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1隻作るのに半年かかるボトルシップはまるで人生と一緒。「自分を理解することが大事なんです」渡邊渚アナが超インドア趣味から学ぶこと

集英社オンライン / 2023年3月12日 8時1分

フジテレビアナウンサー渡邊渚さん

究極の模型!
それはボトルシップである

前回のエッセイに大きな反響をいただき、とても驚きました。勇気を出してカタツムリの殻から少し抜け出してよかったと思いました。

今回は前回よりもっと柔らかい話題で、カタツムリっぽい趣味のお話をしたいと思います。

小さいころから工作やものづくりが大好き。中でも建物や模型作りに興味があり、小学生の頃はノートに空想の街の地図を書き、住所の割り当てを勉強して、実際に住所を入れ、住宅の絵や間取り図を描いて遊んでいました。

のちに建築模型やミニチュアにもハマり、自室は自分で作った模型であふれています。そんな私が今一番夢中になっているのが、究極の模型“ボトルシップ”です。



休みの日は専ら家にこもり、一人黙々とボトルシップを作っています。日常を忘れ没頭することのできる貴重な時間になっています。

ボトルシップを眺めていると、この船が、瓶の蓋を開ければ大海原を優雅に帆走するのではないかとワクワクします。

私にとってボトルシップはただの模型ではなく、美しく勇ましく進むシーンを切り取って瓶の中に閉じ込めている、タイムカプセルのようなものだと感じています。

その船が実在した帆船であろうが、空想のものであろうが、この瓶の中に夢を抱き、見惚れ、実際に航行していたら...と想いを馳せてしまう。私にとってボトルシップはただの模型ではないのです。

その魅力の一つが“なぜ瓶の中に船を作れるのかが謎だ”ということ。謎や秘密は人の興味を誘うのでしょう。

ネットにも詳しい情報はほとんど載っておらず、専門書も40~50年前に発売されて以来出版されていません。私自身もこの情報の少なさに苦戦していて、独学で勉強中なのです。

瓶の中で帆を張る

ではその作り方の秘密を簡単に明かしますと(笑)、瓶の口が大体2センチ以下なので、そこを通れるサイズの部品になるように設計図を描き、木を切り、塗装。

一度外で接着剤を使わず仮で完成させ、入念なリハーサルをしてから瓶の中で組み立て、帆を張っていくという流れです。ボトルシップの作業で最も難易度が高いのがこの瓶内での作業。

私も初めて作った時、うまくいかないのではと不安に思ったのですが、製作途中で、ある意外なことに気が付きました。それは「ボトルシップにさほど器用さはいらない」ということです。

もし瓶内での作業に自信がなければ、なるべく瓶の中で糸を結ぶなどの難しい作業を減らす工程にすればいいだけ。これが正しいという作り方はありません。完成が美しくあればいいのです。

作り方を決める裁量はすべて自分にある。つまり大事なのは自分の技量・不器用さを把握することなのです。できないことをしようとするのではなく、自分の不器用さを理解して作業を変えればいい。まさに人生と一緒! 自分を理解することが一番大事。

ハードルが高いと思いこんでいたボトルシップ製作が急に自由で開放的なもののように感じてきませか? 私はこの気づきをきっかけにボトルシップの世界にのめり込んでいきました。

求む! 師匠

ボトルシップ製作の楽しみの一つが、ありとあらゆるものを自分の手で生み出さなければならないところです。

製作の船出のために欠かせないのが“瓶入れ作業用の道具たち”なのですが、これは売ってないので自分で作るしかありません。

この瓶入れ作業用の道具は、先がL字型をしていたり、糸を切るために刃がついていたり、瓶の中で糸を結ぶことができる秘密の道具。

これらはステンレス製の魚用焼き串をコンロの火で温め、ペンチで曲げ、焼きなましして作ります。これが本当に硬くて力のいる作業で、なかなかうまく加工できない。

焼きなましなんて人生初だし、両親だってやったことない、会社の先輩に聞いたって当然誰もアドバイスなんてくれないから、どうにか自力でやるしかありません。

普段一人が好きな人間なのに、この時ほど仲間が欲しい、私と一緒に焼きなましをしてくれる人が欲しいと思ったことはありません。

長々と語ってしまいましたが、私のボトルシップ歴はまだ2年、製作した船はまだ3つの修業中の身です。ちなみに一隻作るのに、設計図の製図から、作業の完成まで合わせると半年ほどかかります(笑)。

これからもっと腕を磨いていきたいのですが、最近自分の知識だけでは限界を感じています。

作り方の幅も広げたいし、もっとカンナもうまく使えるようにもなりたい…そろそろ脱カタツムリして誰かに弟子入りしたいです! 私の航海はまだまだ続きます!

完成したボトルシップと渡邊アナ

ボトルの中で作業するためのツール

文/渡邊渚 写真/峠雄三 スタイリング/真壁いずみ ヘア&メイク/久保フユミ

洋服クレジット
ボーダーカットソー・スカート/ヘインズブランズ ジャパン カスタマーセンター(チャンピオン)
パーカ/セル ストア(ザ ブック ストア)
その他/スタイリスト私物

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