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【漫画あり】「生理が重くなかったら…」「生理が来ないと相談したら妊娠していると言いふらされて…」そんな女の子たちが“自分の体の手綱をしっかり握って安心する”話を描きたかった

集英社オンライン / 2023年5月14日 0時1分

女の子同士の特別な友情を描いたデジタルコミックス『うちらのはなし 木村恭子デジタル短編集』が5月14日に発売される。雑誌「りぼんスペシャル」掲載時、「生理」や「妊娠」をテーマに扱い大きな反響を呼んだ収録読みきり『ママの友達』を特別掲載。作者・木村恭子氏に、この物語に込めた想いについても聞いた。

恋・キラキラだけじゃない!
友情や思春期の悩みを描くのも王道少女まんが

――『ママの友達』は生理の重い女の子と、妊娠のうわさがある人気女子との友情の物語ですが、こちらのテーマを描こうと思われた背景やきっかけはありますか?

「予定にない妊娠をした人が、そのあと楽勝に生きられたらいいのに」と前から思っていて。不安じゃなくて、孤独じゃなくて、人に優しくしてもらえて…みたいな。現実はそうじゃないから、妊娠を扱ったそういうまんがを描こうと思い、「生理」「妊娠」について自分自身が子供の頃から今まで感じていたことを集めて描いた感じです。



婦人科系のことは、人に分かってもらえないとか話してもしょうがないと思って、1人で抱え込んじゃう子が多いような気がして。でも、誰かと完全に分かり合えなくても「なんかちょっと1人じゃないかも」って思えたら安心するかなと思って、女の子たちが自分の体の手綱をしっかり握りつつ安心する話を描こうと思いました。

――妊娠している子と生理の重い子、2人を主人公にした理由は?

1番最初は、妊娠した高校生が楽しく学校に通いながら出産・育児をして進学する話か、中絶したあと楽しく学校生活を送る話かを考えていたんです。だけど、「りぼん」を読む子からしたら「妊娠」はすごく距離のある話に感じるかもしれなくて、「生理」はもう少し身近に感じてもらえるかもと思って、生理に関してあまり納得していない子をもう1人の主人公にしました。

私は「My Body My Choice」という言葉が大好きなんですけど、そういう2人の女の子だったら、私の好きな言葉をメッセージに込めたまんがを描ける気がして、それはいいな〜と思って今の『ママの友達』のかたちになりました。

生理が重い女の子(左)と妊娠疑惑のある学校で人気の女の子が本作の主人公

――生理や妊娠というった題材は、「恋・キラキラした」みたいな少女まんがのイメージとは少し違った印象ですが、意識された点などはありますか?

全然ないです! キスシーンなど、分かりやすい恋愛描写がないだけで、友情や思春期の悩みを描くのも王道少女まんがなので、「かわいい・楽しい・キラキラ・キュンキュン」な感じで描きました。“少女まんがは女の子の世界を広げるもの”だと思っているので、それを私の中で守って描きました。

自分の体で起きていることは、
本人が決めたことが全部大正解

――学校という舞台で、「生理」や「妊娠」について扱っている本作、心情描写がとてもリアルでしたが、誰かモデルがいたのでしょうか?

私が中学のとき保健室登校してて。そのとき普通に喋るけど特別仲良しってわけではないクラスの別のグループの女の子が、保健室の先生に誰にも言わない約束で生理が遅れてるって相談したら、親に「娘さん妊娠してるみたいですよ」って電話されてしまったことがあって。

結局その子は妊娠してなかったんですけど、親とかなり揉めて大変だったみたいで、「あの先生に本当のこととか大事なこと言っちゃだめだよ」って、私に教えてくれたんです。
その子のやり方でただのクラスメイトの私の心を守ってくれたことを、女の子同士が主人公のまんがを描くときにときどき思い出します。

――作中、妊娠しているかもしれない女の子が、「(私が)産むって言ったら(どうする)?」と主人公に尋ねる場面があります。主人公の答えがとても印象的でしたが、このシーンに込めた想いはありますか?

私自身が大切な人から妊娠の報告を受けたときに、びっくりしてまず最初におめでとうって言えなかったことがあって。「自分のびっくりはいったん置いといて1番におめでとうって言いなよ、自分」と思ったんです。ずっとそのことを反省しているので、そういう気持ちがまんがにも出たのかもしれません。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私は学生時代に「私の生理なのに?」と思って、先生が言うことを全部無視して一生怒られてました。生理と妊娠は違うことだけど、両方とも自分の体の中でしか起こらないことなのに、自分以外の関係ない人の声がうるさいわりに助けになりにくく、意味を見出しづらいところが共通してるなと思っていました。

その人の体のことはその人本人が決めたことが全部大正解で、それ以外なしっていうことと、中絶は悪いことじゃないって伝わるように描こうと思って、そこをブレないようにしたので、そういったところが伝わると嬉しいです。

めちゃくちゃ生理が重い高1女子と
妊娠のうわさ広まるクラスの一軍女子のお話

『うちらのはなし 木村恭子デジタル短編集』

著者:木村恭子

2023年5月14日発売

660円(税込)

150ページ

ISBN:

-

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【ママの友達】重い生理に悩む高1の星野と、妊娠のうわさをたてられたクラスの一軍女子・三上。それぞれの「おなかのなかの話」をきっかけに育まれるハートフル友情ストーリー! 【一緒に起きてる】ある日事故で家族を失った中2の川瀬天。喪失の果てに保護施設で出会ったのは、心に深い傷を負った1人の少女で…? やさしい希望の光に満ち溢れた感動のガールズサバイブ巨編! 「りぼん」の増刊号に掲載され、たちまち話題になった珠玉の2編を収録。

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