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4月1日から自転車のヘルメット着用努力義務化スタート。被る? 被らない? 手軽なヘルメットはないの?

集英社オンライン / 2023年4月6日 11時1分

2023年4月1日から法改正により、これまで13歳未満の子どもが対象だったのが、自転車を乗る人全てにヘルメット着用が努力義務化になる。普通に近所に買い物、子どもの送り迎えなどで自転車を使用している人はどんなヘルメットを選べばいいのか。スポーツ系からシティ系まで100以上の種類の自転車用ヘルメットの商品開発・製造、販売する株式会社オージーケーカブトの広報チーム柿山昌範さんに伺った。

ヘルメット非着用は着用と比較して約2.3倍の致死率

4月1日から、自転車に乗る際はヘルメット着用が努力義務化された。背景には自転車による痛ましい事故が多いことがある。警視庁のホームページによると、自転車事故で死亡した人の約7割(※)が、頭部に致命傷を負っているというデータがある。



また東京都内の平成30年~令和4年までのヘルメット着用状況別の致死率は、非着用は着用の約2.3倍となっていて、ヘルメット着用は頭部、ひいては命を守ることにつながっている。

だが、記者が約45分ほど都内の比較的自転車が多い交差点で観察していても、見かけた50人中、ヘルメットを着用していたのはわずか3人だった。子どもを保育所に迎えに行ったと思われる親も、近所へ買い物に行くとおぼしき高齢者も、自転車移動のフードデリバリーも着用していない。

(※)平成30年から令和4年までの東京都内における自転車乗用中死者の損傷部位の割合
参照:https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/helmet.html

大人はほぼノーヘルの人が多い。写真はイメージ

今後、自転車のヘルメット着用は普及していくのだろうか? 自転車用ヘルメットの商品開発、製造を手掛ける株式会社オージーケーカブトの広報チーム、柿山昌範さんが言う。

「今年に入って、急に問い合わせが多くなり、3月の初めには製造、納期が追いつかないくらいご注文をいただいています。やはり警視庁や報道がヘルメット着用努力義務化の広報に力をいれるようになってから一気に増えた印象です。スポーツタイプよりも通勤や通学に使いやすいシティタイプのものが売れています」

季節柄、新生活に向けて自転車を購入する人も多いため、それに合わせてヘルメットを仕入れ、陳列するショップも多くなっているようだ。

ヘルメット選びのポイントは安全性とサイズ感

だが、ヘルメットを着用するほうが安全とわかっていても、ちょっとそこまで行くのにスポーツタイプのヘルメットはなんとなく被りにくい…。初めて自転車用ヘルメットを購入する場合は、どんなところに気をつければいいのだろうか?

「ヘルメットを選ぶ基準は、軽さや通気性、デザインなどいろいろありますが、必ずチェックいただきたいのが安全性です。『自転車ヘルメット』として一定の基準をクリアした証しとなるマークがあるかどうか確認しましょう。そのひとつ『SG』マークは一般財団法人製品安全協会が定めた認定基準に合格した製品のみに与えられていて、安全性が保証されています。

また、SGマークのほかに日本自転車競技連盟(JCF)の安全基準に合格したJCF公認シールが貼られた製品や、海外メーカー製品の場合は、EU加盟国の基準を満たしたCEマークやアメリカ合衆国消費者安全委員会の安全基準をクリアした製品に与えられるCPSCマークを確認しましょう」(柿山さん)

安全性の次に重視しないといけないのがサイズと内部形状だ。

「ヘルメットは大きすぎると転倒したときに、脱落する恐れがありますし、小さいと圧迫感があり痛みや不快に感じることがありますので、試着して頭部にぴったり合うサイズを選んでいただきたいです。

また人によりますが、一般的にアジア人は欧米人に比べて、頭部は円形に近く側頭部が張り出しているのが特徴です。欧米ブランドの中には違和感を覚える場合も。緩すぎず、窮屈さを感じず、しっかり頭頂部まで被れているかがポイントになります」(柿山さん)

サイズに迷うときはショップのスタッフに相談を。
写真協力:株式会社オージーケーカブト(写真はスクードL2)

カジュアルデザインの帽子を被せたタイプが登場

自転車での走行時の安全を確保するためには、ヘルメットを着用すべきというのはよくわかったが、実際気軽に取り入れやすいものはないのだろうか?

「通勤、通学に使いたい人や高齢者に人気なのがヘルメットに専用の帽子を被せたタイプです。特に昨年末に発売したキャップタイプは女性にも人気ですね。

見た目は帽子なので、いろんなタイプの自転車にも合わせやすいと思います。大きめのツバで日差しをしっかりガードし、視野を妨げない角度で設計されています。夜間のお出かけにも安心なリフレクター素材です。男女どちらでも違和感なくかぶれることで、イベント等で展示すると注目度が高いですね」(柿山さん)

写真協力:株式会社オージーケーカブト(写真はリベロ)

「その他にも女性や高齢者に注目されているのがリボンが着いた帽子タイプのヘルメットです。リボンはデザインのアクセントだけでなく、ツバの跳ね上げ構造になっていて、走行時のばたつきを抑え視認性を確保しています。これなら被れそうと高齢者の方にも好評でした。2019年くらいから製造していましたが、ここにきてさらに需要が高まっています」(柿山さん)

写真協力:株式会社オージーケーカブト(写真はシクレ)

「ヘルメットといってもさまざまな種類があります。こういった帽子を被せたタイプで安全基準を満たした商品があることを知っていただき、普段着に合わせて着用いただければと思っています」
(柿山さん)

自転車は手軽な乗り物で、車やバイクに比べて油断しがちだが、転倒などして頭部に損傷を受けると、死亡に至ることも。ヘルメットの着用はあくまでもその人の努力にゆだねられるが、ヘルメット着用によって頭部をカバーし、命が守られるということは間違いない。


取材・文/百田なつき

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