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〈ジジ活最前線〉ライブエロチャットにはまる高齢者たち「官能小説を互いに読みあう」「500万円以上使う60代も…」孤独な老人たちの精力溢れる老後の実態と55歳チャットレディの告白

集英社オンライン / 2023年3月23日 16時1分

ライブチャットは若者の文化、と思ったら大間違い。今時の高齢者は積極的にLINEでやりとりもするし、SNSで交流したりもする。もちろん、ライブチャットを利用して女性とPC上でコミュニケーションを楽しむ高齢男性も増えてきており、そのなかには、アダルトな内容が含まれることもある。60代〜80代の男性たちは、どんな楽しみ方をしているのだろうか。55歳のチャットレディと交流盛んな高齢男性の実態に迫る。

80代と思われる男性もハマるライブチャット

チャットレディはチャットルームやスタジオと呼ばれるオフィスの他、自宅などでライブ配信を行い、入室(ログイン)してきた男性と話をしたり、アダルトな内容の映像を見せることで報酬を得る仕事だ。



チャットレディの多くが20代の若い女性だが、人妻・熟女を専門にしているサイトも存在し、そこでは40代、50代、60代の熟女世代も活躍している。55歳のI美さんもそんなチャットレディのひとり。

「もともと介護系の仕事をしていて、知人が某チャットルームを立ち上げるということで声をかけられ、この仕事を始めました。始めた時点で50歳を超えていたので、需要なんてあるのかなと疑問に思っていたのですが、50〜60代どころか、時には80代と思われる男性も利用されているんですよね。

私の配信にログインしてくれる方の半数以上は50〜60代。残りが40代と70〜80代です。常連男性も3~4人いて、その方々は60~70代です」

チャットレディをするI美さん(55歳)

I美さんが所属するチャットスタジオを運営するアキラさんにも、チャットレディとユーザーの年齢層について聞いた。

「うちに在籍する女性はレギュラー(週1回以上の出勤)が約15名で、準レギュラー(月1回以上の出勤)が20〜30名です。平均年齢は45.8歳、最年長は63歳。7割が40〜50代だからメインの客層も自ずと40~70代、特に60代のユーザーが多くなっています」

ライブチャットというと若者の文化というイメージがあるかもしれない。また、パソコンユーザー世代である中年層が夢中になっているというのは想像できるが、実際にはチャットレディもユーザーも60代以上の高年齢層も存在している。

I美さんの常連客であるKさんという男性は、ここ半年ほどI美さんが出勤するたびに、毎回ログインするほどの入れ込みようだ。

「1回あたりのログイン時間は約30分と短いですが、1日に2〜3回もログインしにきてくれます。私の出勤日数が週に2〜3日。30分のログインだとユーザーが支払う金額は3000〜5000円なので、多いときで月10万円以上、私にお金を使っていることになりますね」(I美さん)

チャットに累計500万円使った60代男性も

Kさんは、プレゼントも月1〜2回送ってくるそうだ。

「私の所属するチャットサービスには商品を選んでチャットレディにプレゼントできるシステムがあって、これを利用して化粧品や香水、下着、大人のおもちゃを贈ってくれるお客さんが多いです。ですが、Kさんはある日、運営会社宛にご自分で購入したコスチューム風の水着を贈ってきたんです。私が『小さい頃に背が高くて、当時流行っていた“女子プロレスラーになったら?”とよく言われてた』と話したことがあったからかもしれません」

I美さんはプレゼントの水着を着てチャットに臨んだ。

「Kさんは絵を描くのが趣味なようで、その後も旅行先の風景画などが贈られてくることもありました。『お気持ちだけでうれしいので大丈夫ですよ』とお伝えしても、絵のデータがどんどん送られてくるんです……苦笑」(I美さん)

I美さんはこのチャットルームで高齢者たちとチャットをする

プレゼントを受け取った後には、Kさんから感想を求められるのだが、

「『すごい上手ですね。プロみたい!!』などと褒めてあげるとすごく喜ぶんです。60代、70代の男性は『話を聞いてほしい』という方が多いですね。素敵ですね、カッコいいなどと褒めるとすごく嬉しそうにしますよ」

褒められるとKさんは無邪気に喜び、そして満足そうな表情を浮かべるという。Kさんは、ネット上に恋人がいるという感覚でいるのだ。

カメラに映るKさんの自宅の背景から察するに一軒家に住んでいて、いつでもチャットに繋げられる環境や散らかった部屋を見るに、「離婚か死別かはわからないけど、おそらく一人暮らし」だとI美さんはいう。独りで過ごす寂しさを癒すために、余りある時間の一部をKさんはライブチャットに没頭して費やすことを選んだようだ。

だが、彼がユーザーの中で特別お金を持っているのかといえば、そんなことはない。

このチャットサービスは、ユーザーがステージでいくら使ったかがわかるシステムになっており、高齢者ユーザーには遊ぶお金もそれなりに自由がきく経済力をもつ人も少なくないという。中には「累計で500万円以上も使っている60代男性もいますよ」(前出・アキラさん)とのこと。

I美さんも「『もうポイントがなくなってしまうから、しばらく会いに来られない』とカツカツの予算を振り絞ってチャットをする人もいますが、画面に映るお部屋などを見ていると大半の方はお金も時間も余裕があるタイプに見える」と話す。

高齢者たちのエロチャット事情

課金額に差はあれど、いずれも安くはない金額を投じている。それだけに、チャットレディにハマる高齢者たちは会話やチャットだけで満足できているのか。

ちなみに、チャットレディは相手男性とのトークだけではなく、時にはセクシーな格好になったり、下着や裸を見せたりして、相手男性の自慰を促すサービスをすることもあるという。しかし、高齢の利用者はもはや”その気”も起きないのだろうか。

「Kさんは以前、男性機能が使えないといった話をしていたことがありましたが、50〜60代の方は元気ですよ。イチャイチャトークを楽しんだ後に私の裸を見て、自慰をしてスッキリしてからログアウトしていきます。ところが、70代になると多くの方は男性機能に変化があるのかもしれません。そういうことを求める方がガクッと減ります。

とある70代前半の常連男性は、メールで官能小説の台本を送ってきて、それを『お互いで読み合わせたい』なんてリクエストをよくしてくるのですが、私の裸を見ることもなく、自慰行為もしません。性的な妄想を一緒に演じるだけで満足するようなのです。他には、手首を縛って見せて欲しいという方もいました。ややフェティッシュな性的妄想を現実にやってもらえるだけで満足されるみたいです」(I美さん)

I美さんは読み合わせる官能小説のストーリーに合わせて着る衣装も工夫する

アキラさんはライブチャットをする高齢者たちの性事情についてこう説明する。

「30〜40代の男性だと、お酒を飲みながらおしゃべりをしてからすぐにアダルト行為に入るパターンが多いですね。そのくらい若い男性だと1回のログインで2、3回自慰行為をする人もいます。ただし、60歳以上になるとお酒を飲みながらやるケースはあまり聞きません。自慰行為も1回が精いっぱいのようです。年齢によって楽しみ方に違いがあると所属の女性が話してくれます」

Shutterstockより

60歳を超えてもなお、インターネットを使いこなし、ライブチャットで女性との会話やセクシーな時間を求めている人たちがたくさんいる。それは、ライブチャットを1つの居場所として求めている人もいるということだろう
そこには、リアルではなかなか出会えないが、ネットでお金を払えば、確実に優しく接してくれる女性がいる。
I美さんは述懐する。

「チャットレディの仕事を始める前に働いていた介護施設の夜勤で、各お部屋をまわってお布団を直していると、ペニスどころか足も立たないようなおじいちゃんが私の手首をぎゅっと握って、ベッドに引き込もうとしてきたことがありました。他にも、おじいちゃんと一緒に景色を眺めていたら、愛撫のように手を撫でられたりね。そんなことがしょっちゅうありましたよ」

異性を求める気持ちに、年齢は関係ない。ただし、年齢を重ねると、行動範囲が狭くなることもある。そんな時に、アダルトチャットは単なる性欲を満たすだけのものではなく、寂しさを癒すコミュニケーションツールとしても成り立っているのかもしれない。

取材・文/中山美里
集英社オンライン編集部ニュース班

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