この“キラキラネーム法案”ともいえる改正案が成立した場合、2024年度から施行される見通しだ。なぜこのような改正案が提出されるのかというと、背景には「行政手続きのデジタル化」がある。3年前に新型コロナ給付金が給付された際、戸籍に読み仮名がなかったために銀行口座との結びつけに手間取り、給付が大幅に遅れる事態となったのだ。戸籍に読み仮名を記載することでこういった作業の効率化につながるという。
改正案では「読み方は一般に認められているもの」と規定され、「いきすぎた『キラキラネーム』など社会に混乱を招く極端なものは記載されない」とされている。ただし、辞書に載っていない読み方でも社会にある程度受け入れられている読み方であれば認められる方向だ。
認められないケースについては「法律施行までに通達で示す方針」とされているが、原則認められないケースとして、
1 漢字の意味と反対の読み方をさせる(高と書いて「ひくし」と読ませる)
2 読み違いかどうか判然としない(太郎と書いて「サブロウ」と読ませる)
3 漢字の意味や読み方からはおよそ連想することができない(太郎と書いて「マイケル」と読ませる)
などが想定されている。改正案が成立すればすでに戸籍がある国民全員が読み仮名の記載を行う。
この改正案に対しては「名前の読み方まで国が口を出すのか?」「昔、話題になった光宙(ピカチュウ)や天使(エンジェル)みたいな名前がつけづらくなることには賛成」など賛否両論がネット上で議論されている。
今回、「集英社オンライン」ではキラキラネームにまつわるエピソードについて渋谷で300人の若者に尋ねてみた。