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〈木更津・白骨化遺体の身元が判明〉「同級生を殺害した」と自首。自治会費横領で逮捕された男(37)は「同級生に祖父の年金数百万をタカられていた?」父はアル中、母と妹は施設へ。ヤングケアラーだった過去も

集英社オンライン / 2023年4月12日 18時36分

3月29日、千葉県木更津市で見つかった白骨化遺体の身元が「殺して埋めた」と供述した、自称無職の小川順也容疑者(37)の中学時代の同級生・須藤秀平さんと判明した(文中ではAと記載)。小川容疑者は3月、地元自治会の会費数十万円を着服したとして業務上横領の容疑で逮捕されていた。今回の事件は3月19日に「過去に知人を殺害し、自宅の庭に埋めた」などと小川容疑者が自ら通報してきたことから発覚し、供述にもとづき自宅の庭を捜索したところ白骨化した遺体が見つかった。この事件を報じた集英社オンラインの記事を再公開する(初出:2023年3月31日)。

横領事件がばれ、過去の事件を自ら通報

「おはようございます。これからお墓参りに行ってくるんです」



自ら110番通報した3月19日の朝9時、小川順也容疑者(37)はそう言って近くのお墓へと向かう姿を近隣の住民に目撃されている。この日はお彼岸で小川容疑者は普段と何ら変わらない様子だったいう。その後、「中学校の同級生を殺して埋めた」と通報し、逮捕されている。近隣住民が語る。

「1年前から順也君が自治会の会計を担当していました。会計を担当すると自治会の活動に使うためのお金の入った通帳や印鑑を預かるので、やろうと思えば自由に引き出せます。70万円くらいを引き出したと聞いています。会計の役は持ち回りの年齢順で、当初は順也君も『えー会計はちょっと……』と拒んでいたのですが、断りきれずしぶしぶ引き受けていました。運送会社の仕出しをやっていると本人は言っていたのですが、働いている様子はなかったので、お金に困っていて使いこんだのかもしれないですね。ちょうど新年度に入るので会計役の引継ぎが迫っていて、使い込みがバレて、過去の“事件”もすべてが発覚すると思い悩み、自首したのでしょう。横領事件が”別の事件”になってしまった」

小川容疑者の自宅を出入りする捜査員(撮影/集英社オンライン)

田畑の広がるのどかな小さな町での小川容疑者の評判はよく「礼儀正しく優しい青年」と近隣住民は口を揃えて言う。小川容疑者とは一体どのような人物なのか。小川容疑者の知人が語る。

「遺体の見つかった家でもう10数年以上一人暮らしをしていますよ。男の一人暮らしなので手が行き届いていなかったのか、草も背丈の高さまで伸びて、敷地内にはゴミが散乱していました。ただ、かつてはこの家に家族で暮らしていて順也君ものびのび育っていました。順也君の祖父は農家で、小学校の頃は順也君も農業を手伝っていました。器用にトラクターを乗りこなし、大工だった父親の影響からか大工になりたいと言っていた時期もありました。
ただ、家庭環境は複雑で母親には軽度の障害があり、年子の妹も重度の障害を持っていました。最初は歩けていた妹も寝たきりになり車椅子で生活するようになり、いつの間にか母親と妹は施設で暮らすことになったと聞いている」

そんな小川容疑者の人生に暗雲が立ち込めたのは20年ほど前からだと知人は言う。この頃、大工だった父親はアルコール依存症になり、治療を試みていたようだ。同時期に小川容疑者の自宅には“ある車”が度々停車されるようになるのが目撃され始める。そしてこの頃、町ではある噂が出始めた。知人は続ける。

地元消防団にも入っていた小川容疑者

「車のない順也君の家に頻繁に訪れていた中学の同級生Aという男がいました。順也君はAからお金をタカられているというのはこの辺では有名な話でした。一緒に同居しているという噂もあって、順也君の性格から考えると断り切れず言われるがままにしていたのだと思います。順也くんは地元の消防団に入っていたのですが、それももとは断りきれずに入団している。そんな風に頼まれると断り切れない性格なんです」

親分と子分みたいに見えました

小川容疑者は「中学校の同級生を殺した」と警察に供述しているが、動機について「同級生が家族の年金を無心していた」などと説明している。実際に同級生にタカられているという噂が回り始めてほどなくして、小川容疑者の祖父は近隣住民に助けを求めている。

「血相を変えて順也君のおじいさんがウチに来たと思ったら『お金を貸してほしい』と言われました。何事かと尋ねると『順也に通帳を渡したらすべて使われてしまった』と言っていました。順也君だけでなく順也君の父親にも使われていたと言っていましたね。おじいさんは戦争経験者で、年金なども高かったので、この辺ではお金を持っているというのは有名でした。金額までは聞いてませんが、それがすべて使われるというのは数百万円単位のお金ではないですかね」

小川容疑者とAさん(卒業アルバムより)

小川容疑者の小・中学校時代の同級生は、Aさんとの関係性についてこう語る。

「順也君は小学校の頃まではみんなと仲良くしていました。当時から気は優しかったので前に出るタイプではありませんでしたが、その頃は友達も多かったです。一方でAは児童養護施設から通ってきている男の子で、小学校4年生とか5年生の頃に転校してきたんですが、その頃はうまく馴染めてない印象でした。気の優しい順也君とは少しずつ仲良くなっていった」

中学に入ると小川容疑者に友人と呼べるのはAさんしかいなかったという。

「順也君は中学校に上がると内向的な性格だったからか、とたんに孤立しはじめ、いつも一人でいるようになりました。背が小さく体格もよくなくて、気が弱く優しいので何も言い返さないのを知ってる人たちは順也君を強めの口調でイジッたりしてましたから。
Aといつも一緒にいるようになったのはその頃からです。Aも他の人と同様に順也君に強めの冗談なんかを言っていました。Aは他の人とも遊ぶのですが、最後はいつも順也君のところに行くというか、居心地がよかったのか、結局一番一緒にいるのは順也君でした。Aはガチの不良ではないんですが、どちらかで言えばやんちゃな子で、はたから見てると親分と子分みたいに見えました」

Aさんは高校に進学せず一度街を出て行ったはずが…

中学卒業前後には金銭にまつわる話も出ていたという。

「Aが順也君からお金を借りているという話を聞きました。また、木更津駅の方に遊びに行った際など何かお金がかかるようなことは順也君が出していたと聞いています。それで順也君の家ってお金持ちなんだって思った覚えがありますから。中学卒業後はAも順也君も高校には行かず働いていたと思いますよ。身寄りのないAは働きに町を出て行って、順也君も高校受験はしていましたが、高校は卒業していない。
数年してAが街に戻ってきて順也君の家に住んでいるという話を聞きましたが、相変わらず一緒にいるのかって思ったのが最後で、それっきり二人の噂も聞かなくなりました」

小川容疑者の自宅から見つかった白骨化した遺体は20代から40代の男性と見られていて、全身に複数の骨折の跡があり、頭部に強い衝撃が加わったことで死亡した可能性が高いという。県警はAさんとの関係性を含め慎重に捜査しており、事件の全容解明が待たれる。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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