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「山下美夢有は“ある決断”が必要」「ポテンシャルは西郷真央」「吉田優利は化ければ、ある」。タケ小山が占う国内女子ゴルフ新シーズン

集英社オンライン / 2023年2月28日 17時1分

いよいよ2023年のJLPGAツアーが始まる。賞金総額は史上最高で盛り上がり必至の今シーズン。3月2日スタートの開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」(沖縄・琉球ゴルフ倶楽部)を前に、ゴルフ解説者のタケ小山氏に今シーズンを占ってもらった!

賞金総額は50億円オーバーの可能性も

2023年のJLPGAツアーは、初戦の「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」から11月23日初日の「ツアーチャンピオンシップリコーカップ」まで、途中1週間のみのオープンウィークをはさみ、全38試合が予定されている。

試合数は2022年と同じだが、賞金総額は約44億9000万円と約4800万円アップ。これは1988年にツアー制度が施行されて以来の史上最高額で、期待感は高まるばかりだ。



「今シーズンは盛り上がると思いますよ。7月のオープンウィークにも、もしかするとトーナメントが入るかも。2021年の『楽天スーパーレディース』は開幕直前に開催が発表されていますから。そうなると、全39試合の賞金総額は50億円オーバーになりますよね」

プロゴルファーで解説者のタケ小山氏は、JLPGAツアーの“大盛況”に太鼓判を押す。

タケ小山

昨シーズンは、西郷真央が開幕から10戦5勝とロケットスタートを見せたが、ツアー後半に息切れ。シーズン半ばから調子を上げてきた山下美夢有が西郷と同じ5勝をあげ、メルセデス・ランキング導入後の初代年間女王に輝いた。

2020〜21年シーズンで9勝を挙げ「絶対女王」とも呼ばれた稲見萌寧は昨シーズン前半、腰痛に苦しみ、年間2勝と少々もの足りない成績だったが、それでもメルセデス・ランキング3位に食い込んだ。

はたして今シーズンはどんな展開になるのだろうか?

左から菅沼菜々、稲見萌寧、山下美夢有、堀琴音、小祝さくら、吉田優利

山下美夢有には「ある決断が必要」

「昨年は山下が最後にまくって女王になったけど、実はJLPGAツアーの年間女王って、2000〜2005年の6年連続で獲った不動裕理以来、連続で獲得した日本選手はいないんです。

アン・ソンジュとかイ・ボミ(今季で引退を表明)といった韓国選手はいるんですけどね。

山下はどうかなぁ。でも彼女のゴルフはそう簡単に壊れないと思います。山下はオールラウンダーでドライバーも決して飛ぶほうじゃないけど、ゴルフの完成度は高い。

タイプでいうと、宮里藍とか、今なら古江彩佳とかだね。派手なゴルフはしないけど、コンスタントに必ず上位にくるような。なにしろ、ゴルフがうまい。うまいというのは、当たり外れがないということです。ボールがクラブの真芯に当たる確率が高いんです」

タケ小山氏はそう説明し、「日本選手の連続年間女王は近年ない」という事実を認めながらも、山下の“ゴルフ力”の高さを絶賛する。

山下美夢有

そんな彼女が2年連続年間女王になるためには、「ある決断が必要だ」とタケ小山氏は言う。

「国内ツアーに専念することです。山下は昨年、国内メジャーを獲っているし、ずっとトップにいましたから、今年は海外メジャーをはじめアメリカツアーの推薦出場の機会も相当あると思います。

アメリカツアーのメジャー大会は5試合あって、3試合はアメリカ国内、2試合はヨーロッパで開催されます。これに行くとなると、試合の前後も含めて長い期間が取られてしまう。

昨年、小祝さくらが弾丸ツアーで帰ってきてすぐ国内の試合に出たりしてたけど、すごく厳しいと思います。

山下は飛距離を考えても、スポット参戦で行ってメジャーで勝てるかっていうと……ちょっとわからないです。

今年は海外に行かないと決断してしまえば、連続女王を獲れる確率はかなりあると思いますよ」

やはり年間女王の本命は、山下のようだ。

そのほかの有力選手についてはどうだろうか。

西郷真央は「序盤が肝」、吉田優利は「化ければ、ある」

「ポテンシャルがあるのは西郷だと思います。昨年はスタートダッシュをして、でも6〜8月にかけて海外メジャー4試合に出た後、ちょっと息切れしちゃった。

最終戦の『ツアーチャンピオンシップリコーカップ』は、35オーバーの最下位だったもんね。ドライバーイップスになってなければいいけど。今シーズンは彼女の出足に注目です。

昨年優勝した『ダイキンオーキッド(レディスゴルフトーナメント)』に出ないで、同時開催のアメリカツアーの『HSBC(女子世界選手権)』に出るというのは、もしかすると一発ハマったら(優勝したら)そのままアメリカツアーに、なんてことも考えているのかもしれません。

西郷真央

いずれにしても、西郷は序盤が肝です。そこでどのくらい活躍できるかで、今年の流れが見えてきます。

メルセデス・ランキング3位に食い込んだ稲見は、腰痛などはあったみたいだけど、2勝しました。それでも前シーズンが9勝だからね。やっぱり2年連続の好成績は挙げられなかったのかと感じてしまうね。

もうひとりは体の強い小祝。安定してるよね」

稲見にやや辛口なタケ小山氏だが、やはり昨シーズンのトップ3(山下、西郷、稲見)と小祝が、今シーズンの女王の最有力候補だという。

「化ければ女王もあるかなと思うのは、吉田優利。去年は勝てなかったけど、常にいいところにいた。きっかけさえあれば、ドーンといっちゃうかもね」

たしかに吉田は昨年、37試合出場して19試合でトップ10入り(2位)という安定感を見せている。

「他に僕が注目しているのは、岩井ツインズの妹・岩井千怜と川﨑春花。ふたりとも昨年は2勝ずつしているし、とてもいいんじゃないですか。

未勝利の選手では、桑木志帆と佐藤心結(みゆ)。このふたりは飛距離が出るのと、ゴルフのバランスがいいのでやると思います。

あとはステップアップツアーで5勝した櫻井心那。彼女は、なんで昨年の途中からでもJLPGAツアーに出さないのかなと思っていたんですよ。

アメリカには下部ツアーで3勝した選手は、翌週から上部ツアーに出場できるシステムがあるんです。要するに『今一番調子のいい選手がツアーに参加する』というシステムです。日本も、ツアー活性化には欠かせないシステムだと思うんですけどね。

櫻井は今年も台湾ツアーの開幕戦に優勝していて、本当に勢いがある。彼女も注目です。

菅沼菜々も昨年はトップ10入り15回(5位)と、初優勝までもう一息でした。彼女も吉田と同じで、何かきっかけがあれば勝てると思うんだけど」(タケ小山氏)

金田久美子、上田桃子らベテラン勢は「厳しい」

昨シーズンは、金田久美子、藤田幸希のふたりが11年ぶりにして優勝して話題を呼んだ。ベテラン勢としては上田桃子も1勝して貫禄を見せた。

今シーズンもベテラン勢の活躍はあるのだろうか。

金田久美子

「ベテランにとって、38試合でシード選手50人の体制では厳しいです。フル参戦すると、かなりのハードスケジュールになって、試合数をこなせば、体の故障もある。

やはりパフォーマンスは下がります。やっぱり若い選手のほうが有利だと思います」

しかしながら、何が起こるかはホールアウトしてみないとわからないのがゴルフというもの。

今シーズンをゴルフのラウンドに例えれば、今はまだ最初のティーショットも打っていない段階だ。

これからどんなファインショットやナイスプレーが飛び出すのか、ニューヒロインは登場するのか、見どころ満載の2023年JLPGAツアーがいよいよ開幕する。

取材・文/志沢 篤
写真/Getty Images

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