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有言実行の男、堂安律が決意表明。「日本サッカーを背負えるのは俺しかいない。国民のみなさんにまだ見たことのない景色を見せたい。だから、俺についてきてほしい」

集英社オンライン / 2023年3月28日 17時1分

2026年W杯へ向けて、森保JAPANがいよいよ再始動だ。カタールW杯でドイツ、スペイン相手に劇的弾を叩き込んだ堂安律が、日本代表への思いや自身の生き様を赤裸々に語り明かす。(「週刊ヤングジャンプ」No.17掲載「『カテナチオ』第1巻発売記念&堂安律初書籍『俺しかいない』刊行記念特集」より)

絶対的なエースとしてプレーで突き抜ける

――カタールW杯が終わってから所属クラブでの日常に戻りましたが、この3か月はどのように過ごしていましたか?

堂安 改めてW杯の影響力の大きさを知りました。あの激闘で得た自信、深く刻まれた悔しさが自分を成長させてくれたんだな、と実感しましたね。明らかにプレーの質、メンタリティーが向上しているという自覚があります。



心も体も研ぎ澄まされている感覚があって、練習も試合もミーティングもすべてが楽しい状態。つらい地味な練習もワクワクしながらやれています。「これが一番成長するときなんだろうな」という実感があるというか。でも、浮かれてはいません。今、ここで調子に乗ったら、現役が終わったときに絶対後悔してしまうと思うので。

――サッカー人生で初めてのW杯を経験し、強く感じたことはありますか?

堂安 (吉田)麻也君や(長友)佑都君のような選手が一番信頼されるし、価値のある選手だと思い知らされましたね。やっぱりどれだけ個人技があっても、周りにポジティブな影響を与えられないなら意味がないですから。

まさにアルゼンチンを優勝に導いたメッシの立ち振る舞いがそう。もちろん、メッシ自身が世界最高の選手であることは言うまでもないけど、カタールW杯では、彼の存在がチームメイトに勇気を与え、アルゼンチンを奮い立たせていました。

チームメイトの能力まで引き上げる、強くてたくましいスペシャルな存在でした。小さい頃から憧れ続けたひとりのファンとして、今までと違うメッシの姿を見ることができてうれしかったです。

――カタールW杯で見せたメッシのような姿が理想の選手像なのでしょうか?

堂安 そうですね。チームに安心感を与える存在が俺の理想の選手像です。やっぱり大事なときにゴールを決められるかどうか。「結局、あいつが決める」と誰もが思う選手こそ、チームのド中心。絶対的なエースとしてプレーで突き抜けられれば、自然と周りがついてくるはずです。

いろんなカタチのリーダーがいるけど、共通しているのは、「この人についてきたい」「この人の背中を見たら頑張れる」「この人の言動で雰囲気がガラッと変わる」と思われる存在であること。オン・ザ・ピッチだけでなく、オフ・ザ・ピッチも含めて、周りに影響を与えられるかどうか。

麻也君も佑都君もそういう素質を持っています。チームに対する影響力や、国民のみなさんに対する恩返しの気持ちの強さといった大事なものを、これまで誰よりも近くで見させてもらってきた。麻也くんのような頼もしい言動、佑都くんのようなチームを鼓舞する盛り上げ方が俺にできるかはわからないし、マネをするつもりもないです。俺は俺のやり方で日本代表の絶対的な存在になります。

――「日本代表のキャプテンをやりたい」とも発言されていました。現在の心境はいかがでしょうか?

堂安 これまで俺は「背番号10を背負いたい。エースになりたい」と言い続けてきたけど、今はそれ以上の存在になりたいですね。「日本代表を背負えるのは俺しかいない」「俺の力が必要だ」と本気で思っていますから。

俺は気持ちが強いし、夢もたくさんあるからこそ、そういう選手が背負わなきゃいけない。「堂安、頼むよ」とみんなに言ってもらえる存在になりたいし、それはつまり、日本のエースであり、リーダーになるということ。

そのためなら、チームメイトに嫌われてもいいです。年齢は関係ない。下を向いている先輩がいれば俺が巻き込んでいくし、苦しいときに仲間を引っ張れる存在になりたい。サッカー選手としてだけではなく、ここからさらにひとりの人間として成長していきたいです。その覚悟はもうできています。

堂安律という生き様と、夢への決意を伝えたい

堂安律『俺しかいない』(集英社)大好評発売中。挫折や葛藤を乗り越えて揺るぎない自信を身に付け、W杯という夢舞台で圧倒的な輝きを放つまでの軌跡を克明に記した待望の初書籍。

――日本代表が次のW杯に向けて再始動するこのタイミングで、初書籍『俺しかいない』を発売されました。この書籍にはどんな思いが込められているのでしょうか?

堂安 堂安律という生き様と、これからも夢に向かって突き進み続ける俺の決意を伝えたくて、この本を出しました。そもそも成功者としてではなく、挑戦者として出す本なので、ここに成功体験は書かれていません。

正直、ファンやサポーターが見てくれているものと、自分が感じている現実にはギャップがあります。小さいころからエリートだったとか、なんの壁にもぶつからずにW杯で活躍したとか思われがちですけど、たくさん葛藤して悩み抜いてきたし、決して順風満帆の人生ではなかったです。

俺は生まれながらの天才なんかじゃないし、常に、誰かしら上の存在がいる環境に身を置いてきました。人一倍、悩むことが多いし、表には出さないけど、不安でビビることもある。心のなかではいつも弱い自分と葛藤しています。

でも、下を向いたことは、ただの一度もありません。どんな逆境でも、野心と反骨心を燃えたぎらせ、夢のために、自分を誰よりも信じて生きてきました。

堂安律というひとりの人間がどうやって人生を歩んできたのか――。

この本を読んでもらった人には、ありのままの俺を知ってもらいたいし、「堂安ってこんな人間なんだ」「そんなことを考えていたんだ」と感じてもらえたらうれしいです。すでに夢を見つけた人も、まだ夢を探している途中の人も、今を本気で生きている人ならば、きっと共感してもらえると信じています。

攻撃的な選手として“嫌なDF”とは?

――3月17日にコミックス第1巻が発売となったマンガ『カテナチオ』はDFが主人公の物語ですが、堂安選手にとって、今まで対戦して一番嫌だったDFは誰ですか?

堂安 バイエルン・ミュンヘンのアルフォンソ・デイヴィスですね。ただ単にスピードがあるだけじゃなく、ポジション取りが上手い。速いだけなら対処できるけど、背後に抜け出すタイミングもめちゃくちゃ上手いから厄介です。

高いポジションを取ることによって、対面するウイングの選手を押し下げ、攻撃させないようにしてきます。たとえカウンターを食らっても、自分の足の速さをわかっているから、全然間に合うと考えているんでしょうね。

――足の速い選手はやはり対応しにくいのでしょうか?

堂安 俺は縦に勝負するタイプのウイングではないから、足の速いサイドバックは本来、そこまで困らないんですけどね。タイミングさえズラすことができれば、カットインで中に入っていけるので。でも、デイヴィスだけは異常ですね。速いやつはいっぱいいるけど、あれほど速いやつは今まで対戦したことがなかった。身体能力が異次元です。

――では、堂安選手がいい選手だと思うセンターバックは誰でしょうか?

堂安 冨安(健洋)ですね。同い年で13歳くらいから一緒にやっているけど、いい選手だと思います。

今、フライブルクで一緒にプレーしているフィリップ・リーンハートもいい。無理がきいて、前でガツンとボールを奪いに行ける選手。頼もしいです。

あと、見ていていい選手だなと思うのはナポリのキム・ミンジェ。ひとつのプレーに集中していてサボらないし、こまめに動いてロングボールも処理できるし、ポジショニングもうまいし、ボールも持てる。冨安みたいなタイプですね。ポカがないし、フィジカルが強くてビルドアップもできる。いい選手です。

――攻撃的な選手として、そういうDFは嫌ですか?

堂安 「どこかでポカをするかもしれない」と感じるDFを相手にする時はモチベーションが上がりますね。そういう一瞬が試合中にもあるかもしれないので。逆に「この選手は絶対にやらかさへん」と感じる相手はやりにくいです。

普通の選手はすぐに外へクリアしようとする場面でも、ちょっと頑張ってGKに戻して繋げたり、ロングボールをヘディングで大きくクリアするのではなく、中盤の選手にちょこんと預けたり、そうやって落ち着いてマイボールにできる選手は手強いです。

――ちなみに、今まで一緒にコンビを組んだことのある右サイドバックで印象に残っている選手はいますか?

堂安 フローニンゲン時代に組んだゼーファイクですね。俺のことを信頼してくれていたから余計なことをしないし、やりやすかったです。

日本代表で最初にコンビを組んだ酒井宏樹君もすごくやりやすかったですね。あとカタールW杯でウイングバックをやった伊東純也君とも相性が良かったです。いつもサイドに張ってくれているから、困ったら見ずにパスを出せるくらい安心感がありました。

――最後に、日本代表を応援するサッカーファンに向けて、メッセージをお願いします。

堂安 日本国民全員が認める絶対的で圧倒的な日本代表の中心に、俺はなります。次のW杯で新しい景色を見るためなら、どれだけつらくてもいいと思える覚悟ができましたから。日本代表に対する期待も、俺に対する期待も今まで以上に大きくなっているのは感じるけど、それが重圧にはなっていません。

国民のみなさんにはプレッシャーをかけ続けてほしいです。これまで以上に注目してもらいたいし、ダメなときには遠慮なく、批判してほしい。それも全部、自分の力にして、ここからさらにもうワンランク、ツーランク上の選手になってみせます。日本代表がまだ見たことのない景色を見せたい。だから、俺についてきてほしいです。

森本大輔『カテナチオ』(ヤングジャンプコミックス)第1巻大好評発売中。東條高校サッカー部に所属する嵐木八咫郎の夢は世界最高峰の舞台、欧州の頂点に立つこと。高校3年の最後の試合、夢への第1歩、プロ入りを目指しスカウトの目に留まるため奮闘をするが…。勝利への執念が紡ぐ焦熱フットボール譚キックオフ!!

撮影/HIRO KIMURA
スタイリング/松下洋介
ヘア&メイク/吉村健

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