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《古田敦也×上田晋也》佐々木朗希は170キロを投げることができるのか? 投手・大谷翔平超えの夢に向けて古田の提言

集英社オンライン / 2023年4月8日 13時1分

野球界のレジェンド古田敦也に、大の野球好き芸人、くりぃむしちゅーの上田晋也が監督から選手、プロ野球の未来まで、他では聞けない秘話を語り尽くした『Q上田A古田 プロ野球で活躍する逸材とは?』(ポプラ社)より令和の怪物・佐々木朗希投手のすごさについて一部抜粋、再構成してお届けする。

佐々木朗希は170キロを投げることができるのか?

上田 ロッテの佐々木(朗希)投手もまたすごいピッチャーですよね。2試合連続ほぼパーフェクトみたいなことが、昨シーズン(2022年)ありました。

テレビのスポーツ番組の司会も務める上田さんが古田さんに鋭い質問を投げる

古田 何がすごいかといえば、明らかに余力があることです。完全試合を達成したときも、〝僕はコントロール重視ですよ〞みたいな感じで軽々投げています。たとえば、プロのピッチャーが高校生を相手に投げたり、高校生が小学生に投げたりする場合は、手加減して投げます。それで十分という感じで。佐々木君は、そんな感覚で投げているように思います。


上田さんからの質問に的確にわかりやすく返す古田さん

一方で大谷君は、ちょっと乗ってきたら、投げ終わったあとなどに「うりゃ!」とか声を出したりしますが、佐々木君はありません。最後までダイナミックなフォームで涼しい感じで投げています。

上田 佐々木投手は、170キロぐらいまでいけんじゃないのか、なんていう夢がありますが、どう思いますか?

古田 もちろん可能性はありますが、本人が目指すかどうかはまた別です。佐々木君が仮に目指したら、間違いなくケガをします。だから、そのケガのリスクを考えたら、今でも160キロ以上投げられるけど、150キロ後半ぐらいのスピードでコントロールよく投げて抑えていったほうがいいでしょう。ピッチャーの肩肘の故障に関しては、僕も何人も見てきましたが、よく消耗品と言われる通り、本当に壊れます。

ケガをして肩肘にメスを入れても、無事に回復して投げられるようになればいいんですが、戻ってこられないケースもあるので、できるだけケガをせず、 長い間一線で活躍するほうが、評価が高いと考えています。佐々木君がケガをせず続けていくためには、抑えめに投げていくべきです。抑えめに投げても、 ほかのピッチャーと比べても十分速いですから。

佐々木朗希が大谷翔平を上回る可能性は?

上田 佐々木投手は、大谷(翔平)投手を上回る可能性も十分ありますか?

大谷超え170キロの期待がかかる佐々木投手 写真:CTK Photo/アフロ

古田 いい勝負でしょう。大谷君も佐々木君も、日本人ではそんなにいない、身長が190センチ以上あります。大谷君とかダルビッシュ(有)を近くで見たら、とても大きいです。

上田 今の大谷選手は、さらに体が大きくなっていますよね。

古田 ダルビッシュは、レスラーみたいな体格です。しかも顔は小さい。

上田 いやでも僕は、古田さんにお会いするたびに「でっけえ!」って思いますけどね。

古田 いやいやもうレベルが違いすぎます。こんな人たちと勝負するとなったら、ほかに生き残る方法を考える必要があります。だからといって今後身長が2メートルを越える選手がぼんぼん出てくるかといったら、まったくないとは言えませんが、しばらくは出てこないのではないでしょうか。

上田 2試合続けて完全試合を達成しそうなピッチングをしたあと、佐々木投手は毎週登板していましたが、ちょっと打ち込まれてきました。それってやはり週 1回投げられる体力がついていないってことなんでしょうか。

古田 プロ野球では1週間に1回先発ピッチャーとして投げたら、毎回100球くらい投げますが、そのペースを1シーズン続けたとすると、25回くらい先発することになります。この登板間隔で投げると、中6日休むことになりますが、疲労が取れないといったことで、そのペースで投げられない選手がけっこういます。だから全球全力で投げるのではなく、ここぞというときにギュッと力を入れて投げるようにするといいです。

プロの世界では、イニングイーター(長いイニングを投げられる先発投手)の評価が一番高く、ありがたい存在なので、その価値を上げていくほうがいいと思っています。ただ、佐々木投手は別次元の存在で、人類の夢を背負っているところがあるので、ある意味大変ではないでしょうか。

佐々木朗希のピッチングの特徴

上田 佐々木投手の投げているボールがシュート回転し始めるのは、疲れによって体が開くからですか。

古田 彼は、人差し指と中指の間を開けずに投げるタイプで、一点集中型のピッチャーなんです。そのタイプのピッチャーは、たまにズレるんです。

上田 それは、ボールの軸とズレるってことでしょうか。

古田 そうです。普通は、 2本の指の間を少し開けて、ボールの縫い目のところで支えてストレートスピンをかけますが、彼のように 2本の指の間を開けずに投げると、軸の向きがちょっとズレてしまいます。指の間を狭めれば狭めるほど、グラグラしてしまうので、ちょっとのズレだけで曲がってしまいます。

上田 つまり、投げるスタミナがどうとか、そういう問題じゃないんですね。

古田 はい、肩とか肘が落ちたとかじゃなくて、ボールを握っている指の微妙なズレだと思います。実際、佐々木君が投げると、160キロぐらいでものすごく曲がります。あれはそうそう打てません。

『Q上田A古田 プロ野球で活躍する逸材とは?』(ポプラ社)

古田 敦也, 上田 晋也

2023年3月8日

1012円(税込)

282ページ

ISBN:

978-4591177402

野球界のレジェンド古田敦也に、大の野球好き、くりぃむしちゅー上田晋也が監督から選手、プロ野球の未来まで、他では聞けない秘話を語りつくす!

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