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スティック掃除機の『まだ2年しか使用していません』は信用するな! 話題のリユース家電、買って損なしメーカー、一挙公開!

集英社オンライン / 2023年3月2日 12時1分

使用済みの家電を格安で購入できる「リユース家電」。SDGsの広まりも相まって、ここ数年で急速に普及し始めている。そこで家電ライターの藤山哲人氏に、リユース家電にまつわる素朴な疑問から買い方の注意点などを詳しく解説してもらった。

リユース家電って本当にお得なの?

春から始まる新生活。初期費用はなるべく安く抑えたいと考えている新社会人や学生も多いだろう。特に、製品によって価格も性能もピンキリの家電類は、じっくり目利きしてお得にいいものを購入したいところ。そこで気になるのが、最近話題の「リユース家電」だ。

そもそも、リユース家電とはどのようなものなのか。

「簡単に言えば、使用済みの家電を洗浄などして安く販売することです。価格は、一般的なリサイクルショップだと正規品の半額よりもちょっと高いくらい。一方で、ヤマダデンキが運営するリユース家電ショップ『YAMADA アウトレット・リユース』(以下、ヤマダ)は、正規品の7割くらいの値段で購入できます。ヤマダのリユース家電がお高めなのは、ある程度のコストをかけて洗浄や動作確認をきっちり行い、新品同様の製品を売っているためです」(家電ライター・藤山哲人氏、以下略)


写真はイメージ

一見すると破格の安さに思えるリサイクルショップのリユース家電だが、こんな懸念点もあるという。

「リサイクルショップは個人で取り付け工事を頼まなくてはいけないので、工事費に別途1~2万円くらいかかります。加えて、中古品なので必要な部品が揃っていないこともあり、そういった場合はホームセンターで足りない部品を買わなくてはなりません。たとえば食洗器の場合、分岐水栓取り付け式だと水道管の分岐水栓だけで2~3万円ほどかかります。このように結果的に正規品よりも高くついてしまう可能性がある。

また、リユース家電は製造年式を必ずチェックしてください。各家電の製品寿命は経済産業省のサイトに詳しく載っていますが、大体7~8年ほどでダメになってしまいます。リサイクルショップでは家電の裏側などを見て確認できますが、メルカリやジモティーなどオンライン上の個人売買では製造年式を明示せず、激安だけどほとんど使えないような家電を売っている場合もあるので気をつけてくださいね」

電子レンジとパソコンはリユース家電推奨

リユース家電を購入する上で重要になってくる、製造年式。特に、バッテリー駆動の家電の場合は要注意だという。

「スティック掃除機のバッテリー寿命は、大体500~1000回くらい使用するとやってきます。毎日使っていたら1年半~2年くらいでダメになる。でも、リサイクルショップやメルカリで『まだ2年しか使用していません』と聞くと、そんなに古い製品のようには思えませんよね。
スティック掃除機の場合、多くのメーカーは普通モードで30分は稼働するよう設定されているはずなので、現時点で何分稼働するか確認したほうがいいでしょう。標準モードで10分を切るくらいしか動かないというのであれば、バッテリーの寿命が近くなっている証拠です」

安易に手を出すと、かえって痛い目を見ることになりそうなリユース家電だが、どんな人なら上手に使いこなせるのだろうか?

「最近はリユース家電をバラして掃除する方法がYouTubeに上がっているので、そういうのを参考にしながら中をいじれるメカに強い人であればいいと思います。あとは、単身赴任などで1~2年間だけ地方で一人暮らしをする人は製品寿命が残り少ないリユース家電を安く購入して、その期間で使い潰してしまえばいいのでおすすめです。もちろんリユース家電はエコなので、SDGsを頑張りたいという人にもいいと思います」

とはいえ、普通の新社会人や学生が、絶対にリユース家電を買ってはいけないというわけでもないらしい。

「経年劣化しづらい家電ならリユースでもいいと思います。たとえば、電子レンジは家電の中では意外と長持ちで、8~10年ほど使えます。ただし、ターンテーブル式よりフラットテーブル式の電子レンジのほうが動く部品が少ないので、より壊れにくく、機能性も高い。

メーカーは、よく自炊をする人ならシロカがおすすめ。肉を解凍するときのドリップの出が少ないのが特徴です。温まればOKという人は、安くてデザイン性の高いツインバードがいいのではないでしょうか。とにかくタイムパフォーマンス重視なら、コンビニなどの業務用電子レンジと同じくらいハイパワーな山善ですね。

あとは、クーリングオフ期間中に戻ってきてしまったものや、配送中に箱が凹んでしまったものなどが多く売られている、パソコンメーカーが公式で出しているリユースのパソコンはかなり質がいい。メーカー直販なので、部品の買い足しや動作確認も不要で、購入してからすぐに使えるものがほとんど。性能上の問題はほぼないのにも関わらず、正規品より5~6万円ほど値下がっている場合もあります。NEC、富士通、マウスコンピューターあたりがリユース品の販売を行っているので、詳しくは各メーカーの公式通販サイトを確認してみてください」

リユース家電でもOK! おすすめメーカーを一挙紹介

また、製造年式が古すぎないことを前提として、次に挙げるメーカーの家電はリユースでの購入に向いているという。

「まず洗濯機は、斜めドラム式なら絶対にパナソニック。乾燥機能が壊れにくく、交換の必要がないため経済的です。縦型なら、ホテルやコインランドリーなど業務用洗濯機のシェア9割を占める、丈夫で汚れ落ちもいいアクアがおすすめです。

ただ、リユース家電……特に洗濯機や冷蔵庫は臭いやカビが残っている場合があるので、オンラインではなく実店舗に足を運び、商品に顔を突っ込んで匂いを嗅いでみるといいでしょう。ちなみに、一人暮らし用の冷蔵庫であれば、リユース家電よりもハイアールやハイセンスのような2~3万円程度の小さな中国製品で十分ですね。

テレビなら、ハイセンスかTCLのディスプレイは長く使えます。特に、一人暮らしの新社会人なら、パソコンと繋いでデュアルモニターとしても利用できる32インチが適しているかと思います。一方で、有機ELやOLEDと呼ばれているディスプレイは、画質はいいのですが、技術が発展途上中のため壊れやすいのでおすすめできません。

あと、新生活で必要になる人が多いであろう電動自転車は、BESV(ベスビー)がいいですね。とにかく安く、小回りが利く。リユース品でバッテリーがダメになっていたとしても、バッテリー自体が安価なので買い替えやすいのもポイント。お店の人は利益率の高い商品を勧めてくるかもしれませんが、ここはしっかり抗いましょう」

リユース家電か、新品の型落ち家電か

最後に、リユース家電を購入するならどこのショップがいいのか、藤山氏に聞いてみた。

「ヤマダ一択ですね。メンテナンスが完了しており、製品としては準新品。製品寿命が短すぎるものは省いているようだし、独自の保証も付けていて、リユース家電といえどもなるべく長く使えるように配慮されています。ここだけの話、あまりにも色々と手をかけているので、ヤマダとしてもリユース事業は儲けが少ないそうですよ。

だからこそ、値段はそこまで安くならないのがデメリット。どれも、新品の型落ち家電が買えるくらいの金額です。ヤマダに正規品の7割以下で買えるような商品があればかなり儲けもの、といったところですかね。一方で、他のリサイクルショップやメルカリなどの激安品は、家電やメカの知識がない人にはなかなかリスキーです。

結果、リユース家電と新品の型落ち家電を比べたとき、後者のほうがお得に買える場合も多いです。リユース家電を扱うショップは店舗数が限られているけれど、普通の家電ショップはどこにでもありますしね。
それでもリユース家電を買いたいという人は、リユース家電を扱うショップの店員さんに『型落ち品とどちらのほうが安いですか?』と素直に聞いてみるのがいいのではないでしょうか」

“安いから”といってなんでもかんでもリユース家電で揃えるのは危険だが、リユース家電と新品の型落ち家電を上手に取り入れつつ、新生活をお得にスタートさせよう!


取材・文/渡辺ありさ

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