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アダルト業界“伝説のエキストラ女優”のギャラ事情。「遠征で日給5万円、遺影用の写真提供で5000円」「身バレの心配はしていません」夫も子どももいて仕事と育児を両立

集英社オンライン / 2023年5月4日 17時1分

ただでさえ日の目を見ることが少ないエキストラ俳優。それもニッチなアダルト業界で奮闘する女性がいる。新城(あらしろ)きっかさん(43歳)。前編ではその仕事哲学について語ってもらったが、今回は身バレやギャラ事情、監督や男優との知られざる関係に言及してくれた。

同僚に「(AVに)出てましたよね?」と聞かれ

AVに出演する人の多くが恐れる“身バレ”。エキストラとはいえAVに出演する新城さんにも夫がいるが、自身の仕事についてどう説明しているのか。

「旦那はAV業界に近いところで仕事をしているので、もちろん公認です。私は好きでこの仕事をしているし、旦那もそのことに不平不満はなく、円満な夫婦関係ですね。私や夫の実家にはいちいち話すことでもないので知らないと思います。4歳の子どもに大きくなってから話すかどうかは、状況次第でしょうね」


自身のTwitterで子どもの近況を頻繁に報告するなど、プライベートをさらけ出す新城さん

とはいえ、出演本数は15年間で2500本近く。ママ友などに“身バレ”をしてもおかしくはない。

「私自身、隠そうとしてないので『出てるよね?』と聞かれたら嘘をつくつもりはありませんが、おそらくママ友には気づかれてないと思います。ただ、以前、渋谷駅ビルのショッピングセンターで勤めていたときに、同僚の若い女の子から『黒田悠斗さん(横浜国立大卒のマッチョ男優)のファンでよくAVを見るんですけど、新城さん出てましたよね⁉』と言われたことがありました。

もちろん認めましたよ。最近はなぜか男性より女性に気づかれることが多いですね。男性は気づいても言えないだけかもしれませんが」

時間の読めない撮影現場。仕事と育児との両立は可能なのか。

「子供が生まれる前は平均して月に20本くらい出演していて、朝9時から夜21時まで、長丁場だと朝までかかる現場に出ていたこともありました。
今は子供を保育園に預けている間に出られる作品や、スタッフさんに時間のリミットを伝えて調整していただきつつ、平均して月10本くらい出演しています」

1日でギャラが5万の撮影も

子育てをしながら月10本も出演するのはなかなかタフな生活だが、肝心のギャラはいくらぐらいなのか。一般作品のエキストラのギャラよりも高いのだろうか?

「一般作のエキストラは日給5000円ほどが相場だと言われていますよね。1時間で終わっても丸一日かかっても同じギャラで、一日撮影の場合は決して割のいいバイトではないため、一般作からAVに移ってくる方もいるほどです。
私の場合はメーカーさんが基本的に時給1000円以下にはならないような計算をしてくれていて、2時間拘束で5000円という時もあれば、千葉や山梨などの遠方のスタジオで丸一日拘束されて5万円というときもありました」

制作スタッフからLINEで仕事依頼が入る。月末に撮影が集中することが多いという

なかには、亡くなった母親の遺影用に写真を提供しただけで5000円をもらったこともあったそう。確かに一般作品より割はよさそうだが、新城さんにとってこの仕事のやりがいはお金ではない。

「やはりアダルトの世界が好きだからにほかなりません。AVの夢や妄想溢れる世界観、それらを真剣に考えて作ろうとしている人たちが好きなんですよね。業界の作り手は外の人が思う以上に真剣にアダルトに向き合って作ってます」

そんなガチな制作現場にあって、脇役ながらも新城さんの芝居が高く評価されることも少なくない。

「ある作品で、私が『女性の権利を守る会』の委員長的な役を演じたときに、審査団体(“適正AV”であるかを審査する団体)の方から監督のもとに『この委員長役の女性があまりにも真に迫っているが、実際の人物なのではないか?』と問い合わせがきたそうです。
こういう話を聞くと、フィクション作品に妙な真実味をプラスできた気がして嬉しいですし、やりがいを感じます」

新城さんをおかずにするのが“男優あるある”

AVファンからの評価も高い。

「レビューに『またこの男優かよ』と書かれるのはよくありますが、エキストラもそれは同じで、顔を覚えられてると『またこいつかよ』と思われてしまうらしんです。
その点、私はいい意味で印象がない顔と自然な佇まいがAV向きなのかなと感じています。
レビューにも『新城さんがいい表情してる』なんて書いていただくこともありますよ(笑)」

アダルトVR監督の、こあら太郎(わ)監督もエキストラの重要性をこう語る。

「エキストラの方々がいるといないとでは没入感が違います。例えばAVのパンチラよりもYouTube動画のパンチラのほうが興奮しますよね。それは通常見ることのできないものだから。
それと一緒でAVにセックスをしない第三者がいることでドラマが生まれるし、視聴者は感情移入できる視点が増える。そうするとエロに奥行きが出るんです」

新城さんと共演したことがある男優歴24年の森林原人氏もこう話す。

元病院だったという撮影スタジオに入りナース服で撮影に備える新城さん。この日もメイン女優にビンタするなど迫真の演技を行った

「新城さんだけに限らずエキストラ女優さんに助けられた男優は多いと思います。というのも、メインの女優さんはキレイでスタイルもいい女性が多いのですが、プロ意識が高過ぎて感情をわからないことがあります。また、女優さんが何らかの事情で不機嫌だったりすることもある。
そうするとこっちも乗り気になれないものなんですが、そこでごく自然にふるまっているエキストラ女優さんがとても魅力的に見えちゃう。
ここだけの話、新城さんを見ながら勃起を維持して絡みをしたこともありました。
これは僕だけじゃなくて、男優なら一度は経験する“あるある”ですよ」

女優も男優も、新城さんに助けられた人は業界に多いようだ。間違いなく“AV界の名優”にふさわしい仕事ぶりといえるだろう。

取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班

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