1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

〈見覚えあり?〉出演タイトル約2500本! 15年間アダルト一筋“脱がない”エキストラ女優の素顔。“絡み”中に考えることは「晩ご飯何にしようかな」

集英社オンライン / 2023年5月4日 17時1分

映画やドラマでは欠かせない“エキストラ”。それはAVでも例外ではない。今回はAV専門のエキストラ女優、新城(あらしろ)きっかさん(43歳)を直撃。事前準備や撮影中の心構えなど、アダルトな現場ならではの仕事哲学を聞く。

15年で出演AVは約2500本

「AV専門のエキストラを始めたのは2008年からです。
メイン女優の母役や姉役、NTR(寝取られ)作品における妻役から、セリフのないカフェ店員や、電車痴漢モノの乗客役など、あらゆる作品に出演してきました。
出演本数は2500本ほどですね」

AV専門のエキストラとして活躍する新城きっかさん

AVエキストラ歴15年の新城きっかさんは、そう誇らしげに語る。大ベテランと言ってもよさそうな出演本数だが、一般作のエキストラ出演はしたことがないそうだ。なぜ彼女はアダルト作品のエキストラに出ることになったのか。



「もともとエロ本の出版社の映像事業部に勤めていて、AVの撮影現場には出入りをしていました。その会社を辞める時に他のAVメーカーのスタッフから『現場を手伝ってくれないか』と誘われたことがきっかけです」

とはいえジャンルはアダルト。出演に抵抗はなかったのか。

「18歳のときからヌードデッサンのモデルや、ピンク映画やVシネマの脱ぎありの端役をしていて、裸や性愛を描く現場には慣れ親しんできました。10代の頃から漫画家志望で創作物に対する思い入れもあり、映像作りに携われることへの喜びもありました。それがたとえエロだろうと抵抗はなかったんです」

設定に合わせた服や荷物を用意して現場入り

現在、新城さん自身が肌を見せることはほとんどなく、性行為が始まる前のドラマシーンでの出演が多いという。

「最近はNTR作品の妻役がものすごく多いんです。3日間、旅行に行っている間に夫がヒロインのAV女優さんとのセックスに溺れる……みたいな。旅行鞄を持って『じゃあ、お母さん、行ってくるからね』というセリフを今年に入ってから何度も言ってる気がします(笑)」

時には不倫に走る夫、時には同級生とヤリまくる娘……いずれも妻や母役である自身が不在中にコトが起こる設定だ。
そのため、家を出るシーンではこんな工夫をしているという。

「やはりドラマの冒頭で、妻、もしくは母役である私が外出するからこそ生まれる夫や娘の“絡みの時間”。それを視聴者に知らせる意味で私の映り込みは重要です。
私にカメラのピントが当たることはほとんどないんですが、ちゃんと存在をアピールできるように、なるべく旅行にふさわしい身軽な服装だとか、小さく映り込んでも目立ちやすいよう明るい服を用意し、大きな鞄を持って現場に入るようにします」

メインの女優(中央)の母役の新城さん(右)。娘の同級生を交えて談笑するシーン

制服が必要な学園ドラマ、ウェイトレス、女医や看護師役といったものでない限り、服も持ち物も基本的に自前だという。

「なのでお仕事をいただく時に、季節の設定とか旅行期間がどのくらいかをあらかじめ聞き、その状況に合わせた服や鞄の大きさ等を設定に合わせて持参しますね」

“絡み”の間にエキストラが考えていることとは?

さらに、AVならではの“あり得ないシチュエーション”の再現に華を添えるのもエキストラの重要な役目。

「例えば、特殊な能力を持つ人が時間を止めている間に女性にいたずらをしてしまう展開で、業界的には“9割が偽物”と言われているコメディシリーズで『時間停止』ものというジャンルがあります。私も授業参観編や健康診断編にエキストラで出演しましたが、どのポーズで静止するかが大事。長いことポーズを維持しなくてはいけないので、楽な姿勢を取るコツを覚えました。まぁ一番楽なのはただの直立なんですが(笑)」

その間、何を考えているかというと「なるべく無になるようにしている」と新城さん。

「文字通り時間が止まってるわけだから、思考停止を心がけてますね。考えるとしたら『早く時間終わらないかなー』くらい(笑)。

新城さんの手帳にはエキストラ出演の予定がビッシリ。自らは脱がないが、メイン女優の手コキの手伝いをすることも

満員電車の痴漢作品では、すぐそこで行われている痴漢行為にまったく気づかない乗客という役割が欠かせません。
我関せずの素振りと、不自然にならない程度に電車の揺れを再現する動きをしながら20、30分の長尺を乗り切らなければいけないので、『今日は晩御飯、何しようかな』とか、わりと日常的なことを考えてますね」

真に迫りすぎてメイン女優を泣かしたことも

また、一般作のエキストラと違い、アダルト作品のエキストラならではの心構えもあるという。

「私たちエキストラは状況を自然に演出する背景でありながら、ドラマシーンを説明する役割も任されています。だからこそ、私がイビリ役だったら本気で叱って女優さんを怖がらせます。
前に一度、本気で怒りすぎて女優さんを泣かしてしまったこともありました。私は女優さんをその気にさせるのもエキストラの役割だと思っているので、泣かせたことは大成功だなと思うんですけど」

まさにその、新城さんが女優を泣かせたシーンを目撃し、衝撃を受けたというAVライターの東風克智氏は言う。

「サディスティックヴィレッジというメーカーの『健康診断』という、女性社員が男性社員の中で素っ裸になり様々な健康診断を強いられるシリーズがあります。

健康診断を拒む女性社員役の永井みひなちゃん(現女優名は「みひな」)に容赦ないビンタをかましていたのがまさに新城さんです。ビンタされたみひなちゃんは驚きと恐怖で顔を強ばらせながらも、健康診断を受け入れる様が迫真で、見る者をグッと惹きつけました」

サディスティックヴィレッジ作品の喫茶店店員に扮する新城さん。生意気な女性客をイビる役だ

「やはりAVにおけるメインは“絡み”。私たちの役割は女優さんがセックスに全力投球できるようにすること」と新城さんは自身の仕事哲学を語るが、それが前面に出たエピソードといえるだろう。

アダルト作品には、こういった “あり得ない状況”の作品は多い。だからこそ、それを盛り立てて作品を成立させる彼女は、“AV界の名優”の域にすら達している。

後編ではエキストラ女優のギャラ事情や身バレについてうかがってみよう。

取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください