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「大好きでも切らなくちゃならない」「どうしたって苦手なやつはいるけど」U-NEXT映画部スタッフが新社会人に仕事の現実を伝えたいエンパワメント映画5本

集英社オンライン / 2023年4月30日 12時1分

動画配信大手U-NEXTで映画ジャンルを取り仕切る映画部員は現在5人。映画通の猛者たちがこれまでに人生で救われた、もしくは学生時代&新人時代に出会っていれば人生変わっていたかもと思える映画を挙げてもらった。

プロの非情さとマネジメントの孤独がリアル
『マネーボール』(2011)MoneyBall 上映時間:2時間13分/アメリカ

©2015 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation. All Rights Reserved.


常識破りの手法で弱小球団を再建したゼネラルマネージャーの成功譚を、ブラッド・ピット主演で映画化。データ野球の妙とともに男のロマンも描かれ、野球ファンでなくても引き込まれる。U-NEXTで配信中。

【小林哲雄さんイチオシ(編成制作本部 映画部 担当部長 兼 国際部)】

僕は出身が東京都板橋区で、小中高と地元の友達とばかり遊んでいました。今でも地元の友達と遊んでいますが、ひとたび外の世界に出ると、社会にはいろんな人がいるなあと思っていまして。信念を貫く人、周りに合わせる人、上司に媚びる人、仲間を大事にする人もいる。そうした中で、どうにも社会人になりきれない自分がいました。

この作品は、信念を貫くため、そして勝つためには、何かを犠牲にしてでも“やるべきことはやる”といったことが描かれています。

どんなに同僚や仕事相手に対して愛情を持っていても、やっぱり切らなきゃいけないときはある。プロとしてのある種の非情さがもう、すごいんですよね。マネジメントの孤独まで描いている。

あと主人公の補佐となるピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)という人がいるのですが、彼のようにデータを重視する人って、絶対にいますよね。僕はすごく苦手なタイプですが、チームには重要かつ貴重な存在だと思います。

誰にでも自分とは合わない相手はいるもの。社会人となる方たちには、この映画を通して、そういったことにも気づいてもらえるのではないでしょうか。

<小林さんと映画との出会い>
最初に映画館で見た洋画は『グーニーズ』(1985)。「東映まんがまつり」などは親父がよく連れて行ってくれました。

世間に押し付けられたロールモデルからの脱却!
『キューティ・ブロンド』(2001)Legally Blonde 上映時間:1時間35分/アメリカ

© 2001 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.. All Rights Reserved

ポジティブな金髪美女が目標に向かって突き進む姿を描いたコメディドラマ。リーズ・ウィザースプーン演じるエルが元恋人を振り向かせるために進んだ進路で、さまざまな困難に遭いながらも笑顔で乗り越えていく。U-NEXTで配信中。

【宮嶋僚子さんイチオシ(編成制作本部 映画部)】

普段は見ないタイプの映画でしたが、昨年読んだジェーン・スーさんと高橋芳朗さんの対談をまとめた本『新しい出会いなんて期待できないんだから、誰かの恋観てリハビリするしかない: 愛と教養のラブコメ映画講座』で取り上げられていて。「ルッキズムに対するカウンターパンチだ」と書いてあったので、最近になって初めて見ました。

「男にフラれて頑張りました」みたいな話に見えちゃうけど、外見でカテゴライズされることや、世間に押し付けられたロールモデルから脱却する話なんだなと感じました。自分の意思で、自分が好きなように、常識にとらわれず生きていっていい。すごいエンパワメント映画だということに、今更ですが気づきました。

ピンクのフリフリしたルックに惑わされて見ていなかったことが、まさにそうしたステレオタイプだったという(笑)。思い込みをしていてごめんねと思った作品です。

<宮嶋さんと映画との出会い>
主体的に見た初めての映画体験は、キアヌ・リーヴスとリバー・フェニックス共演の『マイ・プライベート・アイダホ』(1991)。10代の頃に親に黙ってこっそり映画館に見に行き、キアヌが大好きになりました。

新入社員におすすめ! 社会人あるあるが詰まってる
『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(2022) 上映時間:1時間22分/日本

©CHOCOLATE Inc.

同じ1週間を繰り返す社員たちが脱出を目指すオフィス・タイムループ・ムービー。共感と笑いにあふれたストーリーが展開。U-NEXTで配信中。

【齊藤瑶さんイチオシ(編成制作本部 映画部)】

社会人あるあるがふんだんに散りばめられている作品です。おすすめのターゲットは新社会人。ちょっと仕事に慣れ、社内の雰囲気もわかるようになってきた7月〜8月ぐらいを目処に鑑賞していただくと、非常に身近な職場を投影することができると思います。

毎日同じ同僚たちと机を並べて仕事をしていたら、そりゃ色々あるわけですよ(笑)。そのことが上手いことコメディで昇華されていて、ほっと一息つきたいときにおすすめの作品だと思います。

<齊藤さんと映画との出会い>
父親に吉祥寺のバウスシアターに連れていってもらい、『ダイナソー』(2000)を見たのが映画館デビューでした。両親がものすごい映画好きで、子供の僕にも『トレインスポッティング』(1996)などを見せてくれていましたね(笑)。
大学でひとり暮らしを始めて、親の好みとは違う自分の好きな映画を見るようになってからは、ちょっとマニアックな道に入って今に至っています。(部長の林さんによると、U-NEXT入社時の面談には、『ピンク・フラミンゴ』(1972)を好きな映画の筆頭に挙げ、他の受験者と一線を画していたという逸話も)

古くさいけど泣ける! 日本の企業戦士の実話を映画化
『陽はまた昇る』(2002) 上映時間:1時間48分/日本

©2020「陽はまた昇る」製作委員会

西田敏行主演。世界規格となったVHSビデオの開発秘話を映画化した感動作。日本人の物作りへの情熱、仕事への姿勢を骨太に描いた本作は、ネットビジネスがもてはやされる今だからこそ再鑑賞したい。U-NEXTで配信中。

【林健太郎さんイチオシ(編成制作本部 映画部長)】

先に挙がった『マネーボール』では、「今日の午後には荷物をまとめて去ってくれ」といった非常にアメリカ的な話が描かれますが、この作品は対極にある物語。ひとりもクビにしないと宣言し、駄目な組織を変えていく、NHKの『プロジェクトX~挑戦者たち』でも取り上げられて有名になったVHS誕生をめぐる話です。

ひとりの情熱ある人物が左遷されて工場長になるのですが、何割かの人員を切れと言われたのにひとりも切らないんです。その代わり、お荷物とされていたそのメンバーたちだけでVHSを開発するために奮闘するという。20年前に作られた50年前の物語なんですけど、若い人たちからすると、いろんなことがだいぶ古くさく見えると思います。

でも、最初の20分ぐらいを我慢して見てもらったら、今の人にも絶対刺さると思っています。とにかくがむしゃらに働くとか、同僚を信じるとか、情熱を伝えるとか、人を作るとか、効率一辺倒の今だと敬遠されてしまうようなことがてんこ盛りです。でも、絶対泣けるんで!

西田敏行を筆頭に、キャストも本当に豪華で素晴らしいです。僕は『マネーボール』の世界も『陽はまた昇る』の世界も、どちらも真理だと思うんですよね。そしてどちらも最高の映画です。ぜひセットでご覧になっていただけたらと思います。

<林さんと映画との出会い>
子供時代はまったく映画を見る習慣のない家庭で育ちました。大学時代に東京でひとり暮らしを始めたときに、あまりにも暇すぎて近くにあったレンタル店に通うようになり、大量の映画を浴びるように見まくったのが映画好きになったきっかけです。

新しいことを始める人の背中を押してくれる
『マダム・イン・ニューヨーク』(2012)English Vinglish 上映時間:2時間13分/インド

©Eros International Ltd.

英語ができないことを家族からバカにされていたインド人主婦のシャシは、姪の結婚式でNYを訪れたのを機に、内緒で英会話学校に通うことに。きらびやかなダンスやアクションで知られるインド映画とは一線を画す、心温まる人間ドラマ。U-NEXTで配信中。

【君嶋裕樹さんイチオシ(編成制作本部 映画部)】

迷っているときに見たら、新しいことを始める一歩になるような映画です。

インド家庭の一般的な主婦が英語を勉強して、夫や子供をぎゃふんと言わせてやろうみたいな感じで物語が始まります。英語を勉強する中で新しい人と出会い、新しい価値を覚えていく。そして次第に、女性は黙って夫に従うだけじゃないということを知っていきます。

英語の勉強をきっかけに、自信をつけていくんですね。僕もずっと英語を勉強しているのですごく刺さりました。改めてちゃんと勉強しよう!と思いましたし、新しいことを始めようとする人の気持ちを後押ししてくれる映画だと思います。

あとインド映画は歌って踊るイメージがめちゃくちゃ強いのですが、この映画はそこまで超ギラギラな感じではありません。控えめに踊ってくれるので、インド映画初心者にも優しい映画だと思います。

<君嶋さんと映画との出会い>
子守唄代わりに『スター・ウォーズ』(1997)などを見て育ちました。2度目の映画との出会いはFilmarksのアプリを使い始めた大学2年生くらいのとき。フォロワーの方からおすすめを教えてもらい、毎日たくさんの映画を見るようになりました。一番好きな俳優はロバート・デ・ニーロです!



取材・文/今祥枝

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U-NEXT映画部
2023年4月現在は総勢5名。100社を超える映画会社と向き合いながらの作品調達、映画作品をテーマ別にキュレーションした特集の制作、「ONLY ON U-NEXT」として打ち出す独占先行作品の選定と交渉、映画作品への出資、映画祭との連携等々、映画に関することの全般を手掛ける。

U-NEXT
https://video.unext.jp

U-NEXT映画部のnote
https://note.com/unext_movie

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