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「休養している時に新作を書いた」「それでも自分にとってのメインはセクシー女優」女優業が別の仕事に繋がったことへの感謝。様々な顔を持つ紗倉まなの仕事観

集英社オンライン / 2023年3月1日 12時1分

3年ぶりの最新小説集『ごっこ』を刊行した、作家でAV女優の紗倉まな。休業中の過ごし方や仕事との向き合い方、今後の目標は?

2ヶ月間の休業で得られたもの

――昨年、2ヶ月間ほど休業されていましたが、どのようにお過ごしでしたか?

それまでは2ヶ月丸々のお休みをいただくことがなかったので、本当に開放的な気持ちでいました。ただのんびり過ごしてみたり。

この期間にしかできないことをやらなくちゃ、という意識もあって、旅行に行ってみたり。

宣伝や告知をしなければいけないこともあったのでSNSは更新していたのですが、特に何かをしていたというよりは、2ヶ月間余すことなく休ませていただきました。



――休業前と休養後で、何か変化はありましたか?

休業前は体の不調というか、いろいろとガタが来ていた感じで、それで自信をなくすこともあって。セクシー女優は体力的な部分を消費する仕事でもあるので、「長く続けたいけど長く続けられるんだろうか?」というのが悩みどころでした。

その2ヶ月で何かが解決したわけではないんですけど、一回リセットする感覚で…2ヶ月、何にもとらわれなくて済んだので、気持ちの余裕ができました。

収録作の『見知らぬ人』は、ちょうど休業している時に書きました。

あとは「2ヶ月休むと、これくらいのんびりできるんだ」ということが把握できて、一回羽を伸ばすことが大事だったんだなと思いました。あっという間に過ぎましたが。

――セクシー女優・執筆業・タレント・ラジオと、多岐に渡るご活躍ぶりですが、「紗倉まな」のアイデンティティを保つ上で、どの仕事がより大切、という優先順位はありますか?

どれもすごく大切で、優劣をつけることはないです。

本職はセクシー女優で、そこから派生して色々なお仕事を頂いている感じなので…他のジャンルのお仕事をやらせてもらっていると、「セクシー女優という仕事を踏み台にしている」と言われたり、「仕事に心を入れていない」、「もう引退したんじゃないか?」とか、本職を大切にしていないように思われがちなんですけど、私としては全然そんなことはなくて。

セクシー女優の仕事をしていたことが別のお仕事に繋がっている、という感謝の気持ちが大きいですし、別の仕事をすることで作品にも興味を持ってもらえることも、ありがたく思っています。

ただ活動する日数としては、撮影は月に一回しかないので、どうしてもそれ以外の仕事が自分の毎日を埋め尽くしているところはあります。日々の活動量で言えばメインではないんですけど、様々な仕事の中における自分にとってのメインはセクシー女優、という意識ですね。

ありがたくもあり、もどかしくもある

――執筆は一日の中でどの時間帯に行うことが多いですか?

朝早く起きられたときは、朝に書いたりしますね。でも、他の仕事が入っていると、その仕事まで時間が空いていても、準備をしたり何を話すのかを考えたりで緊張してしまって結局書けないこともあって。

ほとんど一日中休みの日に、朝から書くことが多いですね。

――ちなみにエゴサーチはされますか?

毎日しています(笑)。

――たくさんのファンの方がいらっしゃると思いますが、セクシー女優のファンと小説のファンは別々なのか、それとも重なっていると感じますか?

ありがたくもあり、もどかしくもあるんですが、セクシーな私を好きでいてくれるファンの方は、小説も肯定してくださることが多くて。「まなちゃんだから応援するね」というのが、アダルトビデオが好きで小説も好きになってくれたファンの方のスタンスだと感じていて。

小説単体で応援してくださる方は、セクシー女優のファンの方とはちょっと違う応援の仕方をしてくださいますね。「小説を読んで好きになりました」と言ってくださる方は、女性の方が多い気がします。重なっている部分もありますし、重なっていない部分もあるのかなと。

――タラレバになってしまいますが、もしセクシー女優になる前に小説家を目指す道があったとしたら、どちらを選んでいたと思いますか?

セクシー女優の仕事をしているから、小説を書かせてもらえている部分もあるんですけど…その中で、小説家になることがどれだけ大変か、ということを学ぶ部分もあります。

有名な作家さんの多くは、何千通の応募の中から賞を受賞して、文芸誌に掲載されて、ようやく単行本を出してデビュー、という道のりだと思うので…もし私が小説家になりたいと思っても、デビューできていない可能性の方が大きいと思います。そういう意味でも、その選択は選べないですね。

セクシー女優という職業は、出たいという熱意があって努力すれば、活動として上手く回っていく…自分の意志でどうにかできる部分もあると思うんですけど、小説家というのは、またそれとは違って、必ずしも努力だけの問題ではないのかなと。

本当に私はシード枠的にやらせてもらえているので、そのタラレバの質問への答えは難しいです。

犬の躾を極めたい

――今後こういう作品を書きたいな、というアイデアはありますか?

これまで性について書いてきて、今回は恋愛なんですけど、今後は性愛とは違うものを書きたいです。あとは長編も書いてみたいんですけど、自分の筆力がまだ高くないので、何年先になるかはわかりません(笑)。

――多方面でご活躍されていますが、仕事やプライベートを問わず、今後何か新しくチャレンジしたいことはありますか?

うーん、なんだろう…今は、自分が飼っている犬の躾を極めたいと思っています(笑)。

――ちなみに犬種は?

保護犬なんですけど、柴犬とシェパードと甲斐犬の雑種です。足がすらりとしている子で、歩くのが速くて、毎晩の散歩は私が走らないと追いつかないんですけど、「それは躾ができていないからだよ」ってよく周りから言われていて。

だから躾はちゃんとやった方がいいな、と日々感じています(笑)。

――目指すはドッグトレーナーということですかね(笑)。

そうですね(笑)。最近YouTubeでそういう動画を観て、ニワカ知識で実践しているんですけど、全然手応えがないんです。だから、犬の気持ちをよく理解できるようになるのが目標です。

――次回作で、犬の小説もありかもしれないですね(笑)。

直木賞受賞作品に犬の小説がありましたよね。

――馳星周『少年と犬』ですね。

あんなに感動的なものは書けないと思いますが(笑)。でも、一緒に過ごすことによって、こちらにもたくさんの学びがあって。

最近(犬が)思春期を迎えて、わざと粗相したりするんですよ。そういう時にこちらがどういう反応や対応をするか、犬はちゃんと見ているので、「試されている!」って思うこともあって。

人間を産んだ訳じゃないので、母親まではいかないんですけど、飼うことによってそういう母性みたいなものも感じています。

取材・文/佐藤麻水
撮影/浅井裕也

『ごっこ』

紗倉 まな

2月22日発売

1,650円(税込)

208ページ

ISBN:

978-4065304471

こんなことに付き合ってあげられるのは、自分だけだと思っていた。
夫婦ごっこ、恋人ごっこ、友達ごっこ……。曖昧な関係に振り回される女たちの、不器用すぎる恋。
野間文芸新人賞候補作『春、死なん』につづき、注目作家が「ままならない恋愛」を描く最新小説集。

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