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億単位の遺産相続人は、タンクトップに短パンでうちわを仰ぐおじさんだったーみんなが知らない、人生100年時代を生き残る富裕層の意外な素顔

集英社オンライン / 2023年3月22日 16時1分

トップ3.5%の富裕層の習慣を書き出した、『元国税専門がこっそり教える あなたの隣の億万長者 富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣』(ダイヤモンド社刊)より、お金持ちたちの意外すぎる素顔を一部再編集し、お届けする。(サムネイル、トップ画像:写真/shutterstock)

著者である小林義崇氏は、2004年東京国税局の国税専門官として採用され、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。

2年連続で東京国税局長より功績者表彰を受けた過去を持つ。そんな小林氏が富裕層と関わる中で学んできた、彼らの習慣をこっそり教えてくれた。


実はマッサージ師や
職人が富裕層だったりする

富裕層の職業というと、上場企業の経営者や官僚、医師や弁護士などの師士業といったいわゆるエリートの姿が頭に浮かぶ人が多いのではないでしょうか?

ある会社経営者の相続税調査をしたときのことは忘れられません。

創業者が亡くなり、あとを引き継いだ息子(社長)から話を聞く必要がありました。そこで調査のアポイントメントをとったところ、「会社に来てください」といわれました。

調査の当日、私は会社に出向いて会議室に通されたのですが、そこにはタンクトップとハーフパンツの姿の男性が、そっぽを向いてうちわで扇ぎながら座っていました。

私はなにか手違いがあったのかと思い、「社長さんにお話をうかがいたいのですが」と告げると、ガバッと振り返り、「俺だよ!」と怒鳴られたのです。

「億単位の資産を相続した社長」ということで、スーツ姿のいかにもエリート然としたタイプを勝手にイメージしていただけに、あのときはショックで言葉を失ってしまいました。

相続税の申告書には、「職業」を記入する欄があります。職業によって相続税の計算が変わるわけではないのですが、職業欄の情報を税務職員は必ず気にします。

というのも、生前の職業をヒントに、どれくらいの資産を残して亡くなったのかを推測するからです。

令和3(2021)年賃金構造基本統計調査によると、日本の職業別平均年収のトップは医師でした。2位以下はパイロット、大学教授と続き、やはり一般的に「エリート」と呼ばれるような職業が目立ちます。

ただ、相続税調査をしていると、富裕層の職業はエリートばかりというわけではありません。

むしろ、私が担当した相続税事案では、官僚や大手企業勤めというケースはほぼなく、中小企業経営者や不動産オーナー、個人事業主が多かったのです。

年々下がる、退職金受給額

たとえば、地域に密着したマッサージ師や工務店の職人など、一見すると富裕層とは結びつかない職業の人が亡くなり、その家族が相続税を申告しているケースを私は少なからず見てきました。

こうした人たちの共通点は、「定年がない」ことにあります。私が目にした富裕層の方々は、会社員や公務員が定年を迎える年齢を過ぎても、なんらかの形で収入を得ていました。

事業収入や、企業の相談役としての報酬、講演料などを得て、同年代の人たちよりも多く稼いでいたのです。

中小企業庁の調査を見ると、個人事業主や会社経営者の廃業年齢は70 歳代に集中しています。80歳を超えても仕事を続けている人もそれなりの割合でいるのです。

もちろん、お金が足りずに長く働いている人もいると思いますが、定年のある会社員よりも長く働くことで、多額の資産を築いている人も少なからずいると考えられます。

今は、かつてなく老後が長くなっている時代です。その一方で、企業の退職金は年々減少しています。厚生労働省がとりまとめた「就労条件総合調査」によると、大卒者の定年時の平均退職金額は、次のとおり推移しています。

大卒者の定年時の平均退職金額
2003年:2499万円
2008年:2280万円
2013年:1941万円
2018年:1788万円

このような時代において、たとえ高収入の仕事に就いたとしても、65歳頃に定年退職をして無収入になると、亡くなるまでに財産を使い切ってしまうおそれがあります。

富裕層でなくても、なんとか老後の生活費を確保するためには、定年のない仕事をし、定年世代以上も仕事を続ける。

健康に気をつけながら、できるだけ長く働く。これが人生100年時代における1つの戦略といえます。

フリーランスに定年はない

私が国税職員を辞めてフリーライターとして独立するとき、周りの人たちから、とても心配されました。

家族がいますし、奨学金や住宅ローンも抱えているので、公務員という安定的な職業を捨てるのは、正気の沙汰とは思えなかったようです。

なかには独立を応援してくれる人もいたのですが、「お金よりもやりたいことをやるほうがいいよ」といった言葉で励まされることに、少し違和感がありました。

なぜなら私は、やりたいことをしながら、お金もしっかり稼ぐつもりでいたからです。相続税調査を通じて富裕層の実態を知ったことで、独立が金銭的にも成功への足がかりになると考えていました。

公務員には定年がありますが、フリーランスには定年はありません。やろうと思えば、死ぬまで働けますし、いったん本を書きあげて、それが売れ続ける限り、「印税」という不労収入を得ることもできます。これは株式投資における「配当金」のようなものです。

結果は人生が終わるときまでわかりませんが、少なくとも私は公務員を辞めて、フリーライターになったことを後悔するどころか、大きな成長への足がかりにしたいと思っているのです。

とはいえ、私は誰もがフリーランスになるべきとは考えていません。もちろん会社員や公務員として、定年まで勤めあげるのも立派なことだと思います。

どのような働き方であっても、本業や副業などで自分の経験や知識を養って、自分の市場価値をつねに高める視点をもつことは大切です。

これは、働き方が多様化して、定年後の人生も長い現代において、一生お金に困らないための基本戦略だと思います。


文/小林義崇

元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者(ダイヤモンド社刊)

小林義崇

2023年2月8日発売

1,650円

240ページ

ISBN:

978-4478116517

「富裕層」と聞くと、どんなイメージが浮かぶでしょうか?

高級ブランドのファッションに身を包み、自宅のガレージに何台もの外車が並び、
アーリーリタイアを果たして頻繁に海外旅行に出かける――。
もし、あなたが富裕層に対してそのようなイメージを抱いているのであれば、
その事実はまったく違います。

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