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「テレビを見たから助かった、という人ができるだけいてほしい」日本テレビ・岩本乃蒼アナウンサーが「news zero」を卒業、会社を休職して学ぶ「防災の修士課程」とは

集英社オンライン / 2023年4月8日 10時1分

夫の転勤を機に、会社を休職して防災に関する修士課程の取得を目指すことを発表した岩本アナウンサー。その決断の理由を聞いた

休職を決意した経緯

──学生時代に「ノンノ」のモデルを務めるなど、タレント活動をされていた岩本アナ。アナウンサーを目指したきっかけを教えてください。

2010年12月に『ZIP!』のオーディションに合格し、2011年4月の番組の旗揚げと同時にリポーターとしてデビューしました。それが大学2年生の春。

東日本大震災からまだ3週間しか経っていない頃に、『ZIP!』が始まったんです。私が初めて読んだ原稿は、宮城県でコンビニのチキンが復活したというニュースでした。



余震がまだ多かった当時、ニュースを担当していた馬場典子アナウンサーが冷静に状況を伝えながら、私たち出演者に対しても「心配しなくていいよ」と安心感を与えながら番組進行していて。

その姿があまりにもカッコよかったんです。『ZIP!』に出演し始めてまもなく、「日本テレビで働きたい」と思っていました。

──入社して9年。5月からは配偶者の転勤を機に「キャリアサポート休職制度」を使って休職し、その間大学院で防災について学ぶそうですね。岩本アナがお仕事で大切にしてきたことは?

自分の中でライフワークにしているのは、やはり災害報道です。

アナウンサーを目指したきっかけでもありますし、テレビを見たから助かったという人がひとりでも多くいてほしい。そう思って報道に関わっています。

3.11のときに自分がまだアナウンサーではなかった後ろめたさはずっとあって。経験していないからこそ、その足りない部分を埋めるために学び続けていかなければいけない。知らないことを自分の目でしっかり見て、取材していきたいと常に思っています。

日本は地震だけでなく水害も多く、『news zero』では毎年のように取材しています。

被害に遭った現場に行くと、被災した方に「もっと早く言ってくれたら逃げられたのに」と言われたことがずっと心に残っていて。もっと他に呼びかけができなかったのか、自問することが多くありました。

――番組を卒業して休職、という選択は簡単なことではなかったと思うのですが、改めて休職を決意した経緯を教えてください。

コロナ禍でニュースの現場に直接取材にいけないなど、それまで全力で臨めていた仕事ができない時間を経験したことで「このままでいいのかな…」という悩みや不安は常にあったと思います。

自分を育ててくれた番組を自ら離れる決断は、簡単ではありませんでしたが、配偶者の転勤帯同や、資格取得・留学などによる休職を可能にする「キャリアサポート休職制度」を、夫の転勤を機に利用してみようと決意しました。

防災の分野についてしっかりと学んで成長し、番組や見て下さる方に還元できるアナウンサーになって戻ってきます!

――防災を修士課程で学ばれるということなのですが、どういった内容になるのでしょうか?

まだ入学前(取材時)なので、自分でもどうなるのかわからない部分もあるんですが…。

修士課程ですので、授業を受け体系的な学びを深めるだけでなく、自身の研究を進める時間が多くなると思います。

私自身の伝え手としてのスキルアップはもちろん、日テレアナウンス部の防災報道力の底上げの一端を担える存在を目指します。

──報道に関わっていて、やりがいを感じたことは?

2019年の台風15号で、千葉県の鋸南町に取材に行った時のことです。

「停電していることをテレビで伝えてくれたから、知人が助けにきてくれた」と、のちに手紙のやり取りでおっしゃっていただいたことがありました。

そうして、支援の輪が広がるきっかけになれたと聞いた時には、自分を褒めてあげたくなりました。

──被災者の方と手紙のやり取りをされているんですね?

これまで多くの場所で取材してきましたので、全員の方とはいきませんが、ご縁があってずっとやりとりさせていただいているご家庭はあります。

生活の変化や、復興にどのくらい時間がかかるのか、長く取材をしないとわからない部分もあるので、お話を聞かせてくださる存在はとってもありがたくて。

これからも熱い思いを持って、取材を続けていきたいと思っています。

お酒を美味しく飲むために

──プライベートについても教えてください。インスタグラムではゴルフやジョギングなど、アクティブな投稿も多いですね?

体を動かすことは好きですが、最近サボりがちなので……(笑)。ただ、夫との共通の趣味がゴルフなので、時間があるときは一緒にゴルフをして過ごしています。

──ゴルフ以外の息抜きは?

コロナ禍では、『キユーピー3分クッキング』で習った料理を家で作ることにハマりました。『news zero』は23時から放送が始まるのですが、夕方に現場取材に行ったり、街頭インタビューに出たりします。

その合間に出先で買ったものばかり食べていると体に負担もかかりますし、30代になってからは、好きなものだけ食べていちゃダメだなと思って。

大好きなお酒を美味しく飲むためにも、普段は健康的な食事を摂るよう心がけています。玄米を入れたご飯を炊いておにぎりを持って行ったり、日曜日におかずを作り置きしたり。

外出制限があった頃には、郡司さんとリモートでつなぎながら餃子を作ってたのしんでました(笑)。

──得意料理は?

こんなヘルシーなことを言っているのに、この間は豚の角煮を作りました。美味しかったです(笑)。

有働由美子キャスターの隣で見てきたもの

──ちなみに、郡司アナがAudireを立ち上げたように、岩本アナが会社に企画を提出したことはあるのでしょうか?

私はまだないんです。郡司さんが蒔いた種がどんどん育って、畑が広がっているのを間近でみていると、とても羨ましく興味が湧いています。

Audireの事業が成功すれば、みんなも「得意分野や好きなことを掛け合わせることで、キャリアアップにつながるんだ」という自信になると思っていて。

例えばの話ですけど…、私は防災の分野に興味があって、これから学んだ経験をもとに、“それぞれの生活に合った楽しくカスタマイズできる防災グッズ”のプロデュースなんてことも、熱量があればできるかもしれないです。

Audireの事業が成功すれば、こういったアイデアの小さな種を形にすることが夢じゃなくなると思うんです。会社のためにも、そして自分達のキャリア充実にも、双方向にプラスになることを見届けたい思っています。

──アナウンサーとしてだけでなく、ひとりの女性としての理想像はありますか?

『news zero』でご一緒した有働由美子さんや解説委員の小栗泉さんは、キャスターとしても女性としても大先輩。おふたりから受ける刺激は、私の人生の最強のスパイスになっています。

自分の足りなさをいつも気づかせてくれるし、それでも食らいついていきたいと思わせる魅力がある。こうなりたいと思えるロールモデルが身近にいてくれることが、とっても嬉しくて。

立場や状況にとらわれずに貫く柔軟な姿勢は憧れです。

大谷翔平選手の言葉を借りると、これからは“憧れるのはやめて”、お2人に追いつきたい、そして新たなキャスター像を見つけていきたいと思っています。

取材・文/松山梢 撮影/猪原悠 ヘア&メイク/尾古夢月

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