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映画誌を読みあさり、パンフレットは2部購入、劇場でポスターをねだったことも…映画愛を育んだ竹中直人の原点とは

集英社オンライン / 2023年3月13日 10時1分

俳優のみならず、映画監督としても活躍する竹中直人。映画を「夢」と表現する、そのルーツを辿った。

「お前はどっち派?」のやりとりが、映画ファンの証だった

──「ロードショー」は往年の映画雑誌のWeb版として2022年に復活したものですが、この名称を聞いて何か思い出されることはありすか?

「ロードショー」ですか! 読んでましたよ。懐かしいなあ! カラーのグラビアが多くて、俳優の人気ベスト・テンなんかも毎月やっていましたよね!

当時は「スクリーン」(近代映画社/現「SCREEN」)と人気を二分していて、「お前はどっち派?」みたいに映画ファンの間でやり取りしていましたが、「ロードショー」のほうが柔らかかったというか、庶民的というか、入り込みやすい印象はありましたね。「スクリーン」のほうが少し大人っぽかったかな。



そしてだんだん映画熱が深まっていくにつれて、「キネマ旬報」(キネマ旬報社)みたいな映画評論を中心とした専門誌へ移っていくんですよ。

──竹中さんは当時どちら派でした?

僕はどちらかというと中立派だったかな。実は映画雑誌というと、それ以前の時代の「近代映画」(近代映画社)に深い思い入れがあるんです。あの雑誌は日本映画を中心に扱っていて、加山雄三さんがよく登場されていた。

とにかく僕は東宝の『若大将』シリーズが大好きでした。加山さんは日本で最初のシンガーソングライターでもあります! 本当にめちゃくちゃかっこよくて、グラビアを切り取って部屋に沢山貼っていましたね。最高の映画俳優です!

好きな映画はパンフレットを2部購入

──007シリーズもお好きだと聞いておりますが。

洋画に関しては、映画雑誌ではないけど「ボーイズライフ」(小学館)という雑誌でよく007シリーズの特集をやってたんです! あと、好きな映画はパンフレットを2部買っていました!

007だと第2作の『007ロシアより愛を込めて』(1963)、初公開時は『007危機一発』という邦題だったんです。そのときのボンドガールだったダニエラ・ビアンキや、第4作『007サンダーボール作戦』(1965)のクロディーヌ・オージェが大好きで、当時は何度も見に行きました!

当時の映画館は入れ替え制じゃないから、映画を気に入ったら一日中見られましたものね!

映画館の人に直接お願いしてポスターをもらったりもしてましたね。当時はそういうことも普通にできていたんです。八王子の映画館まで行って森谷司郎監督の『赤頭巾ちゃん気をつけて』(1970)のポスターを譲ってもらったこともありました。

『エマニエル夫人』を特集した「ロードショー」1975年2月号。表紙は『エクソシスト』(1973)などで知られるリンダ・ブレアの振袖姿
©ロードショー1975年2月号/集英社

──そういえば『零落』も『赤頭巾ちゃん気をつけて』も主人公の名前は薫(かおる)ですね。

あ、本当だ!! もしかすると潜在意識の中にあったのかな? もちろん偶然なんですが、『零落』では工と趣里が駅のホームで別れるとき、原作にはないのですが、趣里に「薫くん!」って、深澤を名前で呼んでもらったんです。呼び終わった後の趣里の顔を撮りたかった。

いやぁ、でも懐かしいな……。1970年代だと、僕がブルース・リーに出逢った年です! うお〜!! よく増刊号も買いましたが、あれは「ロードショー」?「スクリーン」?どっちだったかな……。

ブルース・リーと同じくらいにヒットしたのが『エマニエル夫人』(1974)で、今では信じられないけれど「ロードショー」も「スクリーン」も当時は大特集をやってましたよね。「スクリーン」は毎月、エッチな洋画の紹介もやってたし、「キネマ旬報」は日活ロマンポルノに力を入れてました。本当にすごい時代だった。

僕はブルース・リーといえば『燃えよドラゴン』(1973)の富山敬さんの吹き替え(1979年テレビ朝日放送版)が好きです! ほかにも中尾彬さんや柴俊夫さんや藤岡弘、さんなど、いろいろな方々がやられていて……。

しかし、ぼくは……(などなど、取材終了時間になっても話は尽きることなく、やはり竹中氏に映画の話をさせると収まりどころが全くなくなってしまうのであった!)

取材・文/増當竜也 撮影/nae. ヘア&メイク/和田しづか スタイリスト/伊島れいか

『零落』(2023)上映時間:2時間8分


出演:斎藤工 趣里 MEGUMI 山下リオ
原作:浅野いにお
監督:竹中直人
脚本:倉持裕
音楽:志磨良平(ドレスコーズ)

漫画家の深澤薫(斎藤工)は、8年間の連載が終わり、予定していた新連載も延期となるなど、人気は下り坂。多忙な妻(MEGUMI)とはすれ違いの日々が続き、SNSには酷評がアップされる。さらに解雇したアシスタント(山下リオ)からはろくでなしの烙印を押され、どんどん鬱屈し自堕落になっていく。ある日、ふと“猫のような目”をした風俗嬢のちふゆ(趣里)と出会い、彼女との短い時間に安らぎを覚えるようになっていくのだが……。

3月17日(金)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー
配給:日活/ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト:https://happinet-phantom.com/reiraku/#
©2023浅野いにお・小学館/「零落」製作委員会

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