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転職は「優秀さを競い合うゲーム」ではない! 応募書類作成のストレスをゼロにする、すごい実績がなくても転職できる人がアピールすべき「再現性」とは

集英社オンライン / 2023年4月17日 7時1分

転職時に「特に実績がない…」と不安な方にお伝えしたい、すごい実績がなくても転職できるコツとは。多くの転職者を支える佐野創太さんの新刊『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』から、一部を抜粋してお届けする。

企業と転職者の気持ちは、なぜすれ違うのか?

履歴書や職務経歴書が書けなくて転職活動をあきらめた。転職市場では、そう珍しい話ではありません。それほど、ストレスを感じるのが応募書類の作成なのです。

なぜ、ここまで応募書類の作成に苦労するのでしょうか?
原因は、「何とかしてすごい実績を捻り出さねば」と考えていることにあります。
驚かれるかもしれませんが、実は転職に「すごい実績」は必要ありません。大切なのは「再現性」です。



シンプルに言ってしまえば、転職活動は「御社でも再現できる仕事・経験はこれです」と伝えるゲームです。そして、証拠として履歴書や職務経歴書を提示し、面接で説明してみせます。

ですが、求職者はすごい実績が必要だと思い込まされています。「優秀さを競い合うゲーム」だと思わされているのです。
いったいなぜ、このような認識のズレが生じるのか。その謎を解く手がかりが、求職者と採用者の「二つの目線」の中に隠されています。次の表をご覧ください。

この表を見て、「なんだか企業ってまったく転職したい人の気持ちをわかっていない」と思いませんでしたか? その通りです。
両者は、根本的に求めているものが違います。企業は転職者に利益を、転職者は企業に働きやすい環境や待遇を求めているのです。

この違いを知ることが、再現性をめぐる転職ゲームに勝っている人が最初にやっていることです。
違いを認めることができれば、求職者のあなたは企業が求めている答えを提示すると、実は内定がラクに取れることに気づくでしょう。

もちろん、どちらが欠けても不十分です。採用目線だけでは、「自分軸がない」ことになりますし、求職者目線だけでは「ただの一人よがり」です。
転職は、求職者目線と採用目線がかけ合わさって、最高の結果を手繰り寄せます。

「転職強者」は、なぜ内定ゼロだったのか?

ですが、ビジネスの世界では「すごい実績信仰」が根強く残っています。
経営コンサルタントの相談者さんも、その一人でした。

その方は学歴よし、職歴よし、コミュニケーション力あり、すごい実績ありの「転職市場の圧倒的強者」でした。しかし、書類選考で落ち続けました。面接になると最終面接どころか、一次面接で落とされます。

原因は「食い違い」でした。求職者目線で考えるすごい実績が、「うちの会社で生かせない」と思われて、見送りになっていたのです。
書類選考、人事面接、現場面接で共通して、企業がすごい実績以上に知りたいのは、再現性。つまり「募集ポジションに近い経験」です。言い換えると「あなたのこれまでの経験で、入社後も発揮できる能力は何ですか?」という問いに対する答えです。

企業はこれまでに、「あんなに期待して採用したのに、期待通りの成果を出してくれない」という苦い経験をしています。そうした経験を通じて「環境が変わっても、同じ結果を出せるとは限らない」と知っています。

仮に誰もが知るような名経営者でも、環境が変われば評判通りの活躍どころか、半分の成果も出せなくなるかもしれません。
人は個の力だけでなく同僚や取り引き先といった環境との相性によって、出せる成果が0にも100にもなり得るのです。

自分の実力を正しく把握する4象限

あなたの実績をマトリックスで4象限に整理すると、「採用目線で欲しいと思える人材像」が見えてきます。縦軸は「再現性」、横軸は「功労者(誰のおかげか)」です。
これによって、「どの実績を書類に書けば再現性が伝わるのか」がわかります。

先ほどご紹介した経営コンサルタントの相談者さんが応募書類に書き、面接でアピールしていた実績は、採用目線からすると(2)でした。

相談者さんは「コンサルタントでありながら案件を回すだけでなく、仕事を自ら取ってくる営業力もある」ことを強みにし、実際に大手企業のプロジェクトを受注した実績を持っていました。しかし、落選続き。相談者さんは知り合い伝手で進んだ選考に落ちた時、ショッキングな事実を知ることになりました。

「オーバースペックで落選」と伝えられたんです。そのまま受け取れば「優秀すぎて弊社ではあなたに見合う仕事は用意できない」ですが、これは傷つかないように配慮した言葉です。本音では「あなたの能力よりも会社の看板で仕事をとっているだけ」です。

相談者さんは「お恥ずかしながら、会社の看板を自分の力と勘違いしていました」と振り返っていました。そこから(1)の再現性が高く、自分の能力と周りのサポートの違いを分けた実績に切り替えた相談者さんは、内定を複数取りました。

・会社の看板が外れても発揮できる力は何か
・同僚や上司のサポートと、自分の努力の線引きはどこにあるか

を考え始めたのです。つまり、企業が最も知りたい「再現性」を見つける問いかけに変えたのです。

考えを改めた相談者さんが新たに使うようになった実績は、「大手企業の経営陣が一発で納得する資料作成能力」でした。
相談者さん曰く、「経営コンサルタントの一番のアウトプットは資料作成です。大手企業の経営陣が意思決定に必要な情報を整理するのはなかなかできないことなので、他の会社でも発揮できます」とのことです。

ここでは「自分が思うすごい実績を主張すること」の危険性と、打ち出すのは「応募先企業で再現性の高い経験」ということを覚えておいてください。
転職活動は優秀さではなく、再現性を競うゲームなのです。

『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)

佐野 創太

2023/3/1

¥1,815

‎336ページ

ISBN:

978-4569854052

働きながら転職、しんどくない?

年間約800万人が転職を希望しているにもかかわらず、実際に転職する人は約300万人。
残りの約500万人は、転職活動を途中でやめるか、最初から転職をあきらめる。
頑張っても内定が出ない人、簡単に内定を獲得する人――。
両者の差は、以下のポイントを知っていたか否かでしかない。

・何十社も応募する必要はない。「数社に集中」。
・誰にも負けない「強み」や「すごい実績」はいらない。必要なのは、再現性。
・履歴書と職務経歴書以外に、「プラスアルファの資料」が欠かせない。
・「転職エージェントガチャ」で、ハズレを引かない。
・面接は、口がうまい人が勝つわけではない。「面接官を誘導する」「資料に語らせる」。

その具体的な方法とは何か。
本書を読めば、最短で理想の企業から内定を獲得する近道がわかる!
体力的にキツくない、長引かせない、自己肯定感も下がらない、「要領のいい転職戦略」。

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