ハワイに来たら必ず訪れたい観光スポットといえば、ハナウマベイとダイアモンドヘッド。
ハナウマベイは自然保護区に指定され、ハワイ州によって厳しく管理されているため、色鮮やかな熱帯魚やウミガメ、珊瑚などをシュノーケリングしながら鑑賞できるスポットだが、コロナ渦の2021年4月より、自然保護の観点から入場者の数を制限。オンラインでの事前予約が必須となっている。
「アザラシに触ったら罰金600万円!?」「あの人気スポットは予約制に」GWにハワイに行く前に知らないとマズイ3つのこと
集英社オンライン / 2023年4月28日 18時1分
脱コロナ一直線のハワイに、日本人観光客が戻り始めた。「今年は3年ぶりにハワイに行ける!」との声が多く聞かれるが、実はコロナ禍の“空白の3年”の間にハワイのスタンダードが少しだけ変わっている。観光スポットの入場予約やプラスチック排除、うっかり触ったらSNSで大炎上必至の海洋生物など、ハワイ旅を計画している人は必見だ。
あの人気スポットが予約制に。
人気の時間帯は5分で埋まることも
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ハナウマベイと言えば、シュノーケリング。現地でレンタルできるので手ぶらでOK。海の生物鑑賞に夢中になって、背中が日焼けで真っ赤になるのもハナウマベイあるある。日焼け止めを忘れずに
予約は入園希望日2日前の7時からスタート。週末を希望する場合、開始5分であっという間に人気の時間帯(朝8時~12時頃)は売り切れるが、早朝や午後の枠は開始30分前頃まで余っていることも。とはいえ午後は日差しが強すぎるので、おすすめしない。
入園料は1人25ドル(約3350円)で、クレジットカード決済を選ぶとサービス料2.35%が加算される。事前予約したとしても予約時間15分前に到着することが求められ、予約確認後は、自然保護やビーチでのマナーについて約5分のビデオ鑑賞が義務付けられるなど、なんとも注文の多いハナウマベイなのだが、湾の美しさは一見の価値あり。ハワイ観光のハイライトとして、心に刻まれる体験となるだろう。
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ハナウマベイに生息する生き物の紹介や、珊瑚に触ってはいけないなど海でのマナーについて展示している資料館
化学物質を含む日焼け止めクリームの流通が禁止に
お次は、ダイアモンドヘッド。アメリカで一番有名な山とも言われているハワイのシンボル的存在だが、2022年5月から、オンラインでの事前予約と入場料5ドル(約670円。3歳以下は無料)&駐車料金10ドル(約1340円。一般車両、一台の場合)が徴収されることになった。
これらの入場規制の背景には、コロナ禍で観光客が激減し、大打撃を受けたハワイであるにもかかわらず、その反面で「海がキレイになった」「観光地でのゴミの散乱が減った」「渋滞が減った」というメリットも生じた。それを受けて、そこにはハワイを想う地元民の目線が強く影響している。
以前から問題視されていた「化学物質を含む日焼け止めクリームを塗って海に入ると、サンゴ礁が白化する問題」も幾分解消されたようで、2021年1月より、ハワイ州では化学物質を含む日焼け止めクリームの流通が法律で禁止に。これは、世界で初めての取り組みだ。
その代わり、ハワイの薬局やスーパーでは“Reef Safe(サンゴを守る)”“Reef Friendly(サンゴに優しい)”などと表記されているミネラル成分100%のものが流通しているので、日焼け止めクリームは現地調達しよう。
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ハナウマベイの美しいサンゴ礁を守るため、化学物質を含む日焼け止めクリームは禁止。持参したクリームが化学物質を含んでいる場合、ギフトショップでリーフフレンドリーのものと交換、割引価格で購入できる。
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どのスーパーでも、リーフフレンドリーの日焼け止めクリームを購入できる
使い捨てプラスチックの使用が続々と禁止に
スターバックスコーヒーのストローが紙になって賛否両論あるが、環境問題において日本より一歩先行くアメリカ・ハワイでは、さらに徹底したプラスチック排除が法律で定められた。
まずは2020年1月より、スーパーマーケット等でプラスチック袋の配布・販売が禁止に。旅行中も常にエコバックを持ち歩くことがおすすめだが、バッグを忘れた場合は、レジで紙製のバッグを15セント(約20円)で購入できる。ちなみに、レジでは「Do you need a bag?(袋は要りますか)」と必ず聞かれるので、英語が聞き取れず適当に「イエス」と答えてしまうと、バナナ一本でも袋代が取られてしまうので気を付けよう。
さらに2022年1月より、スーパーの惣菜、弁当、レストランのテイクアウト容器などに、プラスチック、発砲スチロール製の容器を使用することが禁止となり、主に再生可能なプラスチック容器が使われている。
環境への意識が高いレストランや、日本人観光客に人気のホールフーズ・マーケット、ダウン・トゥー・アースといった自然派スーパーマーケットでは、植物由来の原料で作られた紙製のテイクアウト容器を使用。
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ベジタリアンやヴィーガンがこよなく愛するスーパー、Down to Earth。ここで提供されているお惣菜、お寿司などの食品にはオーガニックやローカル素材を使用されている。
試しにグリーンカレーを汁多めで入れてみたが、汁が紙に浸透することはなかった。紙製とはいえ、なかなかよく出来ている。
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ベジタリアングリーンカレー。植物由来の原料で作られた紙製のこの容器は、90日以内に土壌に還るという。
うっかり海洋動物に近づくと大変なことに…
360度、海に囲まれたハワイのビーチでは、海洋動物が昼寝をしている場面に遭遇することがある。なかでも、ハワイ語で“ホヌ”と呼ばれ地元民に愛されているウミガメは、ノースショアのラニアケアビーチなど有名な出没スポットでお目にかかれるが、実は絶滅危惧種に指定されており、ハワイ州とアメリカ合衆国の法律により「3メートル以上の距離を取ること」「餌をあげない」「触らない」ことが定められている。
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ビーチに上がって甲羅を乾かすウミガメ。見張りの人が監視しているビーチもあれば、見張りがいないビーチもあるので、うっかり近付いてしまわないよう3メートルの距離を意識しよう
その他、ハワイアンモンクシール(あざらし)は15メートル以上、イルカは45メートル以上、ザトウクジラは90メートル以上の推奨距離を保たなければいけない。
ウミガメ以外の海洋動物にはなかなかお目にかかれないが、取材中、運良く西オアフのビーチでお昼寝中のハワイアンモンクシールに遭遇! 神の使いかと思えるほどに神々しい。
ハワイアンモンクシールは世界で最も絶滅危惧のある動物に指定され、約1400頭のみがハワイ周辺だけに生息しており、ハワイ在住者でも遭遇率は低め。とはいえ、ハワイ在住のつんく♂氏がアラモアナビーチで見かけた映像をSNSに投稿しているので、運が良ければ?日頃の行いが良ければ、間近で拝める可能性も。
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中央に寝そべっているのがハワイアンモンクシール。監視がいないビーチだったが、ビーチ客の誰一人として15メートル以内に近付くことはしていなかった。
ハワイアンモンクシール関連でもう1つ。昨年、新婚旅行でハワイを訪れていたアメリカ人夫婦がハワイアンモンクシールに触った映像をTikTokに投稿し、大バッシングを受けたことがニュースで報じられた。当の本人たちは「ルールを知らなかった」と謝罪したが、SNS民によって顔と名前が晒された挙句、500ドル(約6万円)の罰金が課せられ、踏んだり蹴ったりに……。場合によっては、最高5年の懲役と最高50,000ドル(約670万円)を超える罰金が科せられる。
コロナ禍前は、ルールを知らない観光客が「ウミガメに触った」と自慢する声がチラホラ聞かれたが、何気ない日常をSNS投稿することがコロナ渦のスタンダードとなった今は、全世界の人々が24時間体制でSNSパトロール中だ。
海洋動物が出没するビーチには、たいてい注意を促す看板が立っているが、英語のみの表記で日本語訳が書かれていないものもあるので、うっかり観光客テロをしないためにも推奨距離を守った上で海洋動物ウォッチングを楽しもう。
以上、ハワイに行く前に知っておきたい情報3つを現地よりレポート。観光ルールやマナーが多少変わったとはいえ、マスクから完全解放された笑顔溢れる島、ハワイはコロナ前と変わらず無償の癒しを与えてくれる。次の休暇はハワイで決めよう。
※1ドル=約134円(4月27日現在)
取材・文・撮影/井上慶
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