──米倉さんはAmazon Original『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』の出演依頼がある前から、原作のノンフィクション「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」(佐々涼子・集英社刊)を読んで感銘を受けていたそうですが、原作のどこに惹かれたのでしょうか?
原作が出版されたのは9年前で、私が読んだのもその頃です。いつもは結構忘れっぽくて、読み終わると忘れちゃうことが多いんですよ(笑)。「今話題になっている小説の◯◯、私読んだっけ?」とか、読んだのに覚えていないことがあるのですが、この原作はしっかり覚えていました。だから余程、心に刺さったノンフィクションだったんだと思います。
まず国際霊柩送還士という仕事に驚きました。海外で亡くなった日本人の方や、日本で亡くなった海外の方のご遺体をご遺族のもとに運ぶというお仕事なのですが、この仕事がとにかく大変なんです。ご遺体を搬送して、体を綺麗にしてあげて、お洋服を着せて、お化粧をしてお運びする。
ご遺体は、生きているときよりも重く感じますから、さまざまな作業のすべてが力仕事でもあるのです。それを少人数でこなすんですよ。そのメンバーの中に女性がいるというのにも驚いてしまって……。