独を抱えて生きていたのだった……。

2月23日(木・祝)Netflix世界配信スタート!&全国劇場にて公開!
配給:アスミック・エース
公式サイト:https://chihiro-san.asmik-ace.co.jp
©2023 Asmik Ace, Inc. ©安田弘之(秋田書店)2014

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください