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【速報】上田清司参院議員の公設秘書が、準強制性交容疑で書類送検後に自殺「女性記者を泥酔させ、ホテルに連れ込み行為を」女性記者は国に1100万円の支払い求め提訴

集英社オンライン / 2023年3月8日 12時56分

報道機関に所属する女性記者が3年前、野党系無所属の上田清司参院議員(埼玉県選出)の公設秘書から大量に酒を飲まされたうえで性的暴行を受けたとして、女性記者の弁護団が3月8日、東京都内で会見した。公設秘書は2020年8月、準強制性交などの容疑で書類送検された2日後、自宅で自殺したという。弁護団が明らかにした性的暴行の手口とは。公設秘書の自殺直前の様子を上田議員や、彼を知る地元議員に聞いた。

「重要な情報を提供する」と女性記者を呼び出し、大量に酒を飲ませ…

「記者が非常に重要な情報を得る場で、アルコールを利用して、意識を喪失するような状態にして、性暴力に及んだ。加害者は国会議員の公設秘書。国会議員とは、上田清司氏です」


3月8日、都内で行われた弁護団の会見

3月8日、女性の弁護団は東京都内で会見を行った。
この公設秘書とはA氏(事件当時・54)。大学時代に上田氏の選挙スタッフを務め、大学卒業後は上田氏の公設第一秘書などを経て、2000年に埼玉県志木市議に初当選。その後、市議を4期務め、2016年4月に埼玉県知事を務めていた上田氏の特別秘書となった。

野党系の埼玉県政関係者が、A氏について振り返る。

「上田氏は2003年から2019年まで4期にわたって知事を務め、その後、参院議員になりました。A氏は上田氏の『子飼い』として、上田氏が知事時代には特別秘書、参院議員になってからは公設秘書を務めましたが、仕事ぶりも、言動も、物腰も、超地味。偉ぶることもなく、淡々と仕事をしていた印象しか記憶にありません」

しかし、「お酒を飲むと人が変わってしまう」という噂もあったA氏から、女性記者は2度被害を受けたという。

弁護団によると、2度の事件が起きたのは、いずれも2020年3月下旬。このころは、東京都の小池百合子知事が新型コロナウイルスをめぐって「感染爆発の重大局面」と緊急の記者会見を行い、週末の不要不急の外出を控えるように呼びかけるなど、首都圏を中心に自粛ムードが高まりつつあった時期だ。
連日、コロナの感染拡大がニュースに取り上げられ、記者の取材テーマもコロナばかりになり始めた3月24日、女性記者は上田氏の後援会事務局長から誘われ、コロナ対策について情報交換する懇親会に参加した。懇親会は埼玉県内の寿司屋で開かれ、自民党衆議院議員、事務局長や参院議員を務める上田氏の公設秘書となっていたA氏など、男性5人と女性記者の計6人が参加したという。

女性記者に性的暴行をしたとされるA氏(本人フェイスブックより)

男性たちに日本酒を注いでいた女性記者は、逆にその都度、飲酒をすすめられ、コース料理が終わるころには眠くなってしまい、半分意識を失うような状態になった。
事務局長から「女性記者を送っていってね」と言われたA氏は、女性記者とともにタクシーに乗り込んだ。酔っぱらってしまった女性記者が寝てしまっているのをみて、胸を揉むというわいせつ行為に及んだという。

わいせつ行為に気付いた女性記者は「やめてください」と拒否したが、A氏は力ずくでキスをし、陰部にまで手を回し触った。女性記者は途中でタクシーから下車したが、降りた先のマンションのエントランスでも、わいせつ行為にあってしまう。
それから3日後の27日、A氏は「政党の分裂・再編の動向や、会派結成の動向に関する重要な情報を提供する」として、女性記者を寿司店に呼び出した。当時は、立憲民主党と国民民主党の合流や、上田氏の新党結成の意向が話題となっていた時期だった。

このときも、A氏は女性記者に大量に酒を飲ませた。前後不覚の状態になってしまった女性記者を大宮のラブホテルの部屋に連れ込んだ。酩酊し、抵抗できない女性記者を全裸にして、強制性行為に及んだ。女性記者が目を覚まし、トイレで吐いた後も、力ずくで組み伏せたうえで、避妊具をつけずに性行為や口淫を強要したという。
女性記者は、3月28日に法律に詳しい元同僚や弁護士に相談、出血もあったため産婦人科クリニックを受診している。

公設秘書は書類送検された直後に自殺。親しかった県議は…

女性は4月1日、埼玉県警に被害届を提出。A氏は呼び出しを受けた初日「私は何もしていません」と性行為の事実を否認したが、「タクシーのなかでは女性が股間を触り誘ってきた」「(3月27日は)レストランに行こうとしたけど向こう(女性記者)からホテルに誘われた」と供述、女性記者が抵抗しなかったと主張した。

県警は8月にA氏を準強制わいせつ、準強制性交の容疑で書類送検した。しかし、2日後、A氏は突然、自殺。不起訴処分となった。
全国紙記者が打ち明ける。

「A氏は、捜査されたことを思い悩んだのか、自宅で首を吊って自殺しました。女性記者は、芸能事務所に所属していたこともあった、小動物系のかわいらしいタイプ。ネタをとるのに苦労していた」

自殺後、市議仲間らから同情の声も上がっていたというA氏は、どのような人物だったのか。A氏と親しかった鈴木正人埼玉県議が振り返る。

ボートを漕ぐA氏(本人フェイスブックより)

「亡くなる前日か前々日、Aさんと電話をしました。淡々と仕事の話をしただけで、思い悩んでいるようには感じられなかったので、自殺されたと聞いて、驚きました。女性好きという印象はまったくなく、ご家族を大事にしている真面目な方という印象しかありませんでした」

A氏の評判について近所で取材を進めると、住民たちは「近所づきあいはあまりなかった」と口をそろえた。

「おかしいなと思ったのは、葬儀が執り行われたのかどうかもわからなかったことです。近所づきあいはあまりしていませんでしたが、PTA会長や市議を務めた方だから、葬儀をやったかどうかくらいはわかりそうなものなのですが……」(近隣住民)

別の住民は「自宅で自殺したという噂は聞きました。子どもが4人いて、娘さんもいたし、女がらみの原因だったら残された家族はつらかっただろうな」と家族の胸中を思いやった。

A氏の自宅

上田氏は「彼を信じている」 女性記者は事件後、PTSDに

一方、女性記者は事件後、PTSD(心的外傷後ストレス障害 )と診断され、会社には所属したままだが、記者の仕事を続けられなくなったという。

今回、女性は、記者の取材に応じるという職権を乱用したA氏だけでなく、A氏を公設秘書として任用していた上田氏にも、記者への性暴力を防止する注意義務を怠った責任を追及するという。公設秘書と国会議員個人は被告になりえないという国家賠償法の解釈に基づき、公務員が職務の執行に際して他人に損害を加えたときに賠償する責任があるとされる国に対し、1100万円の支払いを求め、東京地裁に提訴した。

上田氏は「集英社オンライン」の取材に、次のように答えた。

「私からお話しすることは何もありません。捜査を受けていたことは聞きましたが、中身は一切聞いていませんから。彼から『迷惑がかかるから、一身上の都合でやめたい』と言われました。それに対し、私は『よく考えなさい』と言い、結局辞めずに引き続き働いていました。追い詰められた様子なんて、まったくなかったですよ」

上田清司参院議員(本人フェイスブックより)

そのうえで、「裁判になって、判決が出るまでは推定無罪なんですよ。彼は生真面目な人でしたから、私は信じています」とA氏をかばった。

女性は、提訴にあたり発表したコメントで、胸の内をこうつづっている。

「心の傷は、この3年間で回復しつつあると感じていながら、ふとした瞬間に涙が流れます」
「私に不幸にして起こってしまった事件を自ら公にすることで、同じ思いをする人が少しでも少なくなればという思いで提訴に踏み切りました。それが、記者としての使命であると考えました」

「集英社オンライン」は、A氏が暮らしていた埼玉県内の自宅を訪ねたが、自宅前の自転車はすべて倒れた状態で、駐車場の白いワンボックスカーもほこりをかぶっていた。インターホンを鳴らしたが、応答はなかった。

取材・文 集英社オンライン編集部ニュース班

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