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〈和歌山・岸田首相襲撃〉木村容疑者の兄に「トラブルや思想」について直撃! 取り押さえた鯛引き漁・漁師の男気溢れた素顔「俺がなんとかしなきゃ」という思いで犯人に…

集英社オンライン / 2023年4月15日 22時31分

昨夏の奈良で起きた悪夢のデジャブなのか。今度は隣県の和歌山で、演説中の現職首相を狙った「テロ」が発生。またしても警察の警備は機能しなかったものの、現場に居合わせた勇敢な漁師が犯人の身柄を確保し、被害が大きくなるのを防いだ。

みんな蜘蛛の子を散らすように逃げ出しました

4月15日午前11時半ごろ、岸田文雄首相が訪れていた衆院和歌山1区補欠選挙の応援演説会場の雑賀崎漁港(和歌山市)で、聴衆に紛れた男が演説台に向かって筒状のものを投げ込み、直後に爆発音が起こって白煙が舞い上がった。男は近くにいた漁師の男性に取り押さえられ、岸田首相や聴衆らにけがはなかった。

現場にいた捜査員に引き渡され、威力業務妨害容疑で現行犯逮捕されたのは、兵庫県川西市、職業不詳、木村隆二容疑者(24)。和歌山県警が爆発物の詳細や動機などについて調べている。


取り押さえられた木村容疑者(写真/共同通信社)

岸田首相が地元で獲れたエビを試食して演台に上がろうとした際、筒状のものが投げ込まれた。その瞬間「お前、なにやっとんや!」と目撃した漁師が怒号を上げて男に飛びかかって押さえつけ、続いて警察官がなだれ込んできた。
現場にいた近くの住民女性が語る。

「地元の人達が200人くらい集まっていて、警察官も会場を囲むように何十人と配置されていました。私は後ろの方にいたので最初は何が起きたのか分からず、前の方から『きゃー!』という悲鳴の後、警察官の『下がってください』という大声の誘導が聞こえました。直後に『ドン!』という大きな爆発音がして、白い煙も少し見えてきて、みんな蜘蛛の子を散らすように逃げ出しました。

演説を見に行く時点で、去年の安倍さんの事件が頭に浮かびましたけど、ここは田舎だしそんな悪い人はいないだろうと思っていたんです。でも実際に同じような事が起きて、怖くてかなり動揺しました。地元の人たちが無事でなによりでした」

容疑者を取り押さえた漁師は、地元でもよく知られた男気に溢れた猛者だった。

現場付近の港(撮影/集英社オンライン)

「Kさんとおっしゃる50代の鯛引き漁をしている方です。漁師だから力も強いしカンも鋭いから、とっさに機敏な動きができたんじゃないでしょうか。漁師の中ではベテランなのに、上下関係を感じさせないくらい気さくで、誰にでも優しくて親切だから漁師以外の地元の人達にも慕われています。
男気があって働き者なのに、全然お酒が飲めない可愛いところもあります。警察より早く動いて捕まえるなんて中々できませんから、本当に勇敢で漁師の誇りですね」(別の住民女性)

『何かあったら俺に相談してくれ』と声をかけてくれる

地元漁師には自民党支持者が多く、演説にはたくさんの漁師が集まっており、Kさんと漁師仲間だったという男性も、誇らしそうにこう語った。

「私が3年前に体を壊して漁師を引退するまで、Kちゃんとはほぼ毎日顔を会わせていました。Kちゃんは若いうちに結婚していて、子供は2人。代々漁師の家系で、現在は青色の2級船舶に乗って、一人で漁に出て鯛を獲っています。『Kちゃん』と呼ばれて、漁師仲間からも慕われる存在で、『何かあったら俺に相談してくれ』と声をかけてくれる、男気溢れる人です。

雑賀崎の漁師達は『困ったときはお互い助け合おう』という精神で日々仕事をしています。例えば、漁師仲間の船がタンカーにぶつけられたら、他の漁師は仕事を中断して助けに向かうし、逃げたタンカーを追いかけます。漁船のエンジンの調子が悪ければ、他の漁師が手伝いに来てくれるし、台風のときも、みんなで連絡を取り合って助け合います。そんな助け合いの精神が根付いているからこそ、Kちゃんも『俺がなんとかしなきゃ』という思いで犯人に立ち向かったのだと思います」

岸田首相は事件後もFacebookを更新(Facebookより)

昨年7月8日、奈良市で参院選の応援演説中の安倍晋三元首相が凶弾に倒れて死亡してから一年も経たずに起こった今回の事件。政治的背景のあるテロなのか、個人的な恨みなのか、単なる愉快犯なのか。再び警備の隙を突かれて凶行を許した警察当局の威信が問われている。

木村容疑者は「弁護士が来てから話します」と動機を黙秘し、実家の兄は集英社オンライン編集部ニュース班の電話取材に「何もわかりませんし何も話せません」とだけ答えた。

木村容疑者の自宅

過去の家庭間のトラブルや思想について質問したが電話は切れてしまった。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班




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