岸田政権の支持率が低迷する一方、反転攻勢のチャンスを生かせていないのが、野党第一党の立憲民主党だ。
党を率いる泉健太代表は、街頭演説をしても通行人から「あの人、誰?」と言われてしまうほど知名度がなく、党内からは「泉代表のもとでは選挙を戦えない」との不満の声が漏れる。それでも、本人はいたって明るいようだ。
「みなさん、政権交代を目指していきましょう! 一致団結して、勝利に向かって頑張っていきましょう!」
「自分に人気も知名度もないことを泉代表はわかってない」党内からは不満続出…? 地元での活動で気合十分も、実家での「雪おろし」取材に記者は一人も集まらず…午前2時すぎまで同窓会で大ブーイング
集英社オンライン / 2023年2月24日 8時1分
野党第一党の立憲民主党。その代表である泉健太氏の評判がどうにもかんばしくない。勝負どころの統一地方選を前に泉代表は張り切るもその気合いが空回り? 党内から漏れる不満の声を拾ってみた。
「昨年の参院選後に責任をとって辞めておけば…」
泉代表は2月19日、東京都内で開かれた党大会で、出席した国会議員らに明るく呼びかけた。
賃上げ、外交、子育て政策など立憲の取り組む政策を訴え、拍手を受けて、笑顔で壇上から降りる泉氏。
だが、その直後に登壇し、あいさつした岡田克也幹事長の顔は険しかった。
「率直に言って、一昨年の総選挙、昨年の参院選と、国政選挙で連敗をいたしました。もう、後がありません。このままでは政権交代可能な政治は実現できない」
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岡田幹事長(岡田かつやFacebookより)
立憲の支持率は、2月中旬の朝日新聞の世論調査で6%と相変わらず低迷。自民党に、大きく差をつけられている。
今年は、4月の統一地方選に続き、5月のG7広島サミット後に衆院の解散総選挙があるともささやかれるが、党勢が上向く兆しはない。
落選中の前衆院議員は、こう溜息をつく。
「自分に人気も知名度もないということを、泉代表本人だけがわかっていない。昨年の参院選で負けたときに、責任をとって辞めておけばよかったのに」
蓮舫氏、岡田幹事長からは「お叱り」も
党内から厳しい視線が注がれる泉代表にとって、昨年7月の参院選以来の大型選挙となる4月の統一地方選、衆参の補欠選挙が大きな山場だ。特に注目を集めているのが、千葉5区の補選だ。
全国紙政治部記者が解説する。
「同日に行われる見通しの、安倍晋三元首相の死去を受けた山口4区など4補選と違って、千葉5区は自民の薗浦健太郎氏が政治資金規正法違反事件で辞職したことに伴う、いわば自民に逆風が吹くはずの選挙区。都市部ですし、立憲としては何としても議席を獲得したいところです」
ただ、勝利はそう簡単ではないようだ。
「日本維新の会や共産党、国民民主党もそれぞれ候補者を擁立し、野党が乱立しているため、自民を利する状況です」(前出の全国紙政治部記者)
同日に行われるであろう5補選で全敗は避けたい――。そんな焦りからか、泉代表は2月3日、野党候補同士で予備選を実施し、野党候補を一本化する案について「選択肢としてあっていい」と発言。
これに対し、岡田幹事長が20日のインターネット番組で「代表が先走りすぎ。幹事長に任せてもらいたい」と苦言を呈する場面もあった。
立憲関係者があきれる。
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蓮舫(事務所)Facebookより
「代表の発言が軽すぎる。先日も、維新の馬場伸幸代表の苗字と競馬用語をかけて『(自民にとってやりづらい)重馬場であってほしい』と発言し、馬場代表が『人の名前をいじるのはどうなのか』と反発。蓮舫氏がTwitterで『これは素直に反省するところでしょう』と、泉代表をピシャリと叱った一件もありました」
実家で「雪おろし」取材機会を設定するも記者は来ず…
そんな泉氏だが、4月の統一地方選に向け、各地での街頭演説に精力的に繰り出している。2月10~13日には、北海道に出張し、札幌市内など計4か所で街頭演説を行った。
「北海道はもともと旧民主系が強い地盤。そのうえ、泉代表は石狩市出身。北海道知事選に出馬する立憲推薦候補や地元議員たちと一緒に、ふるさとでマイクを握るとあって、泉代表も気合いが入っていました」(立憲関係者)
ただ、気合いが入りすぎたのか、こんな空回りも……。
「泉代表が朝8時に実家の屋根の上で雪おろしをする様子を、マスコミに報道してもらおうと発案し、各社に呼びかけましたが、1人も記者は来ませんでした。実家の屋根で雪おろしをする自分の姿がニュースになると思うとは、勘違いもはなはだしい」(全国紙政治部記者)
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年末に事務所の大掃除に精を出す泉代表(本人Facebookより)
それでも、肝心の街頭演説や集会では、地元出身の野党第一党代表として歓迎されたかと思いきや、「日程を組もうにも、泉代表の知名度や人気のなさから、受け入れを断る地元の国会議員もいた」(北海道関係者)状況だったという。
また、プライベートでの行動でも反感を買ってしまう。
「実家近くで開催された小中学校の同窓会です。夜の9時過ぎから始まり、午前2時半まで十数人の友人と飲み明かしたそうです。野党第一党の代表の地方出張ともなれば、運転手や党職員、SP、地元警察といった多くの関係者が動き、プライベートの会合中も外で待機しています。自分の立場を考えていない、のんきな行動で、とても『政権交代』で首相を目指す政治家とは思えません」(同)
党大会の最後には、満面の笑みで、出席者とともに「For the future!」と唱えた泉代表。まずは自分をしっかり律しないと、代表のままでいられるfuture(未来)はない?
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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