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R-1グランプリ3位・寺田寛明は「付和雷同」でエゴサ!? 「いろんなネタを試して試して、レビューサイトという題材が見つけられたのは12月。モニターレンタルに16万円かかりました」<決勝舞台裏・本人手記>

集英社オンライン / 2023年3月8日 15時1分

R-1グランプリで3年連続決勝進出を果たし、今大会では3位に輝いた寺田寛明。緊張で“袖ガチガチ”だったのはなぜか? 「ことばレビューサイト星1」誕生秘話とは? 決勝当日の模様を寺田本人が克明にレポートする。

1回戦落ちから決勝3位まで経験。
「ラストイヤーの来年は優勝で終わらせる」

こんにちは。マセキ芸能社のピン芸人、寺田寛明です。R-1グランプリ2023の決勝が終わった2日後にこの記事を書いています。3年連続で決勝に進出し、一昨年10位→昨年6位→今年3位。来年はラストイヤーです。初めて決勝に行った一昨年は最下位だったけど、なんとか優勝にギリギリ間に合うペースで歩んで来れています。地道すぎる。



僕はこれまで1回戦落ち、2回戦落ち、準々決勝落ち、準決勝落ち、決勝最下位、決勝でなんとも言えない順位、決勝でそこそこいい順位と、賞レースで経験できるすべてを味わうことができました。R-1全部乗せですね。なんとしても来年優勝で終わらせるしかないでしょう。

今年の出来はどうだったかと言われると、もう緊張しすぎでダメダメ。ネタをやり終えて点数が出るまでの間は、「これはやってしまったかも……」という気持ちでした。いいネタが作れた自負はあったけど、当日のパフォーマンスは0点と言っていいくらい噛みまくりました。

そんな体たらくなので、これは自分でも納得という感じなのですが、今のところテレビ番組のオファーなども一切なく、なんならライブオファーも全然なくて、完全にいつも通りの日常が戻ってきました。めっちゃアイドル見に行けている。今もバイト先の塾でこの原稿を書いています。

R-1で寺田寛明に気づいてくれたあなた。あなたが、ライブに来たり配信を買ったりしてくれたら、それがうれしくて生きていけます。
(これに対して、「R-1はやっぱり夢がない」とか言うのはもう全然おもしろくもなんともない。僕にとってR-1で優勝することが夢であって、その後に売れることなんか別に夢でもなんでもないです。人の夢を勝手に決めるな)

復活ステージ勝者・こたけ正義感はかなり嫌な相手だった

ところで、決勝進出3年目だというのに、なんであんなに緊張したのか、というのは自分でも全然わからないです。

当日は朝にネタのリハーサルがあるので、入り時間が出番順で早くなる方式です。2番手だった僕はリハーサルが終わってから8時間くらいやることがなくて、その時点ではあまり緊張していませんでした。

(これはネタ番組の収録でもよくあることで、リハーサルが朝で、収録が夜だと信じられない待ち時間が発生する)

時間がありすぎてお台場を散歩したり、ガンダム広場で「純情のアフィリア」というアイドルグループのリリイベを見たりしていました。普段そんなに見ているわけじゃないけど、アフィリアがかなりよくて気分も紛れました。

夕方の事前番組で復活ステージの勝者が発表され、こたけ正義感が勝ち上がってきました。かなり嫌な相手でした。ネタの方向性や見た目など、寺田寛明とこたけ正義感はかなりの類似タレントと言ってもいい状態にあります。この2人がごっちゃになるという人が多いらしいです。

内容で負けるつもりはなかったけど、こたけ正義感は演者力があるので、こういう賞レースでどういう評価になるのかが読めません。完全にライバルでした。思えば宣伝カーを用意していたときから嫌だった。ここで少し緊張感が戻りました。

とはいえ、例年ほどは緊張していないなと思ったのですが、このあたりで思い出したことがあります。

それは一昨年2回戦。「まあ余裕だろ」みたいな感じで、楽屋でも一切緊張せずに本番まで構えていたら、出番直前、ステージ袖に立ったところでめちゃくちゃ緊張感が襲ってきて、大事なボケまで噛みまくりました……。そんな思い出がフラッシュバックしたのです。

このパターンあるかも、と思い始めました。そして案の定、本番が始まると“袖ガチガチ”でした。

レビューサイトという器を見つけたときに
「これは来たぞ」と思った

楽屋でオープニングを見ているところ

去年の決勝後にいろんな方からご意見をいただきました。ナイツ塙さん、バカリズムさん、カズレーザーさんらがYoutubeで「あのネタはフリップがベストの見せ方じゃない」「フリップはもうテレビに合ってない」と言っているのを見た時から、今年は紙のフリップをやめて絶対にモニターを使おうと決めていました。予選でモニターレンタルに16万円かかりました。

今年のネタは「ことばレビューサイト星1」というものです。

モニターを使うことを決めたとき、自分の中で「モニターでやる意味があるネタにしたい」という気持ちが生まれました。「普段、画面で見るものじゃないとモニターにする意味がない」と思えて、いろんなネタを試して試して、レビューサイトという題材が見つけられたのは12月でした。

僕の中では、ネタは題材を見つけられるかどうかですべての勝負が決まります。塾講師として働き、国語に触れる機会が多いせいか、日本語にツッコミを入れるようなネタは結構前から作っていましたが、それだけの内容だったので、これまではそんなに笑いが起きることもなかったです。

でも、レビューサイトという器を見つけたときに「これは来たぞ」と思いながら作りました。「バレる!」(Creepy Nuts)の歌詞みたいだ。

いい題材が見つかったときは、もうスラスラとネタが作れます。「付和雷同」とかも一瞬でいけました。その流れになることが決まっていたかのように、一度も止まることなく作れました。気に入っている部分でもあるので、付和雷同で皆さんが絵を描いたりしてくれていてうれしいです。寺田寛明が「付和雷同」でエゴサしているという事実に震えるといい。

おもしろい悪口が好き。
かといって人を傷つけたいわけではない

フリップではなくモニターにしてよかったのは、見やすさだけではなく、連打ができるようになったこと。手数を増やせるようになり、後半への盛り上がりも作りやすくなりました。

昨年の大会後にツイッターを見たら、「塾講師なのに日本語の使い方が間違っているのはどうなんだ」なんて声もあって、そのへんのノイズをなるべく減らすよう、細かい部分まで気を遣いました。

そして何より、毎年賞レース終了後にnoteで記事を書いてくださる、かもめんたる岩崎う大さん。

昨年の記事には僕のネタの改善案が書いてあったのですが、それを読んだときに「来年はこれを絶対に決勝前に教えてもらいたい!」と思い、事務所にお願いして、う大さんにネタを見てもらうライブを開催しました。そして実際に決勝3位という自分史上最高の結果がついてきました。すごすぎる。来年も頼りにさせてください。

自分でもすごく好きなネタが作れたなと思っています。言葉が好き、というのはもちろん根底にあるんですけど、その中でも自分は「おもしろい悪口が好き」という部分がありまして、それと同時に「かといって人を傷つけたいわけではない」とも思っています。その課題をほぼ完全にクリアしたネタが「言葉に星1をつける」というやり方でした。

(ほぼ完全に、というのは、人前で何かをやって誰も傷つけないなんていうことは起こりえないと思っているからです。あと普通に武田鉄矢さんが見たら、嫌な気持ちになる可能性がある)

「汚い川みたいで気持ち悪い」とか、よくよく考えるとかなりひどいことも言っています。それに紛れ込ませ、言葉のかわいい部分も見せたくて、自分の好きな2つの得意項目「悪口」「かわいい言葉」で緩急を作れたのも気に入っているところです。

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