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〈祝・侍ジャパン世界一!!〉渋谷の街は“無風”と思いきや…大盛況スポーツバーに潜入レポ「桜も満開、WBCも世界一。日本がパッと明るくなった気分」「午後からの仕事もがんばれそう」グシャグシャの号外を歓喜して読む姿も

集英社オンライン / 2023年3月22日 19時5分

WBCで侍ジャパンが世界一を奪還! そのとき、W杯の祝勝ではお祭り騒ぎとなる渋谷はどうなっていたのか。サッカーと野球、盛り上がり方はどう違う…? 号外が配られた新橋の様子もリポート。

スポーツバーには店内からあふれ出るほどのファン

侍ジャパン初の日系メジャーリーガー、ラーズ・ヌートバーが東京ラウンドを盛り上げ、舞台をアメリカ・マイアミに移して行われた準決勝メキシコ戦では、不振にあえぐ村上宗隆が劇的な逆転サヨナラ打。そして、22日の決勝アメリカ戦では、二刀流・大谷翔平がストッパーとして最終回のマウンドへ。“キャプテン・アメリカ”、マイク・トラウトから三振を奪い、14年ぶりの歓喜の瞬間が訪れた。

ドラマや漫画だったとしても出来すぎな筋書きで締めくくられた第5回WBC。しかし、祝日だった準決勝と違って、決勝のプレイボールは平日の朝8時すぎ。仕事が重なって観戦ができない人の嘆きがSNSにあふれていた。


では、サッカーW杯の祝勝やハロウィンなどで注目される“バカ騒ぎの聖地”、東京・渋谷はこの日どうだったのか。集英社オンライン取材班が潜入した。

試合中の渋谷スクランブル交差点の様子

まずは街なか。試合中は静かで、W杯と違って規制する警察の姿は見当たらない。また、今回のWBCはカタールW杯の時のAbemaTVのようにネットで無料公開していなかったせいか、街でスマホ観戦する人も多くはなく、時間帯もあってか座り込んでゆっくり見てる人もほとんど見かけなかった。
しかし、センター街のスポーツバー「HERO」を覗いてみると、客席は満席。立ち見客どころか店の出入り口まで人が溢れるほどの大盛況だ。

盛り上がるスポーツバーの店内

「普段、この時間は営業していませんが、今日はWBCの決勝ということで特別に朝6時から開けています。お客さんの数? 100人は超えていると思います」(「HERO」スタッフ)

試合はホームランの打ち合いで3対2に。日本が1点リードして迎えた9回表、大谷翔平がマウンドに上がる。先頭打者に四球で出塁を許すも次打者のベッツを見事、セカンドゴロ併殺打に切って取る。スポーツバーでも大歓声が巻き起こり、どこからともなく“あと1人”コールが。

大谷投手の投球を見守るファンたち

コールは“あと1球”に変わり、そして、大谷の140キロのスライダーをトラウトが空振りした瞬間、店内はこの日一番の熱気となった。
大谷、村上、さらに、この日の先発投手、今永昇太の名前がコールされるなど、興奮のるつぼ状態は5分以上続いていた。
このスポーツバーで試合を見届けたファンたちに話を聞いた。

「午後からの仕事もがんばれそう」

「試合開始後くらいに来たんですけど、もうすでに人はいっぱいだったから立ち見でした。それでもこの熱量で見れるんだったら来た甲斐がありました。
1番印象に残ってるのは9回のゲッツーですね。まるでドラマを見てるかのような気持ちになりました。日本人、最高です」(20歳・男子大学生2人組)

勝利の瞬間はこの日一番の盛り上がり

「自分はそんなに普段から野球を応援してるわけじゃないんですけど、世界一がかかってますからね。今日は有給を取って見に来て本当によかったです。
みんなで一喜一憂して盛り上がって、日本が優勝した瞬間の歓声のすごさは最高の思い出になりました。日本代表たちには感謝しかないです」(26歳男性・会社員)

「午前休を取って観戦に来ました。これから会社に向かうんですけど、日本が優勝してくれたおかげで午後からの仕事もがんばれそうです。一番印象に残ってるのは応援してる村上選手がホームランを打ってくれたこと。気持ちいいくらいのホームランで、流れを変えてくれたと思います」(24歳女性・会社員)

WBCは球団の垣根を越える

この女性は最後まで観戦できたが、観戦中、泣く泣く職場へ向かわなければいけない人もいた。そんな人に向けて “がんばれ”コールで送り出す温かな光景も広がった。

試合終了後は、平日の昼間ということで、そのまま居座る人は少なく、みんな足早に退店。スタッフの片付けもはかどっているようだった。

サッカーW杯の時と違って…

街角のほうも、W杯で日本代表が勝利した時のようなスクランブル交差点でのハイタッチなどはなく、おおむねいつも通りの渋谷といった雰囲気だ。だが、一部、興奮が冷めやらない様子のファンの姿も。
話を聞いてみると……。

「今日はスポーツバーに朝6時から入っていい席を確保して見ました、試合前から店内はパンパンに混んでたんで朝早く来て良かったです。
1番感動した瞬間はダルビッシュ選手が相手に打たれた時に、お客さんたちから『まだまだ!』『これから!』『全然大丈夫だよ!』という声が上がっていて……。野球に詳しくない人もいたと思うんですけど、それでもみんな一体になって応援してることを感じられて、感動して泣きそうになりました」(22歳・男子大学生5人組)

日の丸のフェイスペイントで一体感

「渋谷ならWBCもなおさら盛り上がれると思ったので、昨日の夜中に夜行バスで奈良を出発して、6時くらいから渋谷のカラオケに入って、そこで観戦してました。
僕らが一番盛り上がったのは最後の大谷対トラウト。本当に漫画の世界のような緊張の戦いでした。
W杯に比べたら街の盛り上がりも人の数もそんなでもないかもしれませんが、テレビの取材とかもいっぱいいて、そういう人と話をして盛り上がれるので、来た甲斐がありました」(18歳・男子高校生6人組)

奈良から夜行バスで来たという6人組の高校生

街は落ち着きを保っていたことで、普段起こりがちな騒動や弊害も起こらなかったようだ。渋谷駅近辺に店舗を構えるお店のスタッフはこう話す。

トラウトから三振を奪い世界一に

「W杯に比べて迷惑な酔っ払いやゴミが散乱するようなことはありませんでした。
ただ、試合終了後にマークシティの下で読売新聞が号外を配っていて、その時だけすごい人が群がってました。カメラもいましたし、3〜40人は集まってたんじゃないでしょうか。
応援グッズを持っているようなファンもいれば、通りすがりの人も号外をもらおうとしてました。人混みのせいで号外がグシャグシャになってる人もいましたが、喜んで読んでましたよ」(30代男性・駅前の薬局店員)

「急な風邪をひいてしまい会社を休みました(笑)」

野球関連の号外がよく配られる場所といえば、サラリーマンの街、新橋。試合終了の1時間後に行ってみると、こちらもかなりの人だかり。号外を手に入れるため、サラリーマンを中心とした人々が100人近く、数十メートルに渡って列をつくっていた。また、その熱狂の様子を伝えようと多くのメディアの姿も。

号外を求めて列をつくる人々

交通整理にあたっていた警察官によると、「12時過ぎくらいから、号外の影響で人が集まっているということで、急遽、出動することになりました」とのことだった。号外を受け取った人の声も拾ってみた。

「オフィスにテレビがあるのに、昼休み以外はつけてはいけない決まりなので、私は仕事をしながらスマホの一球速報で経過を確認してました。同僚も『テレビで見たい』と言ってましたが、心なしかオフィスの人が少なかった。休んでる人もいるし、みんな外回りとかいってどこがで観戦してたのかもしれません。
昨日のメキシコ戦は最初から最後までずっと見てました。普段、野球は少し見るくらい。サッカーもそうですが、国際大会だと熱の入り方が違います。今年はラグビーやバスケのW杯もあるので楽しみ。日の丸が大好きですから。
新橋なら号外がもらえるだろうと、昼休みに上野の職場から来たのですが、上野公園の桜も満開で、WBCも世界一。日本がパッと明るくなった気分です」(50代男性・建設業)

「日本がパッと明るくなった気分です」

「もともと休みだった人も1人いますが、あとの4人は急に風邪をひいてしまって会社を休みました(笑)。
今日は元プロ野球選手の小田(幸平)さんがプロデュースしているGood『A』というスポーツバーで観戦してました。
今日のMVP? それはムズイ質問ですね。でもこれだけの選手たちをまとめた栗山監督じゃないでしょうか」(20代・社会人5人組)

「MVPは栗山監督です!」

号外2000部は20分で配布終了

号外をもらっていたのはサラリーマンだけではない。

「普段、野球は日本シリーズとかを見るくらいです。今は春休み中で、本当はみんなでテレビで見ようとしてたけど、街頭で見られないかなと思って千葉から東京に来ました。街頭中継は見られなかったので、電車の中などで一球速報を見てました。
新橋で号外を配ることを知ってたので来ました。MVPはもちろん大谷翔平です」(14歳・男子中学生4人組)

「MVPはもちろん大谷翔平です」

このように号外目当てに新橋の来る人は多く、「今回は新橋のほか、東京、有楽町、信濃町でも各2000部ほど用意しました。新橋では20分ほどですべてを配り終えました」(号外を配布していたスポニチのスタッフ)とのこと。

スポニチの号外が配布を終了してしばらくすると、今度はスポーツ報知の号外が配られ始める。すると、落ち着いていたSL広場に再びの人だかりが。

別の新聞社が号外を配り始めると、再び長い列が発生

W杯時の盛り上がりとは少し質が違うようだが、WBCも間違いなく国民的行事になっている。早くも3年後の次回大会が待ち遠しい。

取材・文/武松佑季
集英社オンライン編集部ニュース班

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