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“サル”発言の小西洋之氏、国会での謝罪「拒否」へ…立憲の後手後手対応に前議員も呆然。注目の“コニタン”地元・千葉5区の補選にも暗雲?

集英社オンライン / 2023年4月12日 20時16分

憲法審査会の毎週開催を「サルがやること」「蛮族の行為」と発言し、それを報じたメディアに対して圧力ともとられかねないツイートをした小西洋之氏に対し、4月11日、立憲民主党の岡田克也幹事長は党の規約に定められている「幹事長注意」の措置をとったことを発表。党の参院政策審議会長を辞任し、けじめをつけた形の小西氏だが、同党の杉尾秀哉氏が、小西氏による国会の場での謝罪を「ご容赦いただきたい」とかばい続けて「拒否」したことで、他党の怒りは収まっていない。“サル騒動”の禍根が残るなかで、統一地方選後半戦に突入する立憲の今後は……。

遅れた処分に党内ではあきれた声が

「今回の発言は申し開きができない。もっと慎重に、丁寧に対応すべきだった。私から、もう、こういうことがないようにと注意する」



記者会見で立憲の岡田克也幹事長はそう発言し、小西氏に対して幹事長注意の措置をとること、小西氏が党の参院政審会長を辞任したことを発表した。
統一地方選の真っただ中、地元で活動を続ける立憲の前議員は、ニュースを聞き、あきれてこう言う。

「処分は当然だけど、遅いよね。もう統一地方選の前半戦は9日に終わっちゃったよ。執行部は地方のことなんて、見ていないんだろうね」

昨年7月、街頭演説中の小西氏(本人Facebookより)

全国紙政治部記者が、処分に至るまでの経緯を解説する。

「小西氏は憲法審査会の毎週開催を『憲法のことなんか考えないサルがやること』と発言しただけでなく、発言を報じたメディアの過去の報道内容を持ち出して『放送法違反で告発できる』と、圧力ともとれるツイートもしました。

それでも、小西氏が所属する参院の立憲議員や党内の左派は、小西氏を『護憲の防波堤』としてかばいました。もともと国民民主党から移ってきた泉代表は、党内基盤も弱く、左派の意向を無下にしづらかったこともあり、処分が後手後手にまわりました」

サル騒動への対処がうやむやなまま突入した、統一地方選の前半戦。立憲は、旧民主系が強い北海道の知事選で、推薦していた元衆院議員の候補が、現職の鈴木直道氏に50ポイント以上の差をつけられて大敗するなど、厳しい結果に終わった。

立憲の低迷を尻目に躍進する維新

一方、野党第一党の立憲の存在感をかすませた一因となったのが、日本維新の会の堅調ぶりだった。

維新は、小西氏のサル発言やメディアへの圧力問題に、すばやく反応。馬場伸幸代表は、「立憲民主党によくある大ブーメランだ」と皮肉交じりに語り、両党が国会で進めていた協力をめぐっても「信頼関係は完全に損なわれている。問題が解決しない限り、協調は当面の間、凍結だ」と突き放した。

関西地方の立憲関係者が嘆く。

「大阪人が一番嫌いなのが、東京で偉そうにしている、まさに“コニタン(小西氏の愛称)系”。維新の恰好のネタになってしまった」

日本維新の会の馬場代表(本人Facebookより)

今回、維新は大阪の知事選・市長選のダブル選で圧勝し、奈良では初めて大阪以外の公認知事を誕生させ、立憲とは明暗が分かれた。

「大阪人は、天下をとるまでは根気強く応援する。吉本芸人も、全国区になった瞬間に『東京行って、おもろなくなったわ』と言われるが、大阪から羽ばたこうとしているときは、『俺らの芸人』として応援される。
維新も、政権交代はまだ遠そうだからこそ、大阪中心に『俺らの維新』としての勢いが続きそうで、立憲としてはやりづらい」(前出の立憲関係者)

統一地方選前半戦で存在感を示せなかった立憲だが、後半戦でとくに力を入れるのが、千葉5区の補欠選挙だ。

「政治資金規正法違反で罰金の略式命令を受けた薗浦健太郎氏(自民党を離党)の辞職に伴う選挙です。4月1、2日に実施した自民党の情勢調査や、10、11日に地元紙が実施した世論調査では立憲候補がリードしています。自民議員が政治とカネ問題で辞職したわけですから、なんとしても立憲が議席を獲得したいところです」(全国紙政治部記者)

コニタンの地元・千葉では
連日の大物投入も立憲候補が落選

だが、ここでも千葉県を選挙区とする小西氏が起こした騒動の影響は無視できない。千葉県内の立憲自治体議員が頭を抱える。

「有権者から『なんで処分しないんだ』と言われることも、逆に、支持者から『あれくらいで処分していたらダメ』と言われることもあり、大変です。9日に投開票された千葉県議選では、千葉5区に含まれる浦安市で、立憲候補が定数2に入れず、落選しました。
浦安市には、岡田克也幹事長や野田佳彦元総理ら大物が連日入って、千葉5区補選の候補と県議選の候補と一緒に支持を訴えていただけに、手痛い負けです。千葉5区補選に向けて、嫌なムードです」

当の小西氏は11日、「サル」「蛮族」発言について「衆院憲法審査会の先生方を始めとする皆様に深くお詫びを申し上げます」などとTwitterに書き込むのみ。幹事長による注意も、党の規約で定められている4段階の処分のうち、最も軽いものだった。
自民や維新が国会の場での謝罪を求めても、小西氏に近い杉尾氏が「ご容赦いただきたい」とかばい、事実上、国会での謝罪を「拒否」したことも、火に油を注いでいる。
全国紙政治部記者はあきれながら、首をかしげる。

ともに街頭演説をする岡田氏と小西氏(岡田氏Facebookより)

「自民の不祥事には厳しいのに、自分たちの不祥事では、最も軽い処分と、Twitterでの謝罪で済まそうとする。メディアに圧力をかけたことに対する本人の謝罪はなし。そんな甘い対応では、この問題は終わらないということに、立憲はなぜ気づかないんでしょうか」

サル騒動や、それに対する立憲の対応も含め、有権者は23日に審判を下す。

※「集英社オンライン」では、統一地方選2023について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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