1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「二階氏のSPは歩行補佐も」「麻生氏のSPは飲み屋で深夜まで待機」岸田首相襲撃事件で再び注目される「SP」の実態。温泉では裸で目を光らせ首相を警護!

集英社オンライン / 2023年4月20日 7時1分

和歌山市で岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件を受け、再びSP(セキュリティー・ポリス)への関心が高まっている。今回の事件では、筒状のものが投げ込まれた直後、SPが素早く首相をかばい、退避させた。常に危険と隣り合わせ、有事には自らが犠牲になってでも警護対象者を守り抜く覚悟を求められるSPの日常と、その素顔とは。

警視庁警護課は50人増員!
入江聖奈のライバルだった元日本代表も

昨年7月の安倍晋三元首相の襲撃事件を受け、今春、SPを擁する警視庁警護課は人員を50人増やし、定員を300人以上にするなど、体制を大幅に強化した。

そのような状況で迎えた今回の統一地方選は、昨年7月の参院選以来、初の大型選挙であり、SPを派遣する警視庁も、地方遊説を受け入れる各地の警察も、入念な準備と人員で臨んだ。


警察庁関係者が和歌山市での警護を振り返る。

「今回、筒状のものが投げ入れられたときに、すぐに首相の体に『防弾カバン』をかぶせたのは和歌山県警の警護員だったそうです。この警護員は、警視庁警護課で1年間、SPの研修を受けていたこともあったといい、その成果が出たと言えます。近くにいた警視庁のSPや和歌山県警の警護員も首相をかばうようにして走ってその場から離れ、事なきを得ました」

現場では、聴衆を避難させるアナウンスがすぐになされなかったことなど、今後への課題は残っているが、首相のそばにいたSPたちの素早い対応は、おおむね評価されている。
そんなSPとは、いったいどんな人がなれるのか。

県警に取り押さえられた木村容疑者(共同通信)

「剣道か柔道が3段以上、拳銃射撃上級など厳しい基準を満たし、さらに訓練で選ばれた者だけがなれるのがSPです。東京五輪の女子ボクシング金メダリスト・入江聖奈さんのライバルだった元世界選手権代表をはじめ、強者ぞろいです」(テレビ局記者)

SPは街頭演説や記者会見だけでなく、プライベートでの移動にもついていき、ほとんど四六時中、首相や大臣、政党幹部といった警護対象者とともに過ごす。その日常には、一般市民にはなかなか見えない苦労もあるようだ。
政治部記者が語る。

「SPさんたちは、警護対象者がどんな人かによって、日中の過ごし方や忙しさも変わってきます。たとえば、自民党の二階俊博国土強靭化本部長は、歩くときにSPさんの腕につかまるようなこともあり、配慮が必要です。二階さんがつけるマスクがどこかにいってしまったときにはマスクを探したり、座る椅子を引いてあげたりと、お世話するような場面も目にします。

一方、麻生太郎副総裁のSPさんは、夜遅くまで飲む麻生さんのために、日付が変わるくらいまで警護を続け、朝は7時ごろから数十分の散歩にもついていく。夏でも長袖長ズボンで歩くわけですから、汗びっしょりです。
大物政治家は車で家や宿舎まで送ってもらえるため、終電など気にせず夜遅くまで飲むこともしばしば。あるSPさんは、終電を逃したときに備えて、替えパンツや整髪料、髭剃りを常備していると話していました」

首相の前で披露された
吉本新喜劇の「乳首ドリル」にもニヤリともせず

記者たちが一日中、その動向を追いかける首相の警護を担当するSPは、こんな場面も目撃されている。

「安倍元首相が夏休みに温泉に行ったときには、湯舟の中や洗い場に屈強なSPが4、5人ほどいました。温泉にくつろぎに来た一般のお客さんに迷惑をかけないよう、普段よりは柔らかな雰囲気でしたが、目は光らせていました」(全国紙政治部記者)

「安倍元首相が首相公邸で吉本新喜劇のメンバーと面会した際、芸人のすっちーと吉田裕さんが『乳首ドリル』の鉄板ネタを披露して、首相も官邸スタッフも大笑いしていたときも、数人いたSPさんだけはニヤリともせず、仁王立ちしていたのが印象的でした」(同)

選挙中は360度警戒。日中トイレに行かなくていいよう夜のうちに下剤服用も
〈岸田首相フェイスブックより〉

SPの仕事の中でも、今回のような選挙中の警護は、とくに大変だ。

「選挙のときは、不特定多数の聴衆と接する街頭演説や、公共交通機関での移動が続き、気が抜けません。なるべくトイレに行かなくても大丈夫なように、前日の夜に下剤を飲んで、おなかを空にした状態で一日警護にあたるSPもいます」(警察庁関係者)

そんな、どこに危険が潜んでいるかわからないプレッシャーと戦うSPも、当たり前だが業務を離れれば、一人の人間だ。

「屈強で大柄、厳しい表情のイメージが強いSPですが、チームプレーで働き、ずっと一緒にいる警護対象者の政治家との信頼関係が大事な仕事だけに、明るく人柄がいい人が多いのも事実。首相官邸の食堂で、モリモリと親子丼やカレーをほおばり、わいわいしゃべっている若いSPさんたちの姿は、どこにでもいる普通の青年です」(全国紙政治部記者)

政府・自民党は、23日に投開票される衆参5補欠選挙での首相らの演説を屋内で実施するなどの見直しを進めているという。多くの有権者が政治家の演説を聞く機会を確保しつつ、これ以上、政治家も聴衆もSPも危険な目に遭わないようにするため、事件の検証や再発防止が喫緊の課題だ。

警視庁

※「集英社オンライン」では、あなたの周りで起きたトラブル・事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください