昨年7月の安倍晋三元首相の襲撃事件を受け、今春、SPを擁する警視庁警護課は人員を50人増やし、定員を300人以上にするなど、体制を大幅に強化した。
そのような状況で迎えた今回の統一地方選は、昨年7月の参院選以来、初の大型選挙であり、SPを派遣する警視庁も、地方遊説を受け入れる各地の警察も、入念な準備と人員で臨んだ。
警察庁関係者が和歌山市での警護を振り返る。
「今回、筒状のものが投げ入れられたときに、すぐに首相の体に『防弾カバン』をかぶせたのは和歌山県警の警護員だったそうです。この警護員は、警視庁警護課で1年間、SPの研修を受けていたこともあったといい、その成果が出たと言えます。近くにいた警視庁のSPや和歌山県警の警護員も首相をかばうようにして走ってその場から離れ、事なきを得ました」
現場では、聴衆を避難させるアナウンスがすぐになされなかったことなど、今後への課題は残っているが、首相のそばにいたSPたちの素早い対応は、おおむね評価されている。
そんなSPとは、いったいどんな人がなれるのか。