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無一文ヒッチハイクで日本4周を目指す23歳に密着!「女の子だから乗せてくれてる面はあると思う…」大寒波の中で4時間立ち尽くした末に現れた救世主は…「次はピースボートで世界一周目指します!」

集英社オンライン / 2023年3月12日 11時1分

たったひとり、無一文で日本全国をヒッチハイク旅しているMISAさん、23歳。2022年の5月から7月にかけて69日間で日本1周を達成し、9月からは日本2週目の旅に挑戦中。現在も過酷な旅の真っただ中だが、彼女は1日をどのように過ごしているのか。集英社オンライン編集部が彼女の旅に密着する。

旅仲間たちと旅話に花を咲かせた夜

日本地図にめがけてダーツを投げ、刺さった県を目指してヒッチハイクを行う。47都道府県すべてにダーツを刺すことができればクリア。

そして日本を4周することを目標に掲げているMISAさん。身長は約150㎝と小柄で笑顔がチャーミングな女性だが、なんとも過酷な旅の途中にいる。

札幌を訪れた際のMISAさん。空路の料金や飲食代は旅中に貯めたお金から捻出している(本人提供)


前編では、無一文ヒッチハイクに対する思いや身の危険を感じたエピソードを赤裸々に語ってもらった。後編では、実際にMISAさんのヒッチハイクに取材班が同行、密着リポートをお届けする——。

密着をおこなったのは今年1月下旬。日本列島に10年に1度の大寒波がせまっていた時期だった。
待ち合わせ場所は京都駅から徒歩5分ほどの居酒屋。時刻は午後8時30分を指していた。その店で“旅仲間”たちと食事をする予定だという。

居酒屋に入ると、すぐにMISAさんが見つかった。大きく“無一文ヒッチハイク”と書かれたボードを横に置き、席についていたからだ。彼女は小柄で可愛らしい容姿の女性だった。
とても“無一文日本4周ヒッチハイク旅”に挑戦するような旅人には見えない。

隣にはパンパンに荷物が積み込まれた紺色のリュックが置かれており、重さは約20キロもあるそうだ。小柄な女性が担いで歩くのはさぞ大変だろう。

これだけのものを持ち運ぶのでバッグはパンパン

その席に座るのは、MISAさんの他に自転車で日本1周を達成したAさんと、原付で日本1周中のBさん。3人で旅の苦労や土産話を肴に飲んでいた。もうひとりの仲間も来る予定だというが、まだ姿を見せていない。MISAさんが申し訳なさそうに事情を語る。

「ヒッチハイクに手こずっているみたいで、まだ到着していないんです」

仲間との待ち合わせ場所に行くにもヒッチハイク。予定時刻に間に合わないこともあるのだろう。

22時頃になってようやくもう1人の仲間が合流。21歳の大学生、なつきくんだ。現在は大学を休学中。この期間を利用してヒッチハイク旅をしているという。

いざダーツ! 次の目的地は…

居酒屋を出た一行は、MISAさんの行き先を決めるダーツをおこなうため、京都駅の屋上展望台に向かう。
冬の夜空の下、MISAさんは黙々とダーツの準備を進める。ルールは簡単。ボードに日本列島が描かれた紙を貼り、そこにダーツを投げて突き刺さった場所が次の目的地になる。

次の目的地は長野

時刻は23時過ぎ。次の目的地は長野県に決まった。
旅仲間たちとは京都で別れ、取材班の車に乗り込むMISAさん。長野へ少しでも近づくために、まずは近江八幡へ向かうことになった。
“ヒッチハイク旅”ではあるが、乗れる車には乗る。それが彼女なりのルールなのだろう。

滋賀県近江八幡市のビジネスホテルに宿泊して、翌朝を迎える。朝10時から取材班の車で岐阜県の養老サービスエリアに移動。時刻は11時15分。さっそく「長野県」と書かれた紙を掲げて、トイレ付近に立つMISAさん。

多くの人が一瞥するも、そのまま通り過ぎていく。たまに、道行く人が彼女に飲み物やお金をくれることもあるという。とはいえ、そのお金だけで旅の資金はまかなえないはず。自己資金は本当にないのだろうか。

「本当にありません。ただ、1周目でいただいたお金を繰り越しているので、2周目スタート時点で約1万5000円残っていました。今後もなるべく貯めながら旅をしていきたい。でも旅でいただいたお金なので、4周目をゴールするときはすべて使い切りたいですね」

「長野」と書かれた紙を持ち、粘り強く車に乗せてくれる人を待つMISAさん

これまで、ひとつの場所でヒッチハイクに成功するまでにかかった最長時間はどのくらいなのか。

「最長は7時間。そんなに長くないですよね。ある程度やって無理だとわかったら、諦めて暖を取りにいったり野宿を考えたりするので」

この日は大寒波。凍てつく風がしばしばMISAさんを襲う。それでもヒッチハイクに慣れたMISAさんにとってはさほど過酷な環境ではないのかもしれない。

開始から4時間、彼女の前に現れた救世主

しかし、昼前に降り始めた雨はそうはいかない。MISAさんは雨の当たらない屋根の下に移動し、乗せてくれる人が現れるのを待つ。
1人の男性が話かけていき連絡先を交換するも、そのまま立ち去ってしまう。

「珍しいから話しかけてみたそうです、仕事が終わってまだ私がここにいたら、乗せてくれるかもしれないそうです」

まだ確証はないが、ひとまず希望を見出せたMISAさんは、その安堵から自然と表情が緩む。

昼過ぎ。雨はみぞれや雹に変わり、その勢いも激しくなり始めた。
さすがのMISAさんも時折体を震わせている。それでも話しかけてくる人はほとんどいない。

ヒッチハイクを始めて約4時間。体力も限界を迎え始めたようで、サービスエリアの建物内の入り口横へ移動する。

条件はどんどん悪くなっていく

今日はさすがに厳しいか。取材班も半ば諦めかけているなか、ヒッチハイクの神様は彼女を見捨てなかった——。

「お昼頃に声をかけてくれた男性の仕事が終わったらしくて、これから迎えに来てくれると連絡来ました! (岐阜県)恵那市の恵那峡まで送ってくれるようです!」

時刻は16時。
「もう少しで最長記録を更新するところでした。本当にこの男性に感謝です! 乗せてくれた人が共通してよく言うのは『女の子だから乗せた』というのはあります。男性だと怖いみたいですね。だから女性のほうがヒッチハイクはやりやすいのは事実だと思います」
と興奮気味に話す。

前編では、無一文だからこそ宿泊場所の提供などの厚意に甘えられることもあると話していた。つまり意地悪な言い方をすれば、他人の厚意に頼ることが前提の旅といえなくもない。
そこを聞いてみると、MISAさんは真剣な表情で考え込み、こう答えた。

物珍しさから記念写真を求められることも

「普通に仕事をして頑張って自分で生活している人からしたら、お気楽だって思われるかもしれませんが、あんまり周りの意見は気にしてないです。
この生活も今、自分が若いから許されているという自覚はあります。だから子供だと思われているうちにやりたいと思ったんです。でも一生ご厚意に甘えて生きてくつもりはありません。

乗せてくれる人は私のことを応援してくれてるし、私も旅をしていないときは旅人にご飯をご馳走したりもします。親切は自分に返ってくると思うし、そういう親切をめぐらせて日本が親切で優しい国だって発信したい気持ちもあります。
いずれにしても私の旅に否定的な意見を言う人はそもそもヒッチハイカーを乗せるような人じゃないし、私がその人に迷惑をかけるわけじゃないから……」

日本4周旅はいったん休止! その理由は?

約1時間後、先ほどMISAさんに連絡をした男性が養老サービスエリアに現れた。
目的地の恵那峡の近くでイベントの仕事があったようだ。

なぜMISAさんを乗せようと思ったのか。その理由について、その男性はこう語ったという。

この日、MISAさんを乗せてくれた男性

「背も低くて大荷物で、鳥の雛みたいな女の子が、こんな寒い中を立ち続けていて偉いなと感じました。あまり深く考えずに、ただ大丈夫かなと気になって連絡して乗せてあげることにしました」

小雨のなか、2人を乗せた車は恵那峡へ向けて走り去っていった。

後日、走り去ったその後のことついてMISAさん話を聞くと、車は1時間ほどで恵那峡へ到着。高速を降りたところで車から降ろしてもらうと、すぐに栃木に向かう大型トラックの運転が捕まり、長野県まで送り届けてもらえたそうだ。

人の厚意に支えながら続けるMISAさんのヒッチハイク旅。目標とする日本4週まで2周以上残っているが、彼女は2週目を終えたら、また別の旅へ出るという。

「ピースボートに乗って『世界一周の船旅』に行こうと思ってます。でも、日本4周ヒッチハイク旅を断念したわけではありません。世界一周旅行から戻ってきた後、残りの日本2周に挑戦するつもりです」

日本から世界、そして再び日本へ。彼女の旅のゴールはまだまだ見えない。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/Soichiro Koriyama

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