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G.Wの渋滞ロングドライブはご用心! エコノミークラス症候群は飛行機移動だけじゃない。翌日にむくみや痛みが発生したら要注意

集英社オンライン / 2023年4月29日 8時1分

ゴールデンウィークを利用して、車で遠出しようと計画している人も多いだろう。だが、渋滞でずっと座りっぱなしということも想定されるので、エコノミークラス症候群には注意したほうがいいようだ。そもそもエコノミークラス症候群とは? 対策は? 下肢静脈瘤専門クリニック目黒外科 院長の齋藤 陽先生に解説いただいた。

車移動でも、エコノミークラス症候群になる

エコノミークラス症候群と聞くと飛行機のイメージがあるかもしれませんが、車で長時間のドライブでも注意が必要です。
また、病名としては、エコノミークラス症候群という名で知られていますが、実は深部静脈血栓症と肺塞栓症の2つに分かれます。

一番多いパターンは、深部静脈血栓症です。


脚の中には2つの静脈があるのですが、皮膚の浅いところを流れる表在静脈と筋肉や組織に包まれた深いところを流れる深部静脈があり、この深部静脈に血のかたまり(血栓)ができることを深部静脈血栓症と言います。

深部静脈の血流はどのように作り出せされているかというと、主にふくらはぎや足の筋肉の収縮が深部静脈を圧迫することで、血流が心臓に向かって流れていきます。
よくふくらはぎの筋肉にポンプ作用がある、足は第2の心臓と呼ばれているのは、こうしたわけです。

それが、長時間のドライブや渋滞の影響で、ずっと同じ姿勢で座っていると、足やふくらはぎを動かさないため、深部静脈の血流が止まってしまいます。
川の流れで例えると、よどんでしまっている状態です。
このように血管内の流れが悪くなり、血管の中に血のかたまりが作られて、そこに痛みや腫れが生じるのが深部静脈血栓症の症状です。

さらに高速道路の渋滞にはまってしまうと、トイレのことが心配になり、あまり水分を摂らないようにしてしまうと思います。

こうして、さらに血液は濃縮状態のドロドロに。なので、こういった条件が揃ってしまう、ゴールデンウィーク期間中のロングドライブはエコノミークラス症候群に注意が必要なのです。

経口避妊薬を飲んでいる人は
深部静脈血栓症になりやすい

深部静脈血栓症の症状は主に脚のむくみ、腫れ、痛みが生じます。

深部静脈血栓症にも2つタイプがあって中枢型と末梢型というのがあります。
中枢型は、足の股関節付近に血栓ができて血管が詰まるタイプです。股関節は肺に近いので、血栓が肺に飛びやすく、呼吸が苦しくなる肺塞栓症のリスクが高くなります。

対して、末梢型は主にひざ下にあるヒラメ静脈に血栓ができるので、脚全体が痛くなったり、むくんだりしてしまいます。
ただ、ひざ下だけでなく血栓がどんどん股関節周辺まで伸びてしまうと中枢型になり、脚全体がパンパンに腫れてしまい、息苦しくなって肺塞栓症の症状を引き起こすこともあります。

末梢型はなかなか症状がわかりにくいのですが、初期症状の場合、左右どちらかのふくらはぎに痛みが出始めたり、むくんだりしてきます。

ただ、痛みやむくみはその日に症状が出ず、翌日以降に朝起きたら脚がパンパンに腫れたり、むくんだりしています。
ドライブ中に痛みがないからといって、安心しないように。
左右の脚の太さが明らかに違うくらいのむくみ、痛みを感じたら、ただちに病院を受診しましょう。

また、深部静脈血栓症を起こす危険性が高いのは
・高齢者
・がんの治療中の人
・妊婦
・肥満の人
・経口避妊薬(ピル)を飲んでいる人
などです。

高齢者は、筋肉量の減少や水分をあまり摂らない人が多いので、家族で旅行するときには気をつけてください。

また、旅行の日程に合わせて、生理を調整しようとして経口避妊薬を飲む人は、その副作用によって血栓ができやすいので、ロングドライブや長時間の飛行機移動をするときは注意が必要です。

長時間同じ姿勢でいる、高齢者で水分を十分摂っていないなどの条件が重なってしまうと深部静脈血栓症になりやすいことを覚えておいてくださいね。

予防には着圧ソックスがおすすめ

エコノミークラス症候群にならないようにするためには、ドライブ中になるべく足を動かしたりすることです。つま先を床につけて、かかとを上げたり、足首を上下に動かしたりするなどしてふくらはぎの筋肉を動かしましょう。

もうひとつ、おすすめなのが着圧ソックスです。
着用することで、程よく足を加圧して、むくみを予防するので、健康上問題がない人ならドライブする日に、はいていくと足が楽になりますよ。

また、ゴールデンウィーク中は急に暑くなる日もあるので、熱中症の予防のためにも水分をしっかり摂るようにしてください。
渋滞でトイレの心配がある場合は、携帯用トイレを車の中に常備しておきましょう。

目的地に早く着きたい気持ちはわかりますが、エコノミークラス症候群や熱中症のリスクを下げるためにも、休憩を取りながら、足を動かして水分をしっかり摂ることがおすすめです。

取材・文/百田なつき

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