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〈ガーシーと“同期”のセンセイ40人にアンケート〉2022年参議院選挙で初当選・1期生はガーシーをどう思うのか? 「考えられない」「登院すべきだ」の回答のなか「民主主義の一側面」の声も! 生稲晃子・辻元清美の反応は…

集英社オンライン / 2023年2月20日 19時11分

昨年7月の初当選以来、1日も国会に登院せず、2月21日にも処分が決まるガーシー参院議員。同じ選挙で初当選した1期生たちは彼に何を思い、処分をどう見ているのか。昨夏の選挙中には、政策に関するマスコミからの質問状に「無回答」を連発した生稲晃子氏(自民・東京)や、「年金未納」報道や、国会での新曲PRが批判された中条きよし氏(維新・比例)、参議院としては2022年の選挙が初当選となった辻元清美氏(立憲民主党・比例)ら同期40人に、アンケートで聞いてみた。

「オレをやめさせられるのはムネオハウスやない!」
「議場での陳謝」を拒否し、「除名」か

ガーシー氏は昨年7月の当選後、夏、秋の臨時国会を欠席し、今年1月からの通常国会にも来ていない。ドバイに滞在中のガーシー氏は、懲罰委員会の鈴木宗男委員長を引き合いに「オレをやめさせられるのはムネオハウスやなく、オレに票を入れてくれた有権者だけや!」と主張しているが、擁護する国会議員はほぼ皆無の状況だ。



ガーシー氏への処分を決める21日の参院懲罰委員会を前に、自民・立憲両党の参院幹部は20日、国会内で会談し、処分を「議場での陳謝」とすることで大筋合意した。だが、ガーシー氏が国会に来ないままだと、陳謝もできない。そうなると、再び懲罰委員会が開かれ、除名処分が決まりそうな情勢だ。

2022年参議院選挙で初当選しガッツポーズをあげるガーシー氏(画像/共同通信社)

自身への批判の声が集まるなか、自身のSNSで「選挙にも出てないやつになんも言われたくないし、投票すらしていない奴らにとやかく言われたない」と発言していたガーシー氏。
「集英社オンライン」は、ガーシー氏と同じく、昨年7月の参院選で初当選を果たした全40人の議員にアンケートを送付(辞職した議員、繰り上げで当選した議員は除く)、ガーシー氏の欠席や処分について、考えを聞いた。

アンケートでは、ガーシー氏が
① 1度も国会に登院していないこと
② リモートでの国会出席を希望していたこと
③ 歳費や期末手当などで、これまでに少なくとも計約1600万円が支給されていること

についての考えのほか、
④ガーシー氏にどのような処分があると考えるか、処分を希望するか
⑤ガーシー氏のSNSや動画を見たことがあるか

について尋ねた。
各議員の事務所には、14から15日にかけて質問状をFAXやメールで送付。20日までに電話やメール、FAXで回答を得た。

取材班が送付した“同期”40人に送ったアンケート

「考えられない」「生み出しうるのも、民主主義の一側面」と回答

締め切りまでに回答があったのは、臼井正一氏(自民・千葉)、星北斗氏(自民・福島)、上田勇氏(公明・比例)、窪田哲也氏(公明・比例)、天畠大輔氏(れいわ・比例)の5人だ。
ガーシー氏が1度も国会に登院していないことについては、厳しい声が目立った。

上田氏(公明)と窪田氏(公明)は、「普通は、国会でいろんな発言をするという目的で立候補する。どういう方々が投票したかは分からないが、多くの方達がそれを期待してガーシー氏なりNHK党に投票しているだろうから、考えられないことだ」(上田氏)「理由もはっきりしないまま、一度も国会に登院をせず、しかし歳費は受け取っているというのは国民の理解を得られない」(窪田氏)と批判。
星氏(自民)も「国会法の定めに従い、出席すべきと考える」と回答した。

一方、天畠氏(れいわ)は「ご本人と所属政党、投票した有権者の意思ならば、私が所感を述べるような話ではないと思う。当選後に一度も登院しない議員や政党を生み出しうるのも、民主主義の一つの側面ではないか」と指摘した。

上田勇氏(本人フェイスブックより)

ガーシー氏が求めるリモートでの国会出席については、将来的には導入を検討する余地があるものの、対面出席が求められている現状では、ガーシー氏のリモート出席は認められないとの考えが大勢を占めた。

臼井氏(自民)は「有事の国会開会のあり方、例えばコロナ以上の感染症が蔓延した場合や、災害で交通網が寸断され、多くの議員が上京できない場合などは、リモート参加をもって定足数とするなどの考え方は議論される必要があるかもしれない」として、非常時のリモート出席の検討に理解を示した。ただ「常時、個人的な都合によりリモート参加が可能とする必要はあるとは言えない」として、ガーシー氏の求めているリモート出席には否定的だ。

臼井正一氏(本人フェイスブックより)

ガーシー氏の受け取った1600万円は
「私たちが民主主義を学ぶ上での代償」

ガーシー氏が当選後、少なくとも1600万円を支給されていることについて、窪田氏(公明)は「当選後に、理由もはっきりしないまま、一度も国会に登院せず、しかし歳費は受け取っているというのは、国民の理解を得られないと考える。国民の付託を得た参議院議員の在り方として不適切だ」と批判。

上田氏(公明)は「NHK党においても、このことをよしとしていることが、政党としていかがなものか。NHK党にも政党助成金や立法事務費などがはいっている。それでよしとしているのか。個人の問題というよりも、政党の問題としてケジメをつけるべき課題だ」と、党の責任も指摘した。

一方、「私たちが民主主義を学ぶ上での代償とも言えるのではないか。今回のようなことを望まない有権者が増えるなら、事態は防げるのではないか」(れいわ・天畠氏)と、有権者に投げかけた回答もあった。

天畠大輔氏(本人フェイスブックより)

ガーシー氏の処分をめぐっては、「除名」「陳謝」などの具体的な処分を挙げた議員はいなかった。
星氏(自民)は「議員を続ける考えがあるのであれば、自らけじめをつけるべきだ」とガーシー氏に求めた。
窪田氏(公明)は「参議院として、国会議員の在り方を踏まえて、適切に対処していく必要があると考える」と回答し、上田氏(公明)は「法律やルールに基づいて行うのが国会のルールだが、処分も、本来はNHK党内においてけじめをつけるべきだろう」と、NHK党の責任に改めて言及した。

一方、有権者から選ばれた議員を除名することに慎重な声も。天畠氏(れいわ)は「選挙を経て得られた議席を国会が除籍にすることには、最大限慎重になる必要がある。ご本人が3月に帰国する意思を示していると聞く。それを待たずに処遇を決めてしまうことには反対だ」と記した。

ちなみに、ガーシー氏の動画やSNSを見たことがあると明言したのは、上田氏(公明)のみ。その上田氏も「以前はなかったが、こういう問題が出てきて、動画は見た。一方的に人を批判してるような内容のもの。根拠もあまり示していなかったようだし、私自身、関係のない人間のゴシップに関心がない」と冷ややかだった。

ガーシー氏著書 「死なばもろとも」(幻冬舎)

「まだ新人なので」「我々ではなく国民がどう思うか」…
歴史的前例にも他人事の議員が多数

一方、回答がなかった議員は、40人中35人にものぼった。
20人の1期生がいる自民党は、生稲晃子氏(東京)をはじめ18人が無回答で、数度問い合わせたが期日内に回答を得られなかった。広瀬めぐみ氏(岩手)は、メールやSNSで簡単にやりとりができる時代にもかかわらず「遠方におり回答が難しく、今回は差し控えさせていただきます」。

3度問い合わせたが回答は得られなかった。生稲晃子氏(本人フェイスブックより)

一方、「1回で『除名』もやむなしだ」(斎藤嘉隆参院国会対策委員長)と、強気の姿勢も見せていた立憲民主党。党幹部とはうって変わって、1期生は全員が無回答だった。辻元清美氏(比例)は「参議院の予算委員会にも選ばれて仕事が立て込んでおり、回答の時間を取るのが難しく、今回は控えさせていただきます」。

参議院では1回生の辻元清美氏、多忙だという(本人フェイスブックより)

野党系無所属の三上絵里氏(広島)は「まだ新人議員のため、他の議員に関する回答は差し控えさせていただきたいです」。

「年金未納」報道や、国会での新曲PRで物議をかもした日本維新の会の中条きよし氏(比例)の事務所は「こういうことは我々ではなく、国民の皆様がどう思うかだと思うので、今回は回答を差し控えさせていただきます」として、「中条氏自身がどう思うか」には答えなかった。
同じく維新の青島健太氏(比例)も「現在、党内で議論が進んでいる最中のため、対外的意見を控えさせていただきたく存じます。また、党内意見がまとまりましたらコメントさせていただきます」と、そろって「無回答」を貫いた。

NHK党の立花孝志党首からSNS上で批判されている参政党の神谷宗幣氏(比例)は「特段表明する意見はございません」とするにとどめた。

欠席を続けるガーシー氏と、そのことについてほぼ全員が自身の意見を表明しない1期生を識者はどう見るか。

法政大学大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)はガーシー氏について「正当な理由なく国会を欠席し続けていることは、国会法の規定に引っかかる。ガーシー氏に期待して投票した有権者も、彼が国会に出てきて、国会のあり方を変えることを望んでいたのではないか」と批判。

一方で、ガーシー氏に関するアンケートに回答しない議員が多かったことについては「有権者に選ばれた議員を除名することは、非常に重い行為で、実現されれば、歴史的前例になる。懲罰委員会に付される理由として国会法に定められている『正当な理由がなく会議に欠席』の範囲が今後、拡大解釈されていく恐れもある。有権者が与えた議席を奪うということをどう捉えるのか、議員一人ひとりが判断を真摯に考えるべきだ」と指摘した。

“同期”たちの声をガーシー氏自身はどう捉えるだろうか…

40人のガーシー氏の同期はどう回答したか?

■アンケートの回答があった議員

星北斗氏・福島・自民党(本人フェイスブックより))
ガーシー議員の処分について「議員を続ける考えがあるのであれば、自らけじめをつけるべきだと思う」

臼井正一氏・千葉・自民党(本人フェイスブックより)
ガーシー議員が登院しないことについて「国会の召集は天皇の国事行為であるので、当然全ての国会議員は出席すべき。その上で、病気など様々な理由で出席できない場合もあるが、ガーシー議員のケースが適当かどうかはわからない」

窪田哲也氏・比例代表・公明党(本人フェイスブックより)
ガーシー議員の歳費について「1度も登院せず歳費を受け取っていることについて、国民の理解は得られないのではないか」

上田勇氏・比例代表・公明党(本人フェイスブックより)
ガーシー議員の動画について「一方的に人を批判してるような内容のもの。根拠もあまり示していなかったようだし、私自身、関係のない人間のゴシップに関心がない」

天畠大輔氏・比例代表・れいわ新選組(本人フェイスブックより))
ガーシー議員が当院しないことについて「当選後に一度も登院しない議員や政党を生み出しうるのも、民主主義の一つの側面ではないか」

様々な理由でアンケートを拒否した議員

広瀬めぐみ氏・岩手・自民党(本人フェイスブックより)
「遠方におり回答が難しく今回は差し控えさせて頂きます」

堂込麻紀子氏・茨城・無所属(本人フェイスブックより))
「今回はお答えするのは差し控えたいと思います」

高木真理氏・埼玉・立憲民主党(本人フェイスブックより)
「案件が案件のため回答が難しく今回は差し控えさせて頂きます」

若林洋平氏・静岡・自民党(本人フェイスブックより)
「回答はご遠慮させてください」

吉井章氏・京都・自民党(本人フェイスブックより)
「回答はご遠慮させてください」

三上絵里氏・広島・無所属(本人フェイスブックより)
「まだ新人議員のため他の議員に関する回答は差し控えさせて頂きたいです」

山本啓介氏・長崎・自民党(本人フェイスブックより)
「この様なアンケートには答えていないので差し控えさせて頂きます」

古庄玄知氏・大分・自民党(本人フェイスブックより)
「回答しない方針になりまして控えさせて頂きます」

藤井一博氏・比例代表・自民党(本人フェイスブックより)
「面識もなく東谷議員個人の事情もわからないため回答は控えさせて頂きます」

神谷政幸氏・比例代表・自民党(本人フェイスブックより)
「本人から『アンケートには答えない』と言われましたので回答は差し控えさせて頂きます」

辻元清美氏・比例代表・立憲民主党(本人フェイスブックより)
「参議院の予算委員会にも選ばれて仕事が立て込んでおり、回答の時間を取るのが難しく今回は控えさせて頂きます」

村田享子氏・比例代表・立憲民主党(本人フェイスブックより)
「今回は回答を差し控えさせて頂きます」

中条きよし氏・比例代表・日本維新の会(本人フェイスブックより)
「こういうことは我々ではなく国民の皆様がどう思うかだと思うので、今回は回答を差し控えさせて頂きます」

串田誠一氏・比例代表・日本維新の会(本人フェイスブックより)
「今回は回答を差し控えさせて頂きます」

青島健太氏・比例代表・日本維新の会(本人フェイスブックより)
「党内で議論が進んでいる最中の為、対外的意見を控えさせていただきたく存じます。また、党内意見がまとまりましたらコメントさせていただきますのでご了承の程、よろしくお願い申し上げます」

竹詰仁氏・比例代表・国民民主党(本人フェイスブックより)
「党として対応していることなので個人としてお答えすることは差し控えさせていただきたい」

神谷宗幣氏・比例代表・参政党(本人フェイスブックより)
「特段表明する意見はございません」

以下・期日までに回答の無かった議員

船橋利実氏(北海道 自民党)

加藤明良氏(茨城 自民党)

生稲晃子氏(東京 自民党)

水野素子氏(神奈川 立憲民主党)

小林一大氏(新潟 自民党)

永井学氏(山梨 自民党)

山本佐知子氏(三重 自民党)

赤松健氏(比例代表 自民党)

長谷川英晴氏(比例代表 自民党)

友納理緒氏(比例代表 自民党)

越智俊之氏(比例代表 自民党)

鬼木誠氏(比例代表 立憲民主党)

柴愼一氏(比例代表 立憲民主党)

松野明美氏(比例代表 日本維新の会)

猪瀬直樹氏(比例代表 日本維新の会)

金子道仁氏(比例代表 日本維新の会)

梶原大介氏(比例代表 自民党)

古賀千景氏(比例代表 立憲民主党)

取材班が送付した40人(敬称略・辞職した議員、繰り上げで当選した議員は除いています)

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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