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コロナ禍前の売上から117%アップと絶好調。1987年日本上陸以来、愛され続ける「レスポ」が貫く3つのコンセプト

集英社オンライン / 2023年4月25日 11時1分

「レスポ」の愛称で親しまれているスタイリッシュなデザインと機能性が特徴のバッグブランド「レスポートサック」。日本に上陸して早36年、2024年にはブランド創業50周年を迎える。コロナ禍でファンション業界が苦境に立たせられる中、なぜレスポは好調なのか、その理由を株式会社レスポートサックジャパン営業統括本部長・中井康滋氏に訊いた。

ニューヨーカーの移動が快適になるために作られたバッグ

レスポートサックは、1974年ニューヨークにてシフター夫妻によって誕生した、ライフスタイルブランド。来年には50周年を迎える。
日本には1987年に上陸。今や店舗は64店舗を数える。
ライフスタイルやファンション分野において、さまざまなブランドが日本に上陸、撤退を繰り返す中、現在まで支持を得ているブランドだ。



なぜこれほどまで長くブランドが定着したのだろうか? レスポートサックの誕生の歴史を訊いてみた。

「シフター夫妻がビーチで目にしたセーリングからヒントを得て、パラシュートやヨットやボートの帆に使われていた『リップストップナイロン』と呼ばれる素材でバッグを作ろうというのが始まりでした。
この軽く丈夫な素材を使い、デザイン性や機能性にもこだわり、プロダクトを作っていきました。

当時、世界で一番国際的なニューヨーカーの移動を快適にする目標が、ニューヨーカーのみならず、世界中に人々から注目されました。このブランドのDNAが受け継がれてきたことで、現在までブランドが定着している理由だと考えております」(中井さん)

ニューヨーク・SOHO地区にある旗艦店

また、レスポートサックジャパンとして「エターナル」「エフォートレス」「フレキシブル」の3つのキーワードを大切にしているという。

「エターナル」は移動が楽になる快適性やポケットなど物の出し入れがスムーズにできる機能性。
「エフォートレス」はトレンドに左右されず、長く使えること。
「フレキシブル」にはオンにもオフにも使えることというコンセプトがある。

「特に『フレキシブル』はコロナ禍で在宅とオフィス出社がミックスされた働き方が広まったことによって、バッグもオンオフ問わず使えてモビリティを重要視して選ばれることが多くなったことも、好調の要因だと思います」(中井さん)

一部を除き、全てのバッグやポーチは、ニューヨークにあるクリエイティブチームによって開発、デザインされ、月に2回、新作が発表されている。その数はカラーやスタイルのバリエーションを合わせて毎月約100型ほどリリースされる。

「バッグのスタイルはもちろんですが、カラーやプリントのバリエーションが豊かなのも強みだと考えています。お店にいついらしていただいても、新しいバッグやポーチに出会える、お気に入りのデザインが見つかる…そんな選ぶ楽しさをお客様には感じていただければと思っております。

また、昨年からは新しい試みとして日本とニューヨークのクリエイティブチームがタッグを組んで企画する新しいカプセルコレクション(LeSportsac Atelier)が始動しており、大きな反響をいただいております」(中井さん)

定番のボストンバッグシリーズ

また、子どもの頃からアウトドア、修学旅行、スポーツなどイベントで使用し、自然に認知されていることも長く愛されている要因の一つだ。
「親御さんに買ってもらったり、一緒に使っていたりするという実体験によって、レスポ―トサックへの安心感や親しみやすさが自然と生まれる環境も、50年続けてこられた要因なのかもしれません。」(中井さん)

コロナ禍でも売り上げ好調な理由

コロナ禍においても、レスポートサックジャパンの売り上げは好調を維持している。

日本においての売上高は2022年4月~2023年3月は同時期の昨年と比較して、134%アップし、コロナ前の2019年時の売上高と比べても117%アップと上回っている。

多くの企業が苦戦を強いられている中、なぜこれほど好調なのだろうか?

「コロナ禍でライフスタイルが変わる中、先にお伝えした3つのキーワードを活かし、今のマーケットに適したブランドの強みを発信していこうと考えました。

もともとレスポ―トサックは休日に旅行やアウトドアで使用するイメージが強かったのですが、コロナ禍でオンオフの境目があいまいになったことで、どのようなシーンでもシームレスに使用できることを打ち出していったのが好調の要因の一つだと思います。

テレワークなどでパソコンを持ち歩く人が多くなり、コロナ前より荷物が増えた印象がありました。
レスポートサックが創業から大切にしている、素材の軽量さとポケットやサイズ感などの機能的価値を通勤ニーズに合わせて表現出来たことは、大きな転換期だったと思います。特にトートバッグやバックパックが人気ですね。

超軽量で人気のEssential CollectionのMEDIUM CITY TOTE。通勤通学に使いやすい縦型のフォルム

さらにパートナーや家族とのシェア利用の提案も、時代とマッチした。

ジェンダー問わずに使えるデザインのため、パートナーや家族でシェアできるバックパックやボストンバッグなどが人気だ。

「耐久性が優れていることからコロナ禍でトレンドとなったアウトドアでの需要は大きかったと思います。
また、ジェンダーにとらわれないというマーケットでの考え方の浸透がパートナーや家族での使用を促してくれたと考えております。
ブランドの強みがエイジレスからジェンダーレスへ広がっていく感触はありました。」

ジェンダーレスに使えるデザインのESSENTIAL CARRYALL BPは通勤ニーズで大ヒット商品に。PCやタブレットも収納OK!

約80%の商品は再生素材を使用

レスポートサックと言えば、ブランド、著名人、雑誌とのコラボ商品も注目されている。
中にはすぐに完売してしまうくらいの人気商品もある。

「コラボや協業は、もちろん売上面を考えますが、一番はお客様に驚いていただけるのか、喜んでいただけるのか、エモーショナルな部分を大切にして、レスポートサックの新たな魅力の発信を主に考えて、進めています。実際にコラボの経験から強みや可能性を勉強させてもらうことも非常に多いです。」

Essential Collectionとスタイリスト大草直子さんとのコラボコレクション

シンプル且つ汎用性の高いバイカラーデザインのBUCKET TOTE。ショルダーストラップ付きでいろいろな持ち方ができる

また、サスティナビリティにも取り組んでいて、全世界で約80%の商品が再生素材に切り替わっている。

「ブランドとして、サスティナビリティへの取り組みは重要なことです。
一方で、耐久性があり飽きずに長く愛用デザインや家族でシェア利用出来るデザインは、もともとサスティナビリティなブランドとよべるかもしれません」(中井さん)

来年は50周年を迎えるため、さまざまな販売戦略・開発が進行しているという。

「次の50年に向けて節目になる来年は新しいことを発信しますが、やはり“レスポって良いね”と感じていただける方がひとりでも増えることを願っております。そのために、まずはブランドが面白くあり続けることが重要だと考えております。
ブランドのDNAを大切に持ち運びやすい軽量さや機能性、かつスタイリッシュなデザイン性の魅力を失わないレスポートサックを今後もお届けしたいと思います」(中井さん)


取材・文/百田なつき

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