かつての“朝の顔”ウィッキーさんは今? 白人女性起用のはずの『ズームイン!!朝!』に抜擢された衝撃のテスト撮影ハプニング「おばちゃんに“tax”を聞き間違えられ…」
集英社オンライン / 2023年5月3日 13時1分
4月20日、朝の情報番組『THE TIME,』(TBS系)にサプライズ出演したアントン・ウィッキー(86)、通称“ウィッキーさん”。若い世代にはピンとこないかもしれないが、40代以上の方は思わず「懐かしい!」と叫んだはずだ。今回はその懐かしのウィッキーさんへの直撃取材をお送りする。
現在は英会話教室の先生
令和の“朝の顔”といえば、羽鳥慎一や安住紳一郎などが挙げられるが、昭和末期から平成初期にかけての朝の顔としてお茶の間に愛されたのがウィッキーさん。日本テレビ系で放送されていた朝の情報番組『ズームイン!!朝!』(~2001年)で、街頭の一般人に英語で話しかける名物中継コーナー「ウィッキーさんのワンポイント英会話」を、1979年の番組開始当初から15年もの長期にわたって担当。当時は「ウィッキーさんと英会話してて遅れた」と遅刻の言い訳に使われるほど、おなじみのコーナーだった。
そんなかつての人気者の現在の様子をお届けするとともに、当時の思い出話を語ってもらった。
――ウィッキーさん、今日も英会話教室だったんですね!
ウィッキーさん(以下、同) そうなんですよ。今も都内と都内近郊の複数のカルチャースクールの英会話教室で週に7回ほど教えています。
生徒は何人か数えきれないけど8割以上が年齢層高めの女性ですね。
あとは私のワイフのつながりで紹介してもらった東郷記念館で行われる結婚式の司会を100回以上はやりました。今もなんだかんだ、忙しくやらせていただいてます。
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現在のウィッキーさん
――『ズームイン‼︎朝!』の「ワンポイント英会話」は、月から金まで毎朝7時台に3分間の中継レポート。当時もとても忙しい日々だったかと思います。
番組では北は稚内から南は沖縄まで日本人以上に日本全国を回らせていただいて、あらゆる街で「グッドモーニング!」と声をかけてました。
6人に1人が立ち止まってくれればいいほうだったけど、毎朝「今日はどんな人に出会えるだろうか」とワクワクしながらロケに向かってましたよ。
そして番組に出ながら英会話教室や大学の講師をしていたときもありました。忙しかったけど充実した日々でした。
来日後の英会話教室で運命の出会い
――ウィッキーさんはなぜ、日本へ来たのですか?
私は1961年に当時の文部省の国費留学生として初めてスリランカから日本に来日し、東京大学などで海洋水産について学んでいました。
駒場の留学生会館に住んでいたので家賃はかかりませんでしたが、国からの生活費は月2万5000円。生活が苦しいけど留学生だからバイトは禁止。文部省にバイトの許可をお願いしに行ったら「勉強に関係する英会話講師のバイトなら目をつむる」とのことで、渋谷の英会話スクールで働くようになりました。
当時は1964年の東京オリンピック前で英会話学校が流行っていたんです。
――そもそもウィッキーさんは英語をいつ習ったのですか?
私が生まれ育ったスリランカは当時イギリスの植民地(1972年に完全独立)で、英語が公用語でした。
まだ戦争のなごりがあった時代で、留学先が日本に決まったときは、女友達のお父さんから「お前は敵国に行くのか! もうウチの娘はやらん」とすごく怒られました。まぁ、日本の英会話学校で教え子だった今のワイフに出会えたんだから、その娘さんをもらわなくてよかったですけど(笑)。
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――運命的な出会いです。
はい。「ワンポイント英会話」に出演するきっかけも英会話学校でした。
後に『ズームイン‼︎朝!』で私を起用してくれる日テレの澤田隆治プロデューサーの奥様が偶然にも私のクラスにいたんです。
テレビは“一家に1台”という感覚がようやく浸透した時代で、憧れてたから、「1回でいいからテレビに出てみたい! 旦那さんに聞いてくれませんか」と、奥様に猛烈アピールしました。
でも当然だけど最初は断られました。ところが、ある時「夫の担当する番組の通訳をしてほしい」と頼まれたので快諾して、それから澤田さんとは家族ぐるみでお付き合いすることになったんです。
最初は「絶対に使わない」と言われていた
――最初は通訳だったんですね。
もともと澤田さんの「ワンポイント英会話」の構想は「日本人の英語力が低いから、英語で声をかけてビックリした顔を撮りたい」というもので、リポーター役は白人女性を想定していたようです。
だから20人くらいの若い白人女性を集めてオーディションをして、私はその会場に通訳として入ったのです。
――そこで「ウィッキーさんのほうがいいのではないか」となったということ?
いえ、実は20人の白人女性全員に断られてしまったんです。番組概要を聞いた途端、みんな答えは「NO」でした。
当時、英会話教室の講師の時給は1時間2000円。だから3分のコーナーである「ワンポイント英会話」は1回の出演で500円くらいだと勘違いしたのかもしれない。
内心「私にしてくれたらいいのに」と願ってましたが、澤田さんには白人女性の起用に強いこだわりがあったから諦めてました。
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今でも「ウィッキーさん!」と声をかけられる
――なのになぜウィッキーさんが起用された?
局の上層部から、とりあえず英会話コーナーが成立するかどうかの判断材料としてシミュレーション映像を出してくれと指示が出て、そこで澤田さんから「他に誰もいないから、とりあえずウィッキー、やってみてくれない? 絶対に使わないけど」ということで、王子駅前でシミュレーションを撮ったんです。
テレビ局上層部を納得させたシミュレーション撮影
――「絶対に使わない」と言われてどんな気持ちでしたか?
内心、チャンスだと思いました。それでどんな言葉で話しかけようと考えて、ちょうど時期が12月で年末調整シーズンだったから「Where can I pay my tax?(税金はどこで払うの?)」に決めました。
シミュレーション当日、考えていた質問をしようと歩いてる人に「グッドモーニング!」と声をかけても、誰もが「ノー! ノー!」って逃げちゃう。3分しかないのに困ってしまいました。
それで残りわずかの時間で見つけた2人のおばちゃんに声をかけたら、1人が逃げてしまったので、もう1人の腕をガシッと掴んで興奮気味に「Where can I pay my tax?」って叫んだんです。今なら大問題ですよね……。
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――それだけ必死だったんですね。
そう、必死。
私の叫び声の「tax」だけ聞き取ったのか、おばちゃんは「オーケー! オーケー!」って言いながら、今度はおばちゃんが私の手を引っ張ってタクシーに乗せた(笑)。
そこでドアが閉まってタクシーが走り出して、3分ちょうど。
このシミュレーション映像を澤田さんが上層部に提出したら「コーナーとして成立するかはわからないけど、この男性を使うんだったらいいよ!」となったんです。念願が叶った瞬間でした。
――王子駅のおばちゃんを巻き込んだ見事な3分寸劇。そうして始まった「ウィッキーさんのワンポイント英会話」。開始当初から好評だったんですか?
いいえ、最初は全然ダメ。始まって2週間で「終わりにします」と言われてしまいました……。
※
悲願のテレビ出演を果たしたウィッキーさんの身に何が? 今だったら社会問題必至のその理由は後編で!
取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班
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