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スマホ、PC、テレワークが誘発! 眼精疲労や顔のたるみ、自律神経の不調にも。肩こりよりも厄介な「頭こり」は大丈夫?

集英社オンライン / 2023年3月9日 11時31分

首がこった、肩がガチガチになっている…など首や肩には自覚症状があるが、頭がこっていると感じる人は少ないかもしれない。実は頭こりは自覚しにくく、放っておくと、頭痛や眼精疲労などの不調の原因に。なぜ頭はこるのか? 原因と対策について、GENRYU綜合整体院長の安部元隆先生に解説いただいた。

頭の筋肉は動かしづらく、こりやすい

まずは自分の頭がこっているかチェックしてみましょう。
頭がこっているかチェックする方法は、頭頂部をつまむというのがありますが、ほとんどの人はつまむことができないので、両手で頭を押さえて、前後左右、斜め前、斜め後ろに頭皮が動くかやってみてください。
前後左右は動いても、斜め前、斜め後ろにはあまり動かないなら頭がこっている証拠です。


また、両手でギュッと頭を圧迫してみて痛みを感じる人も頭がこっています。

頭がこるということはいったいどういう状態なのでしょうか。

私たちの体の皮膚の下には筋肉をラップのように包んだ筋膜と骨を包んだ骨膜があります。
関節を動かすと筋膜や骨膜が伸び縮みすることで、血行やリンパの流れが改善され、体が動きやすくなります。
頭も頭皮の下に、筋膜とその下には頭蓋骨を包んだ骨膜、関節(縫合部)があります。

頭蓋骨は通常の関節と違い、自分で意識的に動かすことができません。
動かすとすると、シャンプー時に頭皮をマッサージするくらいで、頭皮の下にある筋膜、そしてさらにその下にある骨膜まで刺激が届かないことがほとんどです。
その結果、頭の筋膜、骨膜は滑りが悪くなり、こり固まりやすく、頭こりになってしまう場合があるのです。
このように頭の筋膜や骨膜は自分でなかなか動かしづらいため、肩こりよりも自覚しにくく、さらに改善しにくいと言われています。

また、頭頂部にある筋膜はスーパーフィシャルバックラインという、足底からアキレス腱、腓腹筋、ハムストリング、仙結節靱帯、脊柱起立筋、帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)まで亀の甲羅のように体の背面をつなぎ、保護している筋膜ラインとつながりがあります。

そのため、頭がこると、体の背面の筋肉の動きにも影響を及ぼし、頭痛をはじめ、目の疲れ、首痛、首こり、肩こり、自律神経の乱れ、腰痛などの不調を招く恐れがあるのです。

長時間のパソコン作業やスマホの見すぎが頭こりの原因に

頭こりの大きな原因は、長時間の同一姿勢でのパソコン作業やスマホの見すぎで目を酷使してしまったり、首の運動が不足してしまったりすることにもあります。

目の動きをサポートするのが首と頭の境目の後頭下筋群なのですが、目を使いすぎてしまうと、この筋肉がガチガチに固まってしまいます。
その結果、後頭部や首の付け根でも筋膜、骨膜の滑りが悪くなり、この部分の血行やリンパが流れにくくなります。そして、頭こりにつながってしまうのです。
そのため、頭がこると頭痛や眼精疲労がひどくなるという悪循環にも。

さらにこのような状態が続いてしまうと、自律神経の交感神経が優位になり、肩や背中の筋肉が過緊張状態になり、疲れが取れにくくなってしまい、こりを悪化させてしまうことにもつながってきます。

さらにマスク生活も頭こりの原因になっています。マスクのひもをかけている部分は、顔や頭の血液やリンパが流れる耳下腺を締め付けています。
頭の筋膜はここにも繋がりがあるので、側頭部の締め付けは頭全体の筋膜にも影響を及ぼし、頭こりの状態に。しかもこれは顔のむくみやたるみにもつながります。
また、ストレスや緊張を抱えていると、食いしばりをしたり、噛みしめが強かったりしてしまい、側頭筋が活性化されすぎて、頭こりが生じやすくなります。

このように頭こりは単に頭だけがこっているだけでなく、体のさまざまな部位と連動しています。そのため放置しておくと、頭痛や目の疲れの不調や顔のたるみなどの美容面での悩みも引き起こしてしまうのです。

頭こりは頭皮マッサージでは解消しない

頭こりを予防するには、なるべく同じ姿勢を長くとり続けず、肩や背中を動かして、筋肉を緊張状態からリラックスさせるようにしましょう。

また、頭こりの解消に頭皮マッサージやヘッドスパが挙げられますが、実は頭こりを改善するまでには至りません。
頭皮マッサージやヘッドスパは頭皮に刺激を与えて血行が良くなるなどのメリットはありますが、その下にある筋膜や骨膜まで届かない場合があります。

頭こりをほぐすためにはただ頭皮を動かすだけではなく、もう少し圧をかけて行う必要があります。

頭皮を動かすというより、頭蓋骨まで手を押し当てるように骨をマッサージするのがポイントです。特にこりやすい、側頭部と後頭部は念入りに行いましょう。
ここでは簡単なマッサージ法を紹介します。

●側頭部のマッサージ
マッサージしている姿勢を安定させるために、机や台にひじをついて、耳の上に親指を当てて、グッと押しつぶすように押してみてください。
そうすると痛みがある部分が見つかると思うので、その部分を横方向縦方向にそれぞれ30秒ほぐした後、斜め上の方に15秒ほどストレッチをかけていきます。

指を当てて痛い人はこぶしを作り、指の第一関節を曲げたところを耳の上に当てて、圧をかけて前述と同じようにほぐしましょう。側頭筋がほぐれます。

頭皮が動かにくい斜め上の方にほぐしてストレッチをするのがポイント

●後頭部のマッサージ
側頭部のマッサージ同様に机や台にひじをついて、姿勢を安定させます。
こぶしを作って、指の第一関節を曲げたところを後頭部にあてて、頭蓋骨を押すように横方向、縦方向に30秒ほぐしましょう。

後頭部をほぐすと目の疲れが改善されやすい

同じように頭頂部も横方向、縦方向に手を動かしながら圧をかけてほぐすようにしましょう。

短時間でもマッサージすることで、頭こりが解消して、頭痛や目の疲れの改善につながるので、仕事や家事の合間にぜひやってみてください。



取材・文/百田なつき

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