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「ベッドシーンも意味のあることであれば、抵抗感はない。スタッフさんの方が大変そうでした(笑)」馬場ふみか、映画『ひとりぼっちじゃない』で官能的なヒロインを熱演!

集英社オンライン / 2023年2月26日 10時1分

King Gnuの井口理が主演を務めた映画『ひとりぼっちじゃない』(3月10日公開)で、つかみどころのないヒロイン・宮子を好演。美しく官能的なシーンの撮影にも挑戦した、飾らない馬場ふみかの素顔に迫る。

ベッドシーン撮影で経験した意外な苦労

──King Gnuの井口理さん扮する主人公・ススメが恋をする宮子を演じられました。井口さんとの初共演はいかがでしたか?

共通の友人がいたこともあって、元々知り合いではあったんです。ただ、それほど喋ったことはなくて。今回初めて映画で共演させていただいたことで、作品に対する熱量や集中力の高さに驚いたし、すごく素敵な俳優さんだと思いました。

──劇中では、ススメと宮子のベッドシーンも描かれます。ファンタジックで美しい映像が魅力的でした。



あのシーンはハイスピードカメラで撮ったんです。すべて絵コンテに従って、「次は顔を撫でるところを撮ります」と監督が1シーンごとに丁寧に実演してくれて。とにかく宮子が綺麗に映るように、肌の質感などにもこだわって撮影してくれました。

──現場で苦労したことは?

もちろん緊張感はありましたが、特に大変なことはなかったです。肌を露出することに対しても、あまり抵抗はないですし。ただ、ベッドシーンはいろんなことに気を遣わなきゃいけないから、周りのスタッフさんやマネージャーさんは大変そうでしたね。

現場に入るスタッフを最小限にしてくれたり、カットがかかるたびに急いで私に毛布をかけにきてくれたり。マネージャーさんは監督と「こういう見え方はちょっと……」と交渉したり。私はとにかく、その場に身を委ねていた感じです。

この作品の場合だと、いやらしい場面を撮りたいという意図ではなく、ススメと宮子のふたりが過ごした時間の象徴として描かれるんです。

他人を理解するなんてことは到底無理

──美術やインテリアなど、細部にもこだわりを感じる作品でした。特に植物だらけの宮子の部屋のインパクト大です。

部屋の中がジャングルみたいですよね。あまりに枝葉が伸びすぎて、窓も閉められなかったくらい。撮影中もずっと窓を開けっぱなしだったので、めちゃくちゃ蚊に刺されました。

でも宮子はきっと、「蚊に刺されても気にせずそのままいる子だよね」って監督と話し合って。コンシーラーで隠すこともしなかったので、よーく見たら跡が映っているかもしれません(笑)。

──演じた宮子は、つかみどころのないミステリアスなキャラクターですね。

脚本を最初に読んだときは、もう全然わかんなくて(笑)。ススメの妄想の中で作り上げた女性なのか、幻なのか、とにかく実在しない感じがしました。こんな妙な人、現実で見たことないですし。

だから脚本を読んだだけでは、自分の中で話し方や佇まいの方向性が追いつかなくて。監督と話す中で、「とにかくゆっくり喋ってください」、「常に口は半開きで」など、具体的な指示をいただきました。すべてが曖昧な感じは意識しましたね。

──そんな謎の多い宮子に恋するススメを通し、映画ではコミュニケーションの難しさを描いています。馬場さんは、相手の真意を察することの難しさに直面したとき、どう対処しますか?

結局は違う人間だから、わからないときはしょうがないと思うかもしれません。それでも気になるときは聞いたりすると思うけど、根本には、他の人のことはわからなくて当たり前だ、みたいな感覚がありますね。

仲がいい人も、自分と似ている人ってあまりいないんです。たとえばLicaxxxと私はすごく仲がいいけど、似ているかと言われると中身は全然違う。だから理解できないと思うこともあるんです。

誰かのことを理解するなんてことは、到底無理。ただ、「違う考えを持っている人なんだ」ということを、知っておくことが大事なんだと思います。

──監督はこの映画のことを「ホラー映画」と表現しているそうですが。

いや、本当に怖いですよね。私も恋愛映画だとはまったく思っていなくて。サスペンス味があると思いました。

余計な音楽やセリフが一切ないし、映像ですべてが物語られていく。井口さん演じるススメが宮子の家の物置に入っているシーンなんて、完成した作品で初めて見て「やばいやばい……」って思いました(笑)。

試写では井口さんとも一緒だったのですが、試写室を出てスタッフみんなと集まっても、誰の口からも言葉が出ないというか(笑)。何というべきか、感想が非常に難しい作品でした。

まったく意味がわからなかったっていう人も絶対にいると思うし、とてつもなく共感する人もいると思う。見る人によって受け取り方は違うので、それこそ、いろんな人がいるってことを知ることができる映画だと思います。

取材・文/松山梢 撮影/猪原悠 ヘア&メイク/ スタイリスト/石田綾

『ひとりぼっちじゃない』 2時間15分 日本
監督・脚本:伊藤ちひろ
企画・プロデュース:行定勲
出演:井口理(King Gnu) 馬場ふみか 河合優実 他
人とうまくコミュニケーションが取れない歯科医のススメ(井口理)が恋をしたのは、アロマ店を営む宮子(馬場ふみか)。宮子は部屋に鍵をかけず、突然連絡が取れなくなったりする、つかみどころのない女性だった。それでも彼女と抱き合っていると、ススメは自分を縛っている自意識から解放される気がしていた。ところが、謎の多い宮子を前に、自分は彼女のことを理解できていない、と思い悩むススメ。ある日、宮子の友達である蓉子(河合優実)が、ススメに宮子の身に起きた驚きの事実を告げる。
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公式Twitter
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2023年3月10日(金)より東京・渋谷シネクイント他で公開

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