グルメ映画を見てお腹が空くことはよくあるけれど、見終わって無性にお風呂に浸かりたくなるのは、おそらくこの映画だけかもしれない。アカデミー外国語映画賞に輝いた『おくりびと』(2008)で知られる小山薫堂氏が、日本特有の入浴行為を文化のひとつとして捉え、完全オリジナル脚本で映画化した『湯道』。
亡き父の遺した古びた銭湯をめぐって反目し合う兄弟や、ある事情から離れ離れになっていた親子、長年連れそう老夫婦、国際結婚を控えるカップルなど、お風呂を通じて交差する人間模様を描いた、ハートウォーミングな群像劇だ。
生田斗真主演のお風呂エンタメ映画『湯道』と星野リゾートの温泉旅館「界」が夢のコラボ! 期間限定宿泊プランの気になる中身は?
集英社オンライン / 2023年2月25日 14時1分
お風呂への愛とリスペクトが詰まった映画『湯道』の公開を記念し、星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」では、映画の世界を追体験できるコラボ企画を期間限定で実施中。魅力的すぎる、その宿泊プランの詳細をお届けする。
お風呂エンタメと人気温泉旅館が夢のコラボ
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映画『湯道』
©️2023映画「湯道」製作委員会
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この映画とコラボをすることになったのが、星野リゾートが全国22ヶ所に展開する温泉旅館ブランド「界」。もともと「界」では、全施設において、その土地ならではの泉質や効果的な入浴法をわかりやすくガイドする、1泊2日の湯治体験「うるはし現代湯治」を実施中。
「忙しい日々で疲労した心と身体を整え、明日への活力を生み出してほしい」という界のスピリットと、映画の背景にある「お湯、そして入浴に向かい合い、日本の入浴文化を大切にしたい」という思いとのコラボは、最高の相性だったのだ。
映画『湯道』の世界観を体験できる
そもそも映画のタイトルにもなっている「湯道」とは、茶を飲むことが文化となり茶道となったように、「入浴文化」もいつか「道」になるのではないかと考えた、温泉愛好家でもある小山薫堂が、湯道文化振興会を設立して名づけたもの。
「湯」に向かう心の姿勢=「感謝の念を抱く」「慮る心を培う」「自己を磨く」という三つの精神を核とし、日本の入浴文化を世界に発信するとともに、「湯道具」としてさまざまな工芸品を使用することで、国内の職人たちが持つ技や伝統を保護、継承していくことを目的としている。
劇中では角野卓造演じる「湯道」の家元・二之湯薫明が、入浴の所作を説くシーンが登場するが、合掌に始まり合掌に終わるその作法は、なんと11にも及ぶ。それだけ、普段の何気ない「入浴」という行為がいかに贅沢なものか、作法から再認識することができる仕掛けになっている。
(詳しい所作はこちら)
(1)「湯道」の作法を予習するガイドブック
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作法はたくさんあるけれど、要は入浴前に身体をしっかり洗うなど、普段私たちがお風呂に入る際にしているものがほとんど。コラボ宿泊プランでは「湯道」の作法を予習するガイドブックが用意されているので、事前に覚えておく必要は一切なし! 入浴前に目を通すことにより、より深く湯に向き合う準備ができる。
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今回訪れた界 鬼怒川では、温泉の知識を教えてくれるスタッフが「界の湯守」として、温泉の知識だけでなく、呼吸やストレッチを取り入れたオリジナル体操をレクチャーしてくれた。施設によっては紙芝居形式で説明するなど、その土地ならではの特色があるそうなので、行ってからのお楽しみ!
さらにうれしいのが、効果的な入浴法を湯守りがガイドしてくれる催し「温泉いろは」が行われ、普段、界の「うるはし現代湯治」で教えてくれるオリジナルの呼吸法などのほかに、映画『湯道』に登場する入浴の作法をあわせて紹介してくれる。コラボ期間だけの特別なおもてなしなので、ぜひこの機会に!
(2)「湯道」の家紋が入った漆の水吞みで水分補給
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入浴前の水分補給「潤し水」は、「湯道」の作法のひとつ。入浴すると想像以上の水分が失われるため、劇中では家元の内弟子・梶斎秋を演じる窪田正孝が、ピンと背筋を張った美しい所作で、漆の水呑みから喉を潤す場面が登場する。
界では、なんと劇中の水呑みを忠実に再現。石川県の伝統工芸、山中塗の職人がひとつひとつ手作りするという力の入れよう。「湯道具」にリスペクトを捧げる「湯道」の精神が、ここにもしっかり継承されている。桐の箱入りで持ち帰ることができるのもうれしい。
(3)入湯後、湯に向き合う
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劇中では「湯道」のランクによって手ぬぐいの色が決められているが、界では、なんと家元が頭に乗せていた最高ランクの赤手拭を用意してくれる。湯道の家元・二之湯家の家紋と界のロゴがあしらわれており、頭に乗せてたっぷりの湯に身を沈めれば、「湯道」気分が高まること間違いなし。こちらも持ち帰ることが可能だ。
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ほかにも、映画のロゴがあしらわれた専用の湯桶も貸し出してくれるので、お部屋の露天風呂で使うのはもちろん、大浴場に持ち込んで使用すこともできる。
※専用湯桶はプレゼントではありません
細やかなおもてなしこそ「湯道」の精神
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界 鬼怒川では、地元のメーカー「栃木乳業」のコーヒー牛乳を提供
お風呂にたっぷり浸かった後に飲みたくなるのは、昔ながらの瓶に入った牛乳やコーヒー牛乳。界では湯上がり処にて、期間・数量限定で牛乳やコーヒー牛乳を無料で提供してくれる。ここはぜひ、映画に登場するキャラクターになったつもりで、腰に手を当ててグイッといきたい。
※おもてなしは3月31日までの提供。
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そして館内には、劇中で「湯道会館」に掲げられていた名言「湯道温心」の掛け軸が。京都大徳寺真珠庵第27世住職の山田宗正氏が書いたダイナミックな文字と、心静かに対峙すべし。
美しい景色を見ながら、広く大きなお風呂に浸かることができるのは、温泉旅行の何よりの楽しみ。さらに、コラボ宿泊プランで映画『湯道』の世界を追体験すれば、日頃の疲れが吹き飛ぶような、心うるおうスペシャルな入浴体験ができるはずだ。
取材・文/松山梢
#2『湯道』×星野リゾート「界」コラボ・体験レポートはこちら(2月26日14時公開予定)
映画『湯道』追体験プラン
宿泊期間:2023 年 2 月 23 日~3 月 31 日 *延長する可能性があります。
対象施設:界 21 施設 *組数限定
料金:32,000 円~(2 名 1 室利用時 1 名あたり、サービス料・税込)
含まれるもの:夕食、朝食、湯道具(ガイドブック、水吞み、手ぬぐい)、専用湯桶貸し出し
予約方法:2023 年 1 月 18 日公開の専用サイトから Web 予約
専用サイト:https://www.hoshinoresorts.com/sp/kaiyudo/
予約開始日:2023年1月18日
映画『湯道』(2023) 上映時間:2時間6分/日本
亡き父が遺した実家の銭湯「まるきん温泉」に突然戻ってきた三浦史朗(生田斗真)。帰省の目的は、店を切り盛りする悟朗(濱田岳)に、古びた銭湯を畳んでマンションに建て替えることを伝えるためだった。一方、「お風呂について深く顧みる」という「湯道」の世界に魅せられた定年間近の郵便局員・横山(小日向文世)は、湯道会館で家元から入浴の所作を学び、定年後は退職金で「家のお風呂を檜風呂にする」という夢を抱いていた。
そんなる日、ボイラー室でボヤ騒ぎが起き、巻き込まれた悟朗が入院することに。銭湯で働いている看板娘いづみ(橋本環奈)の助言もあり、史朗は仕方なく「まるきん温泉」の店主として数日間を過ごすことになる。
公開中
配給:東宝
公式サイト:https://yudo-movie.jp/story.html
©️2023映画「湯道」製作委員会
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