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体が硬くなった人は動脈硬化が進んでいる?! 血圧と冷えだけじゃない。体の硬さは、血管の健康を守る重要なバロメーター

集英社オンライン / 2023年2月28日 12時1分

体が硬いとケガをしやすくなったり、基礎代謝が下がったりするが、それだけでなく大きな病気のリスクを抱える要因にも。体の硬さと血管の硬さのつながりについて、家光素行氏の『体がやわらかくなると血管が強くなる』(アスコム)より一部抜粋・再構成してお届けする。

全ての人の血管が年とともに硬くなっていく

私たちの体に張り巡らされている血管。血管には動脈、静脈、毛細血管の3種類があり、これらがそれぞれの役目を担いながら体の中に存在しています。

そして、血管の中を流れているのは、ご存じの通り血液です。血液は体の細胞や各器官に酸素と栄養を届け、いらなくなった老廃物や二酸化炭素を回収する働きを担っており、それが正常に行われることによって体は健康が保たれているのです。



「血管」は、生命維持に欠かせない血液の通り道。その血管に不具合があれば、血液が全身に行き渡らなくなり、命に関わる影響も生じてしまいます。

さて、その血管が、年齢とともに硬くなっていくことをご存じでしょうか。どんなに健康的な生活をしている人でも、若々しい人でも、誰しもの血管が、20歳くらいを機に徐々に硬くなっていきます。もちろん私だって、例外ではありません。

主に硬くなるのは動脈なのですが、血管が硬くなるこの現象を「動脈硬化」といいます。これが健康によくないとか、恐ろしいというのはなんとなくご存じの方もいるでしょう。しかし、具体的に何が恐ろしいのかは、ほとんどの人は知りません。

しかも、自分の体の中で今まさに進行していることを認識している人は非常に少ないのです。「動脈硬化」というと、肥満や、長年の不摂生な生活がたたって起こるというイメージを抱く人も多く、「自分は大丈夫」と思っている人もいるようです。そんな思いを裏切るようですが、誰しもの血管が年とともに硬くなります。

すなわち、動脈硬化は、例外なしに誰しもの血管に起こっているのです。「人は血管とともに老いる」という有名な言葉もあります。そして、老いていく、つまり「老化」によって起こる現象のひとつが「動脈硬化」なのです。

若くても血管年齢が高いと動脈硬化のリスクが高まる

ただし、動脈硬化を進めるのは年齢だけではありません。偏った食生活や運動不足、
喫煙など、血管の負担になる生活をしていると、老化は速まっていき、実年齢よりも
10歳も20歳も「血管年齢」が高いということもあるのです。

ところで、「硬くなっていく」「老化していく」といっても、血管は見ることも触れることもできないのですから、ピンとこない人も多いでしょう。

例えば、ゴムホースを想像してみてください。新品のときはハリと艶と、しなやかさがあるゴムホースも、日が経つにつれ硬くなり、ヒビが割れもろくなります。血管もそれに似ていて、老化すると、硬くなり、もろくなり、しなやかさを失ってしまうのです。

そして、図のように「若い血管」は、そのしなやかさのおかげで、血液が流れてきたときに、波を打つように少し広がりをみせます。対して、老いた血管は、カチコチに硬いためほぼ広がらないのです。実はこの「広がらない」ことが、高血圧や命に関わる重大な病への前段階であることは、このあとお話ししていきます。

さて、ひとつ先にお伝えします。あなたは昔に比べて、体が硬くなっていますか?
そうであれば、血管も硬くなっているかもしれません。実は「体の硬さ」と「血管の
硬さ」には、深い関わりがあり、
これについては、次でお伝えしていきます。

研究からわかった新事実!
「体が硬くなった」は動脈硬化が進んでいる!

「血管が硬くなっている」ことを知る手がかりはもうひとつあります。

突然ですが、あなたは昔に比べて、体が硬くなっていませんか?
実は「体の硬さ」と「血管の硬さ」には深い関わりがあることが、私たちの研究と
実験によってわかったのです。
実験では、まず60歳以上の中高年層132人を体の硬いグループとやわらかいグル
ープに分けました。次にそれぞれのグループの動脈硬化度を測定すると、体が硬いグ
ループのほうが、動脈硬化度が高いという結果になりました(下グラフ参照)。
つまり、体が硬い人は、「動脈硬化度が進んでいる」という事実がわかったのです。

・ 前屈したときに、床と手の距離がだいぶ離れている。
・ 前屈時、昔は床に手がついたのに、全くつかなくなってしまった。
・ 靴ひもを結ぶときに、体が硬くてしんどい。

という人は、血管が悲鳴をあげているかもしれません。じわじわ硬くなり、思いのほか動脈硬化が進んでいる可能性は否めません。

これまでもお伝えしてきたように血管の状態は目視できないですし、自覚症状がほぼないので、硬くなっていることを見逃しがちです。そんな中で「体の硬さ」は、血管の状態を知るための貴重かつ手軽なサインになるといえます。血管の硬さを測るつもりで、体の硬さをチェックしていきましょう。

先に説明した、血圧の数値、冷え、そして体の硬さは、「血管の健康」を守っていくうえで重要なバロメーターです。また、硬い血管は心臓に負荷をかけるので、病院に行くほどではないけれど「疲れやすくなった」といったこともひとつのサインになるでしょう。これらのちょっとした異変は、目に見えないがゆえ、状況がわからない血管からの貴重なシグナルといえるでしょう。

さらに、もう一つ気に留めていただきたいのが、「年齢」です。年齢を重ねても柔軟な血管を持つ人はいますが、老化現象である動脈硬化は確実に少しずつ進みます。

50歳頃から動脈硬化が速まり、関連する疾患も急増することがわかっていますから、一層注意をしていくことが必要です。

※図は全て『体がやわらかくなると血管が強くなる』(アスコム)より転載

『体がやわらかくなると血管が強くなる』(アスコム)

家光素行

2022年10月26日

1,540円(税込)

単行本‏ : ‎ 128ページ

ISBN:

978-4776212416

年齢を経ると、多くの人は体が硬くなります。「屈んで靴の紐を結ぶのが、一苦労」「手を伸ばして物を取ろうとしても、届かなくなった」こんな経験ありませんか?体が硬いと健康によくないことはいろいろな角度から言われてきました。ケガをしやすくなったり、基礎代謝が下がったり。しかし、それだけではありません。実は「血管」も硬くなっているのです。近年の研究で発見された新事実です。体の硬さと血管の硬さとつながっていたというのは驚きですよね。例えるなら、若い頃の血管はゴムホースのようにやわらかいのに50代以降の血管はコンクリートの水道管のように硬いのです。また、健康診断で若いころに比べて血圧が高くなったという方も血管が硬くなっている可能性大です。
特に深刻なのが「血管の詰まり」。血管が硬くなると、血管の内壁に傷がつきやすくなります。その傷に、コレストロールなどが溜まると血管が破裂していまい脳梗塞、心筋梗塞が起きます。
今まで、血管の状態を改善するには、有酸素運動や食事、睡眠などの生活習慣全般を変えていくしかないと言われていました。しかし、高齢の方にとってハードルが高いのが「運動」です。「ジョギングやウォーキングをしたいのだが、膝が痛くて無理」「長時間の運動は体力がもたない」こうした切実な声を受け、本書の著者の家光素行教授は、少しでもハードルを下げるための方法を考え抜いた結果「体が硬くなることと血管が硬くなることが同時並行で起きるのであれば、体が柔らかくなれば、血管も柔らかくなるのではないか」という逆転の発想に行きつきました。
そして独自に開発したストレッチを、被験者に試してみたところ驚くことに、本当に血管が柔らかくなったのです!このストレッチはNHK『ためしてガッテン』やテレビ東京『主治医が見つかる診療所』などでも紹介され、大きな反響を呼びました。決して難しいストレッチではありません。誰にでも、自宅でできる簡単な内容です。まずは本書を参考に「1日1分」からスタートしてください。

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