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「“アナウンサーなのに”という批判をもらうことは想定の範囲内」だけど「恥ずかしいと逃げることも失礼」日本テレビのアパレル事業、Audire。岩本乃蒼アナが後輩アナに伝えていること

集英社オンライン / 2023年4月8日 10時1分

日本テレビのアパレル事業Audire、発案者である郡司恭子アナの心強い戦友だという岩本アナは、自身や会社に向けられる批判も覚悟の上での挑戦だと語る。

アナウンス部がビジネスに挑戦し収益をあげる?

──「Audire(アウディーレ)」の提案者である郡司恭子アナウンサーは、岩本さんのことを心強い戦友だとおっしゃっていました。岩本さんにとって郡司アナは?

私が入社した当時から、一つ年上のオシャレなお姉さんですね。

アナウンサーがスタジオで番組に出演する際、衣装は基本的にスタイリストさんが選んでくださるのですが、突発的な事件事故や訃報など、状況に応じて自分たちで華美でないものを選ぶことも。



そういう身なりの整え方や立ち居振る舞いに明確なルールがあるわけではなく、先輩から脈々と引き継がれてきたものだと思っていて。

私にとってすぐ上の先輩は郡司さんだったので、そういった細かな気遣いや配慮ができて、なおかつ、センス良く教えてくれる大好きな先輩です。

──では、郡司アナがAudireを提案されたことについては?

すごく自然なことに感じました。アナウンサーの仕事を理解した上で、TPOに合わせて洋服を選べるファッショニスタですから。郡司さんが意欲的に企画書を提案したことは知っていましたし、目指す方向はとても理解できました。

テレビは広告で収益を得ている事業形態なので、私たちアナウンサー自身が直接お金を生み出す業務というのはほとんどありませんでした。ですが、これからはそこにとらわれず、1人のビジネスマンとして会社に関わっていかなければいけない。

もちろん、収益をあげることがすべてではないし、テレビの中での活躍があった上で+αのこうした事業が成功していけば、アナウンサーそれぞれの仕事の幅も広がるだろうなと思い、ぜひ手伝わせてほしいとお願いしました。

──それはいつ頃のことですか?

初めて参加したデザイン会議が4月だったので、ちょうど1年前ですね。

企画が通り、アナウンス部全体で事業を盛り上げていこうという気運になるまでの数ヶ月は、郡司さん自身の熱量が事業を前に進めていたと思うんです。

本格的に携わるようになる前は1人の友人として相談に乗っていた感覚でしたね。

商品をより良く見せるためのスキルは必要

──実際にはどのようなサポートを?

私は洋服は好きですが詳しくはないし、アイデアマンではないので、いろんなアナウンサーから生まれたアイデアの実現にむけバックアップしています。

立ち上げ時にはアナウンス部のスケジュールを見て、どのメンバーが参加できるかを確認して声をかけたり。

ローンチ後は、どんなSNS展開をすれば多くの人に見てもらえるか、そして外部のメディアに取り上げてもらうことができるのかなどPRを考えたり、リリースの文言チェックなども携わらせてもらっています。

──実際の商品には関わっていますか?

今日着ているジレは、私がほしいと提案した商品です。報道番組を担当していると、その日起きた様々なニュースの現場に駆け付けますので、華美だったりカジュアルすぎたりする服は普段から避けるようにしています。

もちろんジャケットの用意もしていますが、毎日ジャケットだと窮屈に感じるときも…。

でもジレならば、仕事でのきちんと感とおしゃれで、肩の力が入りすぎない抜け感も1着で演出できる。すごく今の私の働き方にマッチしていると思ったんです。

──デザインのこだわりは?

休日にヒールを履いても、デニムとスニーカーに合わせてもバランスが取れるように、いろんな身長のアナウンサーに着てもらって丈感を決めました。

胸元が開きすぎているとインナーを選びますし、ボタンを開けても閉めても綺麗なシルエットが保てるように、デザイナーさんやパタンナーさんとかなり相談をしました。

そしてポケットの位置も、高めにして腰高に見えるように。気に入って購入してもらうものですから、スタイルアップはマストですよね!

──岩本さんといえば、大学生時代にノンノの専属モデルとしても活動されていました。当時の経験は生きていますか?

先日初めてルックの撮影に参加したのですが、10年以上前とはいえ、モデル経験があった分、カメラの前でポーズをとることのハードルは低かった…かもしれません。

アナウンサーの仕事をしていると、スチール撮影ってどうしても照れくさかったりするんです。でも、せっかく作った商品をよりよく見せるために着用モデルを務めるのであれば、必要な表現方法だと。

いい番組をつくるためにナレーションやリポートの練習をするのと一緒で、Audireの仕事においては商品をより魅力的に見せるために必要なスキルなんだと感じています。

撮影のときに「ちょっと服を振ってみよう」、「目線をこっち~」と、後輩たちにアドバイスをしちゃったこともありますが、学生時代に「ノンノ」で仕事をさせていただいた経験は、ここでも役立っています。

恥ずかしいと逃げることは失礼

──当時の思い出は?

編集長から、勉強のために「先輩モデルの撮影を見に行きなさい」と言われましたね。当時は佐々木希さんや桐谷美玲さんをはじめ、本当に麗しい女性たちに囲まれて夢のような時間でした。

もう10年も前のことですが、モデルのみなさんがストイックに仕事されている現場を間近で見てきた経験があるからこそ、その難しさも理解しています。

Audireの事業に関しても、少なからず「アナウンサーなのにモデルみたいなことをして」という批判をもらうことは承知の上で走り出しています。

でも、この世界で挑戦することを、すでに私たちは決めてしまった。会社の稟議も通っているわけです。「アナウンサーらしくないことはしたくない」という弱音はこの事業においてはもう通用しないですし、「恥ずかしい」とスカして逃げてしまったら、本業でやっている方々にとても失礼だと思うんです。

同じことはできなくても、自分たちなりに商品の魅力を伝える表現方法は、アナウンサーの枠にとらわれずにチャレンジするべきだし、学ぶべきだと思いました。

──かっこいいです! 周囲の方からの反響は?

妹がファッション好きなので、彼女の存在は大きくて。どういう服が欲しいか、どのくらいの値段なら購入するか、チューニングを合わせていくために等身大の20代女性の意見をたくさん聞きました。

ファーストシーズンのスカートや、太いタイと細いタイを気分によって使い分けられる、今期のブラウスも着てくれています。

タイを通すベルトに手持ちのスカーフを入れて着回すなど「そうそう、こうやって働く女性に着てもらいたかったの!」というスタイリングを体現してくれています。

──岩本さん発案のジレは?

私が持っているジレは買わなかったみたいです(笑)。と、いうのも妹とは背格好がほぼ同じで、洋服をシェアすることもしばしば。着たいときにはお互いに貸し借りします!

ロケ取材に行くときは私服なのですが、「この前のスタイリング変だったよ」とオンエアを見て厳しいチェックが入ることも。ありがたい意見ですね…(笑)。

本当はミニマリストになりたいけど、自然と洋服が増えてしまう職業ではありますね。

だからこそ、着回しができることはすごく重要。私たちがAudireに込めた思いは、きっと働く女性に共感していただけると願っています。

取材・文/松山梢 撮影/猪原悠 ヘア&メイク/尾古夢月

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