ある休日の午後、夫とふたりでラーメン屋さんに行った。
混雑したお昼時よりは少し遅めの時間帯。六本木にほど近い場所にあるラーメン屋さんだけど、あくまで地元密着型の素朴な町中華テイストのラーメン店だ。
その店はそこそこ大箱で、カウンターとテーブル席を合わせると30人くらいは入れるだろうか。
ここは食券を買うのではなく、お店の人が注文を取りに来てくれる。
入ってすぐ、ふと奥を見やると20代前半くらいの男女5人が料理やラーメンを食べつつ、ビール、マッコリ、日本酒などで宴会中だった。
座席の周りにはラケットケースのようなものやスポーツバッグが置かれており、
「ああ、テニスサークルか何かの試合か練習のあとかな」なんて推測して、自分たちはそこから少し離れたテーブル席についた。