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最上もがが闇に堕ちていた日々。「わかってほしい、好きでいてほしい、一番になりたい、大切にしてほしい、何があっても味方でいてほしい」と友達とファンに思っていた。

集英社オンライン / 2023年4月21日 11時1分

2021年に第1子を出産し、シングルマザーとして育児と仕事を両立しているタレントの最上もが(元でんぱ組.inc)。生きづらさを抱える全ての人に寄り添う、フォトエッセイ『も学 34年もがいて辿り着いた最上の人生』(KADOKAWA)より一部抜粋・再構成してお届けする。

「なんで生きなきゃいけないの?」と、
自問自答した日々。

幸せってなんだろう。
家族ってなんだろう。
学校ってなんだろう。
仕事ってなんだろう。

自分って何者?
友達って必要?
好きがわからない。
性別って重要?

落ち込んだとき、そのまま闇に堕ちていくように、 「なんで生きなきゃいけないの?」と、自問自答した日々。

〝今〟に絶望していても、未来がそうなるわけではありません。



誰かを救う、なんて烏滸がましいことを思っているわけではありません。あなたの〝疑問〟に〝答え〟が見つかるかはわかりません。

ただ、私の考えが何かの気づきになったり、あなたの悩みに少しでも寄り添えたらいいなと思って、この本を書くことを決めました。

人間関係の悩み

私はどんな関係でも相手に依存しやすいタイプでした。わかってほしい、好きでいてほしい、一番になりたい、大切にしてほしい、何があっても味方でいてほしい。

母に対して思っていたことをそのまま友達やファンに対しても思ってしまっていたんです。そういう関係は相手にとって重荷になることもあり、「実はうざかった」と言われたことが何度もあります。

自分のメンタルが不安定になると、途端に些細なことでも疑うようになります。そういう時は人間関係を全て辞めてしまいたくなる 衝動にかられ、「自分なんて必要とされていない」と連絡先を全て消したりしていました。

でも必要とされたくて、寂しくて、そんな自分が本当に嫌でした。

娘が生まれてから物理的に時間をとることが難しくなり、優先順位がはっきりして、前のように悩むことがすごく減ったんです。一人一人誰かを大切にできるキャパが限られていることをすごく実感しました。

昔は友達だったとしても、今は違うなって子もいますし、「お互いに関係性を続けるための努力を怠れば失う」と思っています。

努力、って言葉は「無理をする」に近い感覚があるかもしれませんけど〝友達〟とか〝恋人〟とか〝家族〟とか、相手が誰であれ関係性を築くのも続けるのもある程度は面倒くさいもので、簡単なことではないと思うんです。

でも今は一人一台スマホがあるのが当たり前になっていて、SNSですぐやりとりができるので、もしどこかで関係性がなくなってたとしても、今後の行動次第でどうにでも変われると思っています。

逆にその利便性が「いつでもできるなら後でいいや」とタイミングを逃してしまうのかもしれませんけど、行動を起こさなければ何も始まらないだけなんですよね。

自分の悪い癖と対処法

今は〝変えられない過去への後悔は考えない〟と自分の中でルールを決めています。反省して次に活かそう! というのと、後悔して引きずるのとでは全く違いますよね。

忘れるのも簡単ではないし、どうしたって辛いことってふと考えてしまうものではあるのですが、そういうときは脳内でそのモヤモヤをゴミ箱に入れるイメージで捨てます。

そして楽しいことを無理矢理にでも考えるか、気分転換できることに“思考をすり替えるん”です。

これを何度も繰り返すと、そのうち思い出してもすぐ捨てれる癖をつけられたり、「まあいっか!」で済ませられる確率もどんどん上がりました。

「そんなこと寝たら忘れるよ」って人もいますが、寝られなくなるくらい辛くなることはしょっちゅうありました。

すぐにできることではなく、日々の思考の訓練と、気分が良くなるものをいくつかキープしておくこと、が大事だと思っています。

最も意識しているのは〝余計なことを考える暇な時間を作らないこと〟です。

そういう時間が一番病みますが、やりたいことが浮かばない精神状態のときも多々あったので、「やりたいこと」ではなく「やること」を決めるようにしました。

今日はこれを終わらせる、とか、この時間は娘のことだけを考える、とか、日々の簡単な目標・目的を作ることは心の平穏を保つためにとても重要だと気づいたんです。終わらなければ翌日に回せば良いくらいの、負担のかからないことです。

私は部屋が片付いてなかったり汚れていると気分が落ちやすいタイプなので、掃除は無心になれてとても気分転換になりますし、綺麗な空間は思考も穏やかになりやすいです。

誰かのせいにしたっていい

自分の性格の大部分が決定するは幼少期だと思っています。生まれながらに備わっている気質の部分はもちろんありますが、その時期のトラウマや〝親にどう接されていたか〟で、その気質の使い方が良い方向にも悪い方向にも変わると思っています。

何か落ち込むことがあったとき、全てを自分のせいにすることで「私が悪いのだから仕方ない」と思うようにしていました。

実際、誹謗中傷で悩んでいたときも他のメンバー全員と私を比較し悪口を書く人が圧倒的に多く、「お前だけが悪い」といつも言われていました。

「私はダメな人間だから」「どうせみんなから嫌われる」「頑張ったって褒められないし無駄」。

そう思えば思うほど、気持ちが孤立していくような感覚が強かったです。だからこそ強がってしまう部分もあったし、性格悪い行動してるな、と感じる部分もあり、さらに自分のことが嫌いになりました。

でも、うつになってアイドルをやめた後や、コロナ禍で時間ができたとき、私は何度も自分と向き合い、なぜ、自分はこういう性格になってしまったのか? どうでもよくなってしまうスイッチはなんだろう、と考えるようになりました。

そして、母に連れられて精神分析を行ったことがあり自己肯定感の低さは家庭環境によって作られたものだと気づいたんです。

親や誰かのせいにしていい、そう言ってもらえたようで、心が少し楽になりました。

自分は一切悪くないと開き直ったり、他者に責任を押し付けるだけでは何にもなりませんが、自分のダメな部分の原因を解き明かし、一部分だけでも誰かのせいにすることで少しでも自分自身を許してあげないと、一生自分を認められなかったと思います。

大人なんだから自分で考えて行動できるでしょ、なんてよく言われるかもしれません。でも、大人だって、誰かの子供です。一人で全て解決できるのが当たり前なわけじゃありません。

子供の頃のトラウマを抱えたまま大人になってしまったからこそ、自分自身への自信を取り戻せず、自分を愛せないこともあります。

親だって誰かの子供だったわけで、完璧なわけでなく失敗だってします。自分がなぜこうなってしまったのか、親はなぜこういう態度だったのか、それには全て理由があり、少し知るだけでも変わることはたくさんあります。

文/最上もが 写真/桑島智輝

『も学 34年もがいて辿り着いた最上の人生』(KADOKAWA)

最上 もが

4月3日発売

1,760円

160ページ

ISBN:

978-4048971768

34歳、元アイドル、シングルマザー「最上もが」初のフォトエッセイ。

"不器用でもいい" 生きづらい日々を変えるため、自分と向き合う1冊。

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