変態文学大学生・吉行ゆきののターゲットは40代、50代の生活感のあるおじさん。「付き合う人もお持ち帰りしてそういう関係になる人も、ほぼ全員おじさんです」
集英社オンライン / 2023年3月2日 17時1分
自らを「変態文学大学生」と称し、変態性の高い文学の魅力を発信している吉行ゆきのさん。「実践派読書家」として、様々なエロスの現場にも潜入する吉行さんの好きな男性のタイプ、意外な恋愛遍歴とは…。(全3回の3回目)
好きなタイプは「普通のおじさん」
──「実践派読書家」としてさまざまな世界に潜入されていますが、恋愛の場面でも文学的な出会いや交際をされるのでしょうか?
実は恋愛対象・性対象は文学とはあまり関係がないかもしれませんが…。とにかく「おじさん」が大好きなのです。
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──おじさんですか!
小さい頃に「おじさんごっこ」をしていたおかげなのか、中学の頃には完全におじさん好きという性癖に目覚めました。竹野内豊のようなイケオジ好きの女性は珍しくないですが、そのようなカッコいいおじさんではなくても、よくいる普通のおじさんであればあるほど性癖に刺さるのですよね。バツイチで子供を育て終わっているような少しくたびれた感じの人が好きです。私はシングルマザー家庭だったのでファザコンも少しあるかもしれません(笑)。
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──生粋のおじさん好きという感じですね。おじさんのどのようなところに魅力を感じていますか?
おじさんは腰が細くないのがとてもセクシーです。あとはシワも全く気になりません。また、よく女友達と話して違和感を覚えるのが「おじさん、臭くない?」と言われることです。私は全然臭いと思ったことがなく、逆に若い人の方が臭いと思ってしまうんです。
おじさんの方が臭いのケアをしている人も多く、年を取ると汗もかきにくくなるのでだんだん臭いが少なくなっていくように感じています。
私は北海道出身なので札幌の街中をよく歩いているのですが、スーツを着ているおじさんたちが仕事に向かっているのを見て「スーツ着て真面目に仕事をこなしているけど、きっとエロいのだろうな」とか思っていると、ギャップに興奮して倒れそうになります。
歴代彼氏もお持ち帰りもほぼ全員おじさん
──これまでの歴代彼氏は全員おじさんですか?
付き合う人もお持ち帰りしてそういう関係になる人も、ほぼ全員おじさんですね。これまではタイプの年齢としては40代くらいだったのですが、最近は自分が年齢を重ねてきたこともあって50代くらいが好きになってきました。自分の年齢とともにストライクゾーンが上がってきているので。これからもどんどん上がるかもしれません。
おじさんから口説かれることもあるのですが、基本的には「私が狙って持ち帰る」と思っています。おじさんを"性的搾取"する人がいるということを世間に知らしめたいです(笑)。
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──珍しいタイプの肉食女子ですね。日本全国のおじさんが大喜びすると思います。
そうですか(笑)。また、関係を持つ時には偶然性やロマンチック性を大事にしたいと思っています。おじさんに偶然性やロマンチック性と外れることを言われたりされたりすると、白けて目の前からいなくなったりします。おじさんがよくいう言葉で一番嫌いなのが「男と女なんだから」ですね。この言葉を言われると「何そのとんでもなく浅い言葉」「だから何?」と思って冷めてしまいます。
一回きりとは思っていなくても、気持ちが乗らなかったらワンナイトになってしまいますし、もうこれ以上会いたくないなと思ってしまうこともよくあります。もしかしたら偶然性やロマンチック性を求めるのは、おじさんとの関係性に変態文学的な世界観や価値観を見出しているのかもしれません。そういう意味ではこれも「実践」ですね。
「変態文学飲酒会」を全国で開催
──吉行さんの今後の展望について教えて下さい。
現在は北海道大学経済学部4年生なのですが、2023年春から同大学文学院に進学が決まりました。院では女性を主人公にしたアメリカのポルノグラフィーを研究する予定です。これまでは経済学という自分の興味とは異なった学問を専攻していたのですが、これからはすべての時間を文学に費やすことができるのでとても幸せです!
現在は書評や取材などを行っていることもあって文章を書く機会が多いのですが、文学について執筆する上で、より深く文学の知識を身につけたいなと思って進学を決めました。また、大学にはすごく尊敬できる好きピ(教授)がいるので、その方の言葉を全部吸収したいです。先生の書く言葉が美しすぎて、惚れてしまいました。
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──変態文学の道をさらに極められるのですね。それ以外ではどのような活動をされていますか?
最近では『ペンギンクラブ』『実話 ローレンス』(ともに辰巳出版)でエロ漫画と文学の書評を連載をしたり、Webサイト「エロトゲス」にて潜入レポートを書いたりしています。そして少し前に『FRIDAY』でグラビア撮影に挑戦してみたのですが、そこまで反響がありませんでした(笑)。
私のフォロワーさんやファンは私自身の写真よりも、私が書いている記事やツイートを推しているのかなと思い、もともと「言葉」で食べていきたかったので、嬉しくもあります。
また定期的に「変態文学飲酒会」というイベントを全国各地で開催して、変態文学について語る会を開いたりもしています。変態文学の魅力を話したりして、文学を楽しむ機会を作っています。
ちなみに参加者の大多数がおじさんですが、若い女の子も意外といます。
夢は「世界一のエロサイト」を作ること
──今後してみたいことや、野望などはありますか?
現在、私が一番したいことが「超マニアックな網羅型の変態サイト」の制作・運営です。もともと「変態文学大学生」として活動を始めたのは、自身のWebサイトを作りたいという野望がきっかけでした。自分のサイトを「世界一のエロサイト」にするのが夢なので、現在は集客のためにTwitter運用を頑張っています。あまりに変態すぎたのか一度凍結していますが(笑)。
これからは大学院での勉強と変態としての活動、そしてWebサイトの運営の3つの活動に力を入れていきたいと思っています。
ぜひこれからも「変態文学大学生」、そして「実践派読書家」をよろしくお願いします。
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──最後に、吉行さんの好きな文学の一節を教えてください。
そうですね、『小鳥たち』や『人工の冬』の作者であるアナイス・ニンの言葉で、「とろとろ煮える生ではなく、沸騰する生を」という言葉が大好きです。私も変態文学大学生、そして実践派読書家として、これからも魂を沸騰させていきたいです! どうせ消えてなくなるなら爆発して消えたいですね(笑)。
エロスに貪欲な変態文学大学生・吉行ゆきの写真(すべての画像を見るをクリック)
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取材・文/福井求 撮影/佐賀章広
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