きたる5月8日に新型コロナの感染法上の位置付けが、季節性インフルエンザなどと同等の「5類」へ移行するのを前に、政府は2023年3月13日(月)から、“マスク着用は個人の判断に委ねる”との号令をかけた。
罰則のある法規制により、国家権力が一時的にマスク着用を強制した一部諸国とは違い、日本の場合はマスクをするもしないもずっと個人の自由だったのだから、「今日からノーマスクOK」と改めて言われることに、不思議な感覚を抱いた人も多かったのではないだろうか。
3・13過ぎたけど、マスク継続? ノーマスク? 人々のマスクに対する実態を12タイプに分類してみた!
集英社オンライン / 2023年3月17日 11時31分
政府は2023年3月13日から、“マスク着用は個人の判断に委ねる”との号令をかけた。それを受けて、街ゆく人々は実際のところどうしているのだろう。コラムニスト佐藤氏が独断でマスク・ノーマスクについて分析してみた。
3月13日以降、揺れ動く日本人のマスクに対する意志と態度
4月23日に全国で一斉投開票がおこなわれる統一地方選挙と、5月19日から開催されるG7広島サミットに向け、日本の社会を世界の標準に合わせノーマライズしようという政府の意図を感じるが、この原稿を書いている3月16日(木)時点で世の人々のマスク着用状況はどうなのかといえば、ノーマスクの兆しはあるものの、まだ劇的な変化は見えないように感じる。
店の中や電車内などでマスクを外している人に遭遇する割合は増えたが、緩やかな変化だ。
一方、屋外では明らかにノーマスクの人が増えているが、まだ頑なにマスクをつけている人の方が数は多いようだ。
現時点でマスクをつけ続けている人、または外している人は、それぞれ一体どんな意志を持っているのだろうか?
試みに12のタイプに分類し、考えてみた。
ちなみにエビデンスなどはかけらもなく、筆者が自分の感覚のみを頼りに書いているふざけたコラムなので、もし自分の考えと違う点があっても目くじら立てず、半笑いで流していただければ幸いである。
また、現時点でもマスク着用が引き続き推奨されている高齢者や基礎疾患のある人、業務中にマスクを着用せざるを得ない接客業や飲食業の人などは、以下の分類に含めてはいないので、その点もご留意いただきたい。
マスクを継続する派に見られるのは、
慎重・協調・馴れ合い
1 慎重型マスク継続派
推定人口比率 約20%
周囲の人の着用状況や、コロナの新規感染者数の推移を見ながら、慎重を期して着用継続している人々で、恐らく現時点で一番多いタイプ。
このまま新規感染者数の下落傾向が続き、ノーマスク派が多数になってきたらあっさりマスクを脱ぎ捨てる予定。
2 モラトリアム型マスク継続派 “花粉症”系
推定人口比率 約15%
コロナとは関係なく、毎年この時期はマスクを手放せない人々。
スギやヒノキの花粉飛散が収まる4月下旬くらいまでは、このまま着用継続しながら、コロナの新規感染者数や社会の趨勢を見極めようと思っていて、現時点では意志表示・態度を保留している。
3 モラトリアム型マスク継続派 “在庫消費”系
推定人口比率 約10%
意志表示や態度を保留し、マスク着用を継続しているという点では2と同じだが、家に大量ストックしてあるマスクを、もう少し消費してから真剣に考えようと思っているタイプ。
4 同調圧力屈服型マスク継続派 “協調”系
推定人口比率 約10%
会社や学校などの所属集団内では、周囲の人々に同調し、大勢になびいている方が楽だと感じている、協調性向が強いタイプの人。
モラトリアム派と同様、周囲にノーマスクが多数になってきたタイミングでオセロのコマのようにパタっと切り替わる見込み。
5 同調圧力屈服型マスク継続派 “思考停止”系
推定人口比率 約10%
とっくの昔にマスクの意味について考えることを放棄し、惰性と同調圧力のみによって着用を継続しているタイプ。
物事をあまり深くは考えないし、周囲の状況の読みも甘いので、ノーマスク派が世の多数を占めるようになっても気づくのが遅れる可能性がある。
6 自意識過剰型マスク継続派
推定人口比率 約5%
マスク生活に慣れきってしまったため、素顔を晒すのが気恥ずかしいと感じるようになり、人前では着用してしないと精神的に落ち着けなくなってしまったタイプ。
他人からそこまで注目されていないにもかかわらず、自意識を過剰に亢進させてしまっている中高生などの若年層に、比較的多く見られる。
7 意志強固型マスク継続派
推定人口比率 約5%
新型コロナウイルスの新規感染者がほぼゼロになるまで、自分だけになったとしてもマスクをつけ続けようと頑なに考えているタイプ。
マスメディアはコロナ収束後も、新たな感染症の危険などを煽り続けるだろうから、生涯マスクを外せなくなる可能性もある。
ノーマスク派に見られるのは、強固・屈服・肯定
8 付和雷同型ノーマスク派
推定人口比率 約10%
3•13以降、現時点でノーマスク派の多数を占めるタイプ。
論理的に考えて、もうマスクは不要と思っていて、屋内でも屋外でも基本的にノーマスクで過ごしているが、周囲の目があまりにも気になる場合、常にポケットに忍ばせているマスクをそっとつける。
マスク継続のモラトリアム型や同調圧力型と紙一重だが、わずかにノーマスク側に軸足を置いた人々。
9 意志強固型ノーマスク派
推定人口比率 約5%
7の対極に位置し、世の大多数の人がマスク着用していた頃からノーマスクを貫いているタイプで、新型コロナただの風邪説やワクチン陰謀論の人が含まれる。
いまだにマスク着用派が多数である現実を前に、ため息をつき眉間に皺を寄せながらノーマスクで歩いているのですぐに見分けがつく。
10 自己肯定型ノーマスク派 “美形”系
推定人口比率 約4%
9のようなコロナに対する強固な意見はないものの、道ゆく人の多くがマスクをしていた時期にも堂々とノーマスクで歩いていた人たちで、客観的に見ても顔の造作が平均点以上、自分でもそのことをよくわかっているタイプ。
人に自分の顔を見てもらえない世の中はありえず、ようやくノーマスクでも後ろ指を刺されなくなったことを喜んでいる。
11 自己肯定型ノーマスク派 “ナルシスト”系
推定人口比率 約3%
10とほぼ同じなのだが、実際には自分が思っているほど外見がいけていないにもかかわらず、自己肯定感のみが過剰になってしまったタイプ。
12 同調圧力屈服型ノーマスク派
推定人口比率 約3%
4〜5の「同調圧力屈服型マスク継続派」と似ているが、学校や職場など所属集団がノーマスクに傾いているため、自分ではまだマスクをつけておきたいと考えているにもかかわらず、同調圧力に屈服してマスクを外さざるを得なくなっている人たち。
番外 ノーマスク警察
推定人口比率 約0%
現時点ではまだ顕在化していないものの、新型コロナが世に蔓延し始めた頃に見られた“マスク警察”の鏡像的な人々が出てくるかもしれない。
特に「7意志強固型マスク継続派」の勢力が思いのほか強くなった場合、出現の可能性は高まる。
※※※
さて、皆さんはどこの派閥に属しているだろうか。
実際には人間はそう単純なものではなく、いくつかの傾向を併せ持つ複合タイプの人もいれば、ここに示されたどこにも属さない未知のタイプの人もいることだろう。
そのへんはまあ、最初に書いたとおりただのふざけたコラムなのでお許しください。
ちなみに僕は、明らかに「2 モラトリアム型マスク継続派・花粉症系」なので、まだしばらくはマスクがお友達。
原稿を締めにかかっている今も、目がかゆくてたまらない。
文/佐藤誠二朗
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