――本作『お宅の夫をもらえませんか?』(作画・みこまる/原作・いくたはな)は、どのようなことから着想を得てストーリーを考えられたのでしょうか?
Instagramやネットの漫画広告を見ていると、明らかに「不倫」や「離婚」が注目の的になっていますよね。なので多くの人の気を引く作品が描けるのではと考え、テーマに選びました。けれど、単純に不倫をするだけじゃ独自性に欠けるので、不倫をする側にも何か理由があったほうがいいなと思って。
芸能人の不倫のニュースでも、私たちは一面的にしか事情を知ることができないのに、10:0でどちらかが悪いというふうに印象付けてしまう。「本当にそうなのかな?」ということを描きたくて、原作を執筆しました。
――いくたさんが、本作で特に共感した登場人物は誰ですか?
今までは自分の実体験をもとにしたコミックエッセイをよく描いていたのですが、本作は完全に創作ということもあり、そこまで深く感情移入した登場人物はいないかもしれません。でも、香織の夫と不倫をしてしまう「なな子」の境遇に同情はしつつも、いざ自分の夫がなな子のような人と不倫をした場合、はたしてそれを許すことができるのか? とは考えましたね。当事者だったらたまったもんじゃないよな、と。