「ロードショー」休刊の知らせは読者のみならず、出版・映画業界に大きな衝撃を与えた。だが、実は当の編集者にとっても同様だったようだ。2008年11月21日に刊行された2009年1月号が「ロードショー」最後の号となるが、編集者たちがその通告を受けたのは半年ほど前だったという。
インターネットの発達に雑誌不況、スターや人気映画の不在など悪条件が重なり、部数は低下していた。それでも、「ロードショー」を支える編集者たちの志気は落ちていなかった。数十年続く老舗雑誌があっけなく終わるはずがない、洋画が再び元気を取り戻す日がやってくると信じていた。実際、内々ではデザインの大胆なリニューアルが検討されていたという。
だが、編集長から突如休刊を告げられ、読者より一足先にどん底に突き落とされることになる。
編集部に悲しみと感傷にひたっている余裕はなかった。なにしろ雑誌作りにはたくさんの人が関わっている。歴史が長いからお世話になった人の数も膨大だ。これまで支えてくれた人たちに向かって、気の重い報告をしなくてはならない。
本業の雑誌作りも忘れてはいけない。すぐに最終号の内容に関する会議が行われ、通常号と並行して数か月をかけて準備が進められていったという。