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【WBC転売問題】ネット裏チケットは驚異の1枚125万円! 転売ヤーは「今が一番稼ぎやすい」とグッズショップの入店抽選券までSNSを駆使して転売

集英社オンライン / 2023年3月13日 18時16分

3月12日夜、WBCの1次ラウンド最終戦が東京ドームで行われた。この日、日本はオーストラリアに7対1で圧勝し、破竹の4連勝。だが、その熱狂のウラでは転売ヤーたちが暗躍していた。しかも、売られているのは観戦チケットやオフィシャルグッズだけではなかった。

ヌートバーの関連グッズも高騰中

3月12日夜、東京ドームはお祭り騒ぎだった。
1回表、大谷翔平の3ランで先制すると、投げては先発の山本由伸が4イニングを被安打1、無四球でピシャリ。打線も効果的に追加点を奪って7対1でオーストラリアを撃破。侍ジャパンは“世界最速”で準々決勝進出を決めた。

熱気に包まれた東京ドームだったが、実はドームの外では別の戦いが繰り広げられていた。


オフィシャルグッズを購入したいファンたちが、試合が始まった19時以降も東京ドーム前のグッズショップに長蛇の列を作り、グッズ争奪戦を行っていたのだ。
警備スタッフが語る。

長い行列に並んでようやくグッズショップに入店できたファンたち

「3月6日の京セラドームでは、早朝5時に、ひとまず列に並ぶために数百人のファンがスタッフの制止も聞かず、全力疾走。その結果、大混乱が起きて、転倒した人のための救急車も出動しました。今回はそれを踏まえて東京ドームの警備スタッフが20人以上増員されています。その甲斐あって、今のところ大きなトラブルは起きてません。

それでも列の長さは相変わらずすごいです。早朝4時にはすでに列ができていて、抽選券の配布が始まる6時には6000人近くになっていました。
人気アイドルグループに匹敵する行列です。」

グッズショップへの入店は、朝6時に配布された抽選券の番号をもとに午前8時半に再整列をしてもらい、順番に案内していく。だが、朝6時から並んで抽選券を手に入れた人の中で、最も遅い入店は9時間後の15時だったという。

朝6時から並んで抽選券を手に入れながら、入店が午後になる人も続出

売れ筋商品は侍ジャパンメンバーの選手名入りプリントユニフォーム(税込7000円)やレプリカユニフォーム(税込1万2000円)だ。特に人気なのは大谷翔平選手とダルビッシュ有選手、さらに、今大会で一躍人気者になったヌートバー選手だという。

さらに関連グッズでは、ヌートバー選手が打った際に行う「ペッパーミルパフォーマンス」を模したペッパーミルフェイスタオル(税込3300円)が3月10日に発売されたが、すぐに売切れ。現在、フリマアプリなどでは1万円以上で取引されている。

抽選券を転売する者も

早朝から並んで商品を購入したファンが語る。

「大谷選手だとプリントユニフォームが1万5000円以上、レプリカユニフォームが3万5000円以上で転売取引され、ダルビッシュ選手だとプリントユニフォームが1万5000円以上、レプリカユニフォームが3万円以上です。

それから目立って高騰しているのはヌートバー選手。プリントユニフォームが2万円以上、レプリカユニフォームが3万円以上になっています。
僕は大谷選手のレプリカユニフォームが購入できなかったら転売の商品を買おうか迷っていましたが、今日並んで正規購入できたのでよかったです」

愛犬もWBCモードに

また、絶対に転売商品を購入したくなかったという別のファンは在庫状況をこう語る。

「朝4時から列に並ぶのは今日で4日目です。1日目はどのように抽選が行われるのかわからないので、終電で後楽園駅に来て、東京ドームの周辺で夜を明かして行列に参加しました。4日も連続で来ているので今はある程度店の状況もわかります。

昨日まで大谷選手やダルビッシュ選手のユニフォームは毎回売切れていましたが、今日、ようやくダルビッシュ選手のユニフォームを買えました。どうやら少しずつ商品が補充されているように感じます」

とはいえ、抽選券をもらえても「大谷選手のユニフォームが買えなかった」と漏らすファンもおり、在庫が補充されるタイミングでの入店にかかっているなど、購入には運も重要のようだ。

こうした状況の中、転売ヤーたちはグッズだけでなく抽選券も販売しはじめているようで、Twitterには「抽選券お譲りします」との書き込みも散見された。
相場は1000番以降で3000円~4000円、1000番以前で5000円~1万円、100番以下は5万円以上で、高いものだと7万円という提示額もあった。

抽選券をSNSで販売する者も

さらに、どうせ並ぶのならと自分の購入分以外にも代理でグッズを購入して代行費を稼ぐ者も現れだした。こちらの相場は1000円~1万円以上だった。

チケット1枚に「125万円」も…

もちろんチケット代も異常に高騰している。前出ファンが語る。

「いわゆる見切れ席のチケットが5万円以上で売られていました。私は正規の3500円で購入できましたが、さすがに5万円は高すぎますよ」

定価の15倍近くと跳ね上がっており、ベテランの転売ヤ―によると「世界規模のスポーツ興行ほど手が出しやすい」のだという。

「中でもWBC関連は一番、稼ぎやすいと言えます。6000円のチケットが安くても3万円以上、日韓戦なら4万円以上で売れるし、全体的にどの席のチケットでも最低で定価の5倍にはなります。大谷とダルビッシュ人気のおかげですでに相当利益が出ていますが、今後のチームの活躍次第で価格はさらに高騰するかもしれません」

大谷翔平タオルを購入できた女性ファン

実際に某チケット売買フリマアプリでは、3月16日の準々決勝ラウンドのネット裏のダイヤモンドボックス席のチケットが1枚125万円で売られていた。定価は5万2000円なので、およそ24倍の価格である。
チケット不正転売禁止法では興行主の事前の同意を得ず、営利の意思を持って定価を超えるチケットの高額転売を反復継続して取引を行うことは禁止されている。それでもなぜWBCのチケット転売はなくならないのか。
前出転売ヤーが語る。

「WBCだけではなく、サッカーや韓流カルチャーといった世界的な人気コンテンツは市場規模も格段に大きくなります。
市場規模が大きければ、売れ残りが出にくくなりますし、警察の対応もそのすべてに追いつけない状況になります。日本のアーティストのチケットの転売を行うよりはリスクも少ないんです」

大歓声が響き渡る東京ドーム周辺では、チケットを買えなかった多くの人が、少しでも近くで応援したいとスマホやラジオで観戦していた。
今もなお横行する悪質な転売。早期の対策が望まれる。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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