1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

「ノートをとることは頭の整理に役立つ」「親が集中している姿を子どもにみせる」中学受験進学塾SAPIXが伝える、子どもに勉強に興味をもたせるために家庭でできること

集英社オンライン / 2023年3月23日 8時1分

首都圏難関中学の受験で数多くの合格者数を誇る塾・SAPIXの講師陣に取材を重ねて執筆された『10万人以上を指導した中学受験塾SAPIXだから知っている頭のいい子が家でやっていること』から一部を抜粋、再構成して、家庭学習における重要メソッドをお届けする。

板書をノートに取ることは必要?
今どき板書をノートに取るのは非効率。子どもにすすめない→✖️
実は板書をノートに取るのは頭を使う作業。子どもにすすめる→◯
ノートを取ることは頭の整理に役立つ

授業中に板書や先生の話をノートに取ることは、「思考を整理して書く」というアウトプットの基本トレーニングになります。

しかし、時間もかかるし面倒くさいので「書くこと」を嫌う子どもは多いです。人間はどうしてもラクな方向に流れていくものだから、仕方ないのかもしれません。


授業時間の節約のために最近では、学校や塾でも穴埋めプリントで板書の代用をすることも多いようです。

ただ、メモを取らない子は、その場ではわかったつもりでも、結局記憶に残っていないケースがほとんどです。

ノートは頭が整理されていないと上手に取ることができません。ノートを取るのに時間がかかる子の多くは、その内容を理解しておらず、一字ずつ書き写しています。
つまり、うまくノートを取ることと内容の理解度はリンクしていることがほとんどです。

ただ機械的に写し取るだけではなくて、理解できていることなら一部を省略して書いてもいいでしょうし、逆に先生が「ここは書かなくてもいいよ」と言ったことでも、「大事だな」「おもしろいから書いておこう」とノートを取れる子はどんどん伸びていきます。

「書くこと」でアウトプットする方法は、文字情報だけとは限りません。理科では植物や昆虫を観察した絵を描かせることがあります。見たものすべてをノートに写し切ることはできませんから、「どこに特徴があるのか」「何を注視すべきなのか」をつかんだうえで抽象化して描いていく力をつけるのが、この理科の観察の目的です。

パソコンやタブレットなどを使った学習も広がっていますし、「書く」以外の学びの選択肢は増えています。
それらももちろん効果的ではありますが、「書くこと」を疎かにするとアウトプット能力が磨かれないという懸念もあります。今も昔も板書をノートに取ることは、子どもたちにとって大切な学びなのです。

子どもの「得意」と「苦手」どちらに目を向ける?
「苦手」に目を向ける→✖️
「得意」に目を向ける→◯
得意なことが、子どもの自信を育む

子どもが得意だと思っている教科は、絶対に認めてあげましょう。
ときには、「子どもは得意だって言うけれど、別に成績がいいわけではないんだよね」と親としては褒めにくいこともあるでしょう。たとえば4教科の平均偏差値が40弱で、ある教科だけ偏差値45だったときに「これで得意と言っていいのだろうか?」と思うかもしれませんよね。
でも、子ども自身が「得意だ」と思っていたら、決して否定してはいけません。

これは教科の学びだけの話ではありません。子どもは一つでも得意だと思っているものがあると救われます。その得意なことをしているときに、ホッとできたり自信をもてたりするからです。

勉強が苦手でも、サッカーが得意だったり、リコーダーを吹かせたら一番うまかったり。鬼ごっこで絶対に捕まらないという特技でもいいでしょう。
「これならばできるぞ」と思うものが一つでもあれば、それが子どものよりどころになります。

ご家庭では子どもの「得意」を否定せず、一緒に見つけて、褒めてあげられるといいでしょう。得意なことに没頭できる時間を十分に設けてあげることは、子どもが安心する大事なポイントなのです。

一方で、「あなたは勉強が苦手だからね」「算数は本当にできないね」と伝えてしまうと、子どもはその言葉を鵜呑みにして、苦手意識をもってしまう可能性が高まります。また、苦手教科の勉強ばかりに注力すると、その教科が嫌いになってしまう危険性もあります。

子どもが集中していないとき、どう伝える?
自分(保護者)はスマホを見ながら「集中しなさい」と伝える→✖️
子どもが集中できる環境を整えてから「集中しなさい」と伝える→◯
親が集中している姿を子どもにみせる

子どもの集中力は短いものです。さらにいうならば、大人だってずっと集中していられる人はほとんどいません。仕事をしていても、あちらこちらに意識がいってしまって困っている人も多いでしょう。
まずは、こうした人間の前提を踏まえておくことが大切です。

そのうえで、子どもへ「集中しなさい」と伝えるときは、果たして集中できるような環境にあるかを確認してください。
子どもには「勉強に集中しなさい」と言っているのに、保護者がテレビを観ているようなことはありませんか?

あるいは、保護者がスマホでゲームをしていたら、子どもはそちらが気になります。

さらに可能であれば、お父さんお母さん自身も何かに集中している姿を子どもにみせましょう。子どもが勉強をしていたら、その横で資格の勉強をしたり読書をしたりするのです。

ときどき「宿題たくさんあるね。お母さんも今日は資格の勉強をこのページまで進めようと思っているの。一緒にがんばろうね」と子どもの取り組みを肯定していくのもおすすめです。

『10万人以上を指導した 中学受験塾 SAPIXだから知っている 頭のいい子が家でやっていること』

佐藤 智 (著)

2023年2月17日

1760円

272ページ

ISBN:

978-4799329337

首都圏難関中学合格者数No.1進学塾のサピックスが初めて教える
「自ら学び続ける子に育てる」メソッドとは……?
国語・算数・社会・理科の教科別に紹介!

<こんな悩みはありませんか?>
・毎日「勉強しなさい」と言うのに疲れた
・子どものテスト結果がいつも悪い
・子どもに勉強を教えているとケンカになる
子どもが小学生になると「勉強」のことで頭を悩ませるご家庭は多いはずです。

本書では、そんな「勉強」に関する等身大の悩みを、難関中学への高い合格者数を誇る中学受験塾、
SAPIX小学部の先生たちにぶつけました。
もしかしたら、SAPIXの本というと、中学受験の攻略法や算数や国語の問題の具体的な解き方、
おすすめの中学校が掲載されていると思われるかもしれませんが、この本には載っていません。

本書は、もっとずっと手前にある「学びの本質」について書かれています。
・子どもが勉強に興味をもつには、どうすればいいか?
・学び続けていく子を育てるには、どういった習慣が必要か?
といった根本的に学びを好きになるには、家庭でどのような声かけや接し方をすればいいのかを紹介します。
具体的な例をあげて、「OKの声かけ・接し方」「NGの声かけ・接し方」をわかりやすく解説しています。

学びが楽しくなれば、子どもは自発的に勉強をはじめ、自然と学力につながっていくのです。
また、自分の頭で考えて試行錯誤する力もついていきます。

第1章では、子どもが学び全体に興味をもつための、家庭でできるアプローチ法を紹介します。
第2章以降は、国語、算数、社会、理科と各教科への関心を耕す具体的なメソッドをお届けします。
最後の章では、中学受験を検討する際に知っておきたいことをお伝えしていきます。

【こんな人におすすめ】
・小学1~4年生の子どもがいる
・子どもに「勉強は楽しいもの」だと思ってほしい
・子どもへの声がけに苦戦している
・中学受験を検討している
・中学受験のために塾へ通わせている

【目次】
1章 自発的に学び続ける「頭のいい子」
・子どもに問題を教えたあとにかける言葉は?
・教えたそばから忘れる子どもにイライラしたら?
・子どもの「得意」と「苦手」どちらに目を向ける? など
2章 国語ができる子になる習慣
・読解が苦手な子にどうアドバイスする?
・子どもにわからない言葉の意味を聞かれたら?
・自分の考えを表現できるようになるには? など
3章 算数ができる子になる習慣
・数字を身近に感じさせるには?
・計算ミスが多い子にどうアドバイスする?
・算数を得意にするには? など
4章 社会ができる子になる習慣
・社会科に興味をもたせるには?
・役に立ちそうもないことに子どもが夢中になっていたら?
・時事に興味をもたせるには? など
5章 理科ができる子にする習慣
・博物館や科学館などのミュージアムへは行くべき?
・植物や動物に興味をもたせるには?
・理科を得意にするには? など
6章 中学受験との向き合い方
・のんびりしている子は、中学受験に向いていない?
・先取り学習は必要?
・小学生のときに勉強しすぎると、あと伸びしない? など

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください