下町で老舗古書店〈東亰バンドワゴン〉を営む大家族・堀田家を描いた、小路幸也さんの人気シリーズ第18弾『ペニー・レイン』が刊行されます。ペニー・レインとは、ビートルズのメンバーが幼少期を過ごしたリバプールにある通りの名。その懐かしい町並みを歌った曲にちなんで、堀田家を中心とした下町の通りやお店、それを営む人々の様子がいつにも増して丁寧に、楽しく描かれていきます。
この春は堀田家周辺も大忙し。会沢家と増谷家の家が完成し、藤島ハウスからの転居、そこにイギリスから帰ってきたマードック・藍子夫妻が入居するなど、大引っ越し大会が始まります。そんな気ぜわしい中でも、お約束の事件やトラブルが勃発しますが、どのエピソードにも日々暮らす町の気配や匂いが感じられ、どこか懐かしい思いに満たされます。本作にどんな思いが込められているのか、小路さんに伺いました。
聞き手・構成=宮内千和子/撮影=川尻亮一