ウクライナのゼレンスキー大統領が膠着状態となったロシア戦打開のため、NATOの保有する航空兵力をノドから手が出るほどほしがっているという。
ただ、西側諸国の最新鋭戦闘機、わけてもウクライナ側がもっとも欲している米国製F-16を操縦できるパイロットを養成するためには、東側の戦闘機からの転換でも6~12カ月の訓練が必要となる。パイロットがいなければ、せっかく供与されたF-16も宝の持ち腐れとなってしまうのだ。
そんなゼレンスキー大統領のジレンマを解決してくれるかもしれないニュースがアメリカから飛び込んできた。
米国防総省のDARPA(米国防高等研究開発局)が2月中旬、最先端のAI(人工知能)が操縦する戦闘機の試験飛行に成功したと発表したのだ。
DPRPAによると、使用されたのは2人乗りのF-16を高度に改造したX-62Aという機体。機内には「アインシュタイン・ボックス」と呼ばれる人工知能が搭載されており、4つのAIアルゴリズムが離着陸や模擬空中戦などを合計17時間にわたって制御したという。AIが戦術戦闘機に利用されたのは航空史上初のことだ。