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〈京都女子大生タリウム殺人〉「オヤジ死んだわ…」逮捕された“舞妓”ビジネス社長の身内で続いた“謎の不幸”「伯母から社長業を継いでから不動産売買が激しくなった…」

集英社オンライン / 2023年3月9日 16時1分

立命館大3年生だった浜野日菜子さん(21)にタリウムを摂取させて死なせたとして大阪府警に殺人容疑で逮捕された京都市左京区の不動産賃貸業、宮本一希容疑者(37)。その宮本容疑者が体調の急変した娘を迎えにきた浜野さんの両親に「仕事がある」とウソをついてゴルフの練習に興じていたことがわかった。

「仕事に出かけなければなりません」と嘘をつきゴルフに…

祖父の代から京都市内の一等地に複数の不動産を有する資産家一族に生まれた宮本容疑者は、東京でのサラリーマン生活に見切りをつけて5年ほど前にUターン。家督を継いでいた伯母が2年半前に体調不良になったのを機に代表取締役に就任すると、舞妓遊びや美食巡りが度を越して派手になっていったようだ。



宮本容疑者と浜野さんは昨年10月、複数の飲食店で食事や酒を楽しんだ後に浜野さんの自室マンションで飲み直していた。その最中に浜野さんの体調が急変、宮本容疑者は「朝まで介抱したが回復しなかった」と大阪市内に住む浜野さんの両親に連絡した。
社会部記者が言う。

殺害された浜野さん(知人提供)

「防犯カメラの分析も含めた二人の足取り捜査からも、宮本容疑者以外に浜野さんにタリウムを摂取させられる可能性のある人間はいなかった。タリウムは水に溶けやすく無味無臭なため、酒に溶かして飲ませた疑いが濃厚です。調べに対し宮本容疑者は、救急車を呼ぼうとしたが浜野さんに『喘息だから呼ばないで』と拒まれたなどと言い訳しており、瀕死の娘を迎えに来た両親には『私は仕事に出かけなければなりませんので』と言って浜野さんを引き渡した。しかし実際にはその後、近くの打ちっ放しにゴルフの練習に出かけたことがわかっています」

その間も浜野さんはもがき苦しみ、3日後に呼吸困難で死亡している。
これを鉄のメンタルと言うのか、人の心を解さぬ鬼畜と言うべきか。いずれにしても宮本容疑者にとってゴルフは、ウソをついてまでやりたい大切なものだったらしい。

大手求人広告会社にいたころのサラリーマン時代をよく知る友人がこう語る。

「真面目で熱心なので仕事もできましたよ。ヤツは結婚情報誌の営業にいたんですけど、ゴルフもそこで覚えてよく先輩や偉い人に連れられてコースに行っていました。当時の社長にも気に入られて、一緒にラウンドしていたとも聞きました。だから、美食以外の趣味といえば、間違いなくゴルフですね」

左京区修学院の約250坪の広大な敷地に3棟の屋敷を擁する宮本家の資産の礎を築いたのは、不動産業だ。宮本容疑者の祖父は、京都の宿御三家で名高い俵屋旅館や柊家の直近の一等地に1974年、約40坪の土地を購入。6階建てのビルを建設し、その2階部分を事務所に充てて手広く不動産会社を営んだ。祖父にどういう意向があったのかは定かではないが、この本体の不動産会社を受け継いだのは、宮本容疑者の父の姉である伯母だった。
株式会社から有限会社に形を変え、商号も変えて2000年に現在の会社が設立している。宮本容疑者の父は、ケーブルテレビの敷設などを主な目的にした会社を立ち上げたが、親子の折り合いは良好とはいえなかったようだ。

京都市内に住む古くからの友人はこう証言する。

逮捕された宮本容疑者(本人フェイスブックより)

「最初の結婚がうまくいかずに離婚して、一希は京都に戻ってきて再婚しました。2018年ごろにその結婚式があったのですが、お父さんの姿が見えなかったので『なんでいないの』と聞くと『なんか今は別のところに住んでいるから』と素っ気なくて。それからコロナが流行り出した2020年だったと思いますけど、今度は『オヤジ死んだわ』とだけポロッと……。死因も含めて詳しいことは全然話してくれなかったので気がかりではありましたが、そもそも昔から一希のうちは、遊びに行ってもお父さんの気配がしない家だったんですよね」

伯母が倒れ意識不明に…社長を継ぐと次々に不動産購入

一方の伯母は着付けや裏千家の茶道にも通じた粋人で社交的、ある種の押し出しの強さも持っていた。宮本容疑者が小学校時代を過ごしたミッションスクールの女子大の茶道部でも、熱心に指導にあたっていたという。宮本容疑者を舞妓ビジネスに誘い込んだのも、この伯母だった。
2018年には京都五花街のひとつである宮川町に鉄筋コンクリート造瓦葺き3階建ての宿泊施設まで新築し、甥を精力的にバックアップした。「弘庵」という屋号も伯母が考え、この敷かれたレールの上で宮本容疑者は舞妓ディナーや舞妓ツアーなどの事業をうまく転がし、生活ぶりもどんどん派手になっていった。

そして、疎遠だった父の死と同じころ、今度はこの大恩人たる伯母が突然倒れ、寝たきりになってしまう。そして宮本容疑者は2020年10月1日、伯母が継いでいた不動産会社の新しい代表取締役に就任したのだ。

豪快にビールを飲む宮本容疑者(本人フェイスブックより)

「伯母が突然倒れた理由は判然としませんが、意識がない状態が続いたようです。そして宮本容疑者が代表権を握って以降、同社は積極的に不動産の売買や所有権移転をするようになった。浜野さんの殺害に使ったとみられるタリウムの入手経路とともに、一連の不動産物件の流れについても府警は把握して背景を調べています」(前出・社会部記者)

古都を舞台にしたおぞましい事件、全容解明が望まれる。

京都の宮本容疑者の自宅(実家)。豪邸のなかでなにが起きていたのか…

※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news

取材・文 集英社オンライン編集部ニュース班

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