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水曜22時に波瑠 VS 芳根京子のガチンコ対決が…“朝ドラヒロイン”が主演するドラマは女優人気やストーリー以外にも“枠”のブランド力が勝敗を左右する?

集英社オンライン / 2023年4月12日 8時1分

現在、日本テレビとフジテレビは両局とも水曜22時をドラマ枠としているが、今クールは芳根京子と波瑠というNHK朝ドラヒロイン対決となっているのだ。この直接対決の軍配はどちらに上がるのか? 多角的に考察していく。

なぜ“朝ドラヒロイン”対決が実現したのか

今クールのドラマ業界は月9・木村拓哉 VS 日曜劇場・福山雅治の対決に大きな注目が集まっているが、それ以上にバチバチのガチンコ勝負が繰り広げられそうなのが水曜22時。

日本テレビが芳根京子主演の『それってパクリじゃないですか?』を放送するのに対し、フジテレビは波瑠主演の『わたしのお嫁くん』を放送するのだ。

芳根京子の出世作と言えば2016年度下半期のNHK朝ドラ『べっぴんさん』で、波瑠の出世作は2015年度下半期のNHK朝ドラ『あさが来た』のため、くしくも朝ドラヒロイン対決となっている。


日テレは水曜22時を30年以上ドラマ枠として固定しているが、フジは何度もドラマ枠にしては撤退するということを繰り返しており、水曜22時をドラマ枠として再設したのは昨年の4月期から。

フジは再設後の過去4作品は主演俳優をすべて男性にしており、主演俳優を女性にしていた日テレとこれまでは差別化を図れていた。けれど、今クールでフジは再設後はじめて主演に女性を起用。こうして朝ドラヒロイン対決が実現した形だ。

しかも同じ曜日の同じ時間帯の放送というだけでなく、両作は放送スタート日も4月12日とカブッている。前クールは放送開始が1週ずれていたのだが、今クールは初回から激突するとあって、言い訳無用状態となっているのである。

ドラマ枠のブランド力の強さでは日テレが有利?

芳根京子の『それってパクリじゃないですか?』、波瑠の『わたしのお嫁くん』、どちらに軍配が上がるのか。

まず注目したいのは日テレとフジのドラマ枠としてのブランド力。

フジが水曜22時を昨年4月にドラマ枠として再設してから、4作品の対決が繰り広げられてきたわけだが、視聴率で見ると日テレが常に圧倒しており4戦全勝。

過去4作品で比較すると、日テレ4作は全話の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)が5~7%台と決して高いわけではないのだが、フジ4作がそれ以上に苦戦しており3~5%台に沈んでしまっているのである。

そして単話で見ると、日テレがダブルスコアの大差をつけることもたびたび起こっている。

一例ではあるが前々クール。昨年10月12日放送の日テレ『ファーストペンギン!』(第2話)が世帯平均視聴率7.5%だったのに対し、同日に放送されたフジ『親愛なる僕へ殺意をこめて』(第2話)は3.5%と惨敗。

前クール作品でも何度もダブルスコアに。たとえば3月1日放送の日テレ『リバーサルオーケストラ』(第8話)が6.6%だったのに対し、同日放送のフジ『スタンドUPスタート』(第7話)はなんと2.5%という低記録を出してしまっていたのだ。

とはいえ、ご存知のとおりリアルタイム視聴を計測することが時代遅れとなってきており、視聴率はもはや絶対的指標でなくなっている。実際、TVerなどの見逃し配信で視聴しているドラマファンも多いはずだ。

そこでTVerのお気に入り登録者数(4月4日現在)に着目すると、こちらはフジ優勢となっている。過去4作品のうち3作品でフジが勝利しているのである。

昨年4月期の日テレ『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』が42.5万人なのに対し、フジ『ナンバMG5』は50.4万人。昨年7月期にいたっては日テレ『家庭教師のトラコ』が15.2万人なのに対し、フジ『テッパチ!』は35.9万人とダブルスコアで引き離している。

直近の今年1月期は日テレ『リバーサルオーケストラ』が42.0万人、フジ『スタンドUPスタート』が24.4万人と日テレが勝っているものの、TVerという今の時代に即した指標ではフジ作品のほうが比較的、人気を集めていることがわかる。

波瑠は主演作多数、芳根京子はヒロイン役で勢い

では主演女優の実績はどうだろうか。

波瑠は朝ドラ主演後、コンスタントに民放キー局の連ドラで主演を務めている。2020年以降だけで見ても『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』(日本テレビ系)、『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)、『愛しい嘘 優しい闇』(テレビ朝日系)、『魔法のリノベ』(フジテレビ系)と4作品に主演。

社会現象を巻き起こすほどのメガヒット作があるわけではないが、大コケすることもなく、たびたびスマッシュヒットを飛ばしているので、主演を張れる俳優として非常に安定していると言えるだろう。

一方の芳根京子は朝ドラ主演後、実はそれほど民放キー局の連ドラ主演は務めていない。2018年に主演した『海月姫』(フジテレビ系)が不評だったことが影響したのか、主演でお呼びがかかることは少なくなっていた。

しかし、おそらく彼女の潮目が変わったのは、2021年から2022年にかけて2クールで放送されたサスペンスミステリー『真犯人フラグ』(日本テレビ系)でヒロインを演じた頃から。この話題作で、最終話まで視聴者から彼女が真犯人なのではと疑われる役を演じきったことで、再評価された印象がある。

その後も、『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』(テレビ朝日系)、『オールドルーキー』(TBS系)でヒロインとして存在感を見せつけ、満を持して主演に返り咲いたのが今回の『それってパクリじゃないですか?』なのだ。

主演俳優として実績を積みまくっている信頼と安定の波瑠に対して、しばらく民放キー局の主演から遠ざかっていたものの、ヒロイン役を好演してきた芳根京子がその勢いをどこまで活かせるかというのが、勝敗のポイントになるだろう。

お仕事エンタメと社会派ラブコメ、それぞれの過去作

最後に作品のジャンルについて考えてみたい。

芳根京子の『それってパクリじゃないですか?』は、知的財産をめぐり巻き起こるさまざまな問題に立ち向かっていき、あくどいパクリから会社を守るお仕事エンタメドラマ。

波瑠主演の『わたしのお嫁くん』は、仕事は完璧ながらズボラ女子の一面を持つ主人公が、会社の後輩の家事力最強男子を“嫁”に迎えるという社会派ラブコメディー。

『それってパクリじゃないですか?』は小説原作もの、『わたしのお嫁くん』は漫画原作もののため、いずれももともとのストーリーの面白さは折り紙付き。

けれど原作ものなら確実にヒットするといった保証は当然なく、やはりドラマ自体のクオリティがヒットの分水嶺になるだろう。

ジャンルで分析すると、『それってパクリじゃないですか?』はニッチな職業にフィーチャーする作品のため、一例だが2016年の『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)や、昨年の『競争の番人』(フジテレビ系)に通底する部分がありそうだ。

『地味にスゴイ!』はスマッシュヒットとなったが、『競争の番人』は視聴率も評判もいまひとつだったため、地味なお仕事をエンタメ的におもしろく昇華するのはなかなか難しいのかもしれない。

『わたしのお嫁くん』のほうは、社会派ラブコメディーと聞いて思い出されるのはやはり、2016年にブームを巻き起こした『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)。また、2020年にヒットした『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)も同ジャンルと言える。

『逃げ恥』のように現代の社会問題をコミカルに描き、さらに共感を得られる胸キュンシーンを投入できれば、『わたしのお嫁くん』も大化けするかもしれないが、言うは易く行うは難しだろう。

――ドラマ枠としてのブランド力、主演女優の実績や勢い、ジャンルの過去のヒット作など、分析するファクターは数多くあるが、個人的には枠の強さと女優として勢いのある芳根京子の『それってパクリじゃないですか?』が優勢と見ている。

だが、けっきょくのところ勝敗を左右するのはシンプルに「おもしろいかどうか?」。ひとまず両作とも第1話を期待して観てみたい。

文/堺屋大地

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